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収支戦でラス確アガリは許されるか?

研究代表者 nisi
研究協力者 とつげき東北、みーにん

1.はじめに

収支戦(素点考慮ありのルール)で、オーラス・ラス目な場面において、基本的には順位を逆転するための打点を作りに行くのが一般的とされます。しかし、どうしても打点が足りない、もしくは有効牌が場に切れすぎててアガリそのものが厳しい場合も多々あると思います。

その場合に、あくまで順位逆転を目指すか、妥協して打点の足りないラス確アガリをして素点の回復を狙うか、どちらの選択がいいかをシミュレーションで調べてみます。

2.シミュレーション条件等

〇固定条件

・オカ20ウマ10-30、素点考慮ありの収支戦
オーラス0本場供託0本
・自分南家
・自手が両面+愚形の門前一向聴で、上家から愚形部分が出た
鳴いたらタンヤオのみ1000点スルーしたらリーチタンヤオの2600点から
他家3人は非リーチ門前
他家攻撃に対しては全ツする
変化は考慮しない
他家の挙動は通常通り

〇変動条件

点棒状況
(1-1)南家10000西家14500北家35500東家40000
(1-2)南家10000西家15100北家34900東家40000
(1-3)南家10000西家17500北家32500東家40000
(1-4)南家10000西家19500北家30500東家40000
(1-5)南家10000西家20100北家29900東家40000
(2-1)南家15000西家19500北家19500東家46000
(2-2)南家15000西家20100北家20100東家44800
(2-3)南家15000西家22500北家22500東家40000
(2-4)南家10000西家19500北家19500東家51000
(2-5)南家10000西家20100北家20100東家49800

前半5つがまくる対象者が1人(3着浮上狙い)の場合で、後半5つがまくる対象者が2人(2着~3着浮上狙い)の場合です。
前後半5つについては、点差を以下の通りに設定しました。
(1)4500点差…直撃2600点・ツモ10002000・脇から出アガリ5200点条件
(2)5100点差…直撃2600点・ツモ満貫・脇から出アガリ5200点条件
(3)7500点差…直撃5200点・ツモ満貫・脇から出アガリ満貫条件
(4)9500点差…直撃5200点・ツモ満貫・脇から出アガリ跳満条件
(5)10100点差…直撃5200点・ツモ跳満・脇から出アガリ跳満条件

・愚形部分の形
(1)リャンカン357(枚数指定なし)
(2)単独カンチャン24
(枚数指定なし)
(3)単独カンチャン24(場に2枚目
が切られたところ)
(4)単独カンチャン24(場に3枚目
が切られたところ)

・巡目…1~18巡目

具体的には以下のようなグラフ・表を作成します。

横軸が巡目、縦軸が半荘収支で、青の折れ線がチーテン取った場合(ラス確アガリで素点回復狙い)、オレンジの折れ線がスルーした場合(順位逆転狙い)です。このようなグラフが点棒状況10パターン+局収支の計11パターン×愚形の形4パターンで計44枚あります(なかなかのボリューム)。

例えば、4500点差でまくる対象が1人の場合で、両面リャンカン一向聴から鳴くかどうかは、15巡目まではスルーして順位逆転狙いが有利、16巡目以降チーして素点回復狙いが有利となりました。一般的に門前一向聴からの鳴き判断は、巡目が深いほどチーテン取る方が有利となります。そこで、有利不利が入れかわる境界巡目を以下の表にまとめました。

行方向が点棒状況、列方向が愚形の形による分類で、マスの中の数字が境界巡目(n巡目以降がチーテン有利)です。

以下、有料部分でグラフと表を掲載して分析していきます。

3.愚形がリャンカンの場合のオーラス鳴き判断(シミュレーション結果)

まずは愚形部分がリャンカンの場合を見ていきます。

まくる対象が1人の場合の5つの点棒状況についてのグラフを並べていきます。

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