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対リーチ押し引きについて、境界初手危険度を探る(点棒状況編)

研究代表者 nisi
研究協力者 とつげき東北、みーにん

1.はじめに

前回記事の続編です(前回記事の無料部分の知識はなくても読めるけど、あったほうが理解はスムーズかも。有料部分の知識は不要です)。

前回は、門前聴牌VS1軒リーチの押し引き(追っかけリーチ判断)について、局収支を基準として、押しとベタオリの境界となるような初手危険度(以下、「境界初手危険度」と書く)をシミュレーションで調べました。

今回は、同じく門前聴牌VS1軒リーチの押し引きの場面で、基準を点棒状況も踏まえた半荘収支・段位ptに変えた場合について、同じ手法で境界初手危険度を調べます。

2.シミュレーション条件

〇前提条件
相手一人がリーチをかけてるところで、自分にも門前聴牌が入った。
・自分は南家、相手リーチ者は北家(子VS子の状況)。
・相手リーチは非一発巡
・0本場供託0本

〇固定項目
待ち・打点…良形1ハン・2ハン、愚形1ハン~4ハンの6パターン
残り局数…8局~1局の8パターン
点棒状況…以下5パターンのいずれか
(1)自分40000西家30000北家20000東家10000
(2)自分30000西家27000北家23000東家20000
(3)自分25000西家25000北家25000東家25000
(4)自分20000西家30000北家27000東家23000
(5)自分10000西家40000北家30000東家20000
判断基準…半荘収支(ウマ10-30、オカ20、素点あり)or段位pt(鳳凰卓東南戦七段配分)の2パターン

〇変更項目
巡目
初手危険度…0%~40%まで、5%おきの値で調べる

具体的には、以下のようなグラフを作成します。

画像1

横軸が巡目、縦軸が半荘収支or段位pt、赤の折れ線がベタオリ時半荘収支or段位pt(これが基準となる)、それ以外の折れ線がある初手危険度のときの押したときの半荘収支or段位ptです。

例えば、良形1ハン・残り8局(=トンパツ)・40000持ち(トンパツの子なので、実際にはありえない点棒状況だが、全パターン調査の一環で便宜上)・半荘収支が基準の場合で、おおむねどの巡目でも初手危険度が25%となる場合にベタオリと追っかけリーチの半荘収支が同等となりました。この場合は境界初手危険度が約25%初手危険度がこれより大なら降り有利、小なら押し有利)ということになります。

このような表が、待ち・打点(6パターン)×残り局数(8パターン)×点棒状況(5パターン)×判断基準(2パターン)=480枚あります。ありますけど、とてもじゃないけど、全部分析するとかnoteで1枚1枚手作業で画像貼るとなると首がもげる(誇張)ので、さすがにあきらめです。

ここで余談ですが、グラフの生成とか画像ファイル化はExcel様のVBAを使って自動化まではやりました。最初の良形1ハン(グラフが計80枚)だけグラフの画像化した壮観な光景がこちら。HAHAHA!

画像2

というわけで、全パターンのグラフを載せるのは無理なので、境界初手危険度のみの情報に集約したこんな感じのグラフを作りました。

画像3

横軸が残り局数と点棒状況による分類、縦軸が境界初手危険度(調べたのが0%~40%の範囲内な関係で、縦軸の上下限も同範囲)で、折れ線1本(凡例)がある巡目(5・9・14巡目の3パターンのみ)・ある判断基準(半荘収支or段位ptの2パターン)における境界初手危険度です。

例えば、良形1ハン・全員25000点の点棒状況で、半荘収支で見た場合(青・オレンジ・灰色の折れ線)、特殊条件のオーラスを除いて、境界初手危険度は巡目や残り局数によらず、おおむね30%~40%(以上)の範囲内です。一方、段位ptで見た場合(黄色・水色・黄緑の折れ線)、オーラスを除けば境界初手危険度は25%前後になってることがわかります。よって、少なくとも全員配給原点の点棒状況においては、良形1ハン手で降りるケースは限定的(初手危険度が25%以上になることは稀)ということと、段位戦のほうが収支戦より境界初手危険度が低く、降りが有利になりやすいということがわかります。

このようなグラフが待ち・打点別の6枚分あります(最初の480枚に比べれば、このくらいの枚数のグラフ分析はわけがない…と思う)。以下、有料部分で6枚のグラフ掲載と分析をしていきます。

3.良形1ハン手の境界初手危険度(シミュレーション結果)

良形1ハン手の場合の境界初手危険度グラフが下表になります。

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