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手替わり価値の大小比較(聴牌編)

研究代表者 nisi
文章 nisi、みーにん
研究協力者 とつげき東北

0.例題

牌姿1 ペンチャン待ち(手替わりなし)

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牌姿2 カンチャン待ち(両面手替わり1種)

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牌姿3 5m引き変化で三面張

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牌姿4 4連形。5m6m8m引きで好形変化

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牌姿5 変化時、一盃口で打点的メリットがある場合

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1.はじめに

 前回、愚形待ちダマのアガリ率を調べましたが、そのときは、

役がある・手替わりが一切ない

という仮定でシミュレーションをしていました。
 そこで、賢明な読者の皆様はこう思うかもしれません。

手替わりがある場合はどのくらい差が出るのか

と。

 そこで、今回は他家がフーロもリーチもしていない状況(所謂「他家門前不動」)で愚形待ちダマ聴牌にした場合のアガリ率・局収支を比較することで、手替わりがあることによってどの程度局収支・アガリ率に影響するのかを見ていきます。
 なお、牌姿は上に掲げた5つ、巡目は3つ(4巡目・8巡目・12巡目)を用意しました。


 まず、手替わりの可能性が低い場合を確認します。
 牌姿1、これはペンチャン待ち3m0枚切れ)で両面変化がない牌姿です。

 8巡目のシミュレーション(nisiAI)の結果ログは以下の通りとなりました。

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 リーチをした場合のアガリ率は46%、局収支は800点となります。
 また、ダマにした場合のアガリは52%、局収支は200点となります。

 このようにリャンメンへの手替わりが乏しい場合、さっさと即リーチを打った方が局収支が高くなります。
 これがいわゆる「カンチャン即リー」の根拠です。


 もう一度、ダマの数値を確認します。
 この牌姿でダマにした場合、つまり、リャンメンへの可能性がほぼ見込めない場合のダマのアガリ率は52%、局収支は200点でした。
 では、リャンメンへの手替わりの可能性がある場合、この数値はどの程度動くでしょうか?
 それを、上の牌姿2から牌姿5を通じて見ていきます。


 まず、それぞれの牌姿の特徴を確認します。

 牌姿2カンチャン待ち5mを引くとピンフ両面に変化する牌姿になります。
 牌姿3はマンズの出来メンツが6m7m8mになっていて、5mを引いたときに三面待ちになるので、牌姿2よりも手替わりの質が良いと考えられます。
 牌姿44連形を含んでいて、5m6mツモで両面変化、8mツモで三面待ち変化なので、牌姿3よりもさらに手替わりの質・量がいいと考えられます。
 牌姿5は両面変化になる手替わりは1種類で、手替わりの量的には牌姿2に近いですが、5mツモのときに一盃口がつく分、牌姿2よりも手替わりの質が良いと考えられる手牌です。

 まとめると、

牌姿1<牌姿2<牌姿3<牌姿4

牌姿1<牌姿2<牌姿5

の順で手替わりの質・量が多い分、有利であると考えられます。
 この不等号がどの程度大きい・小さいかが今回のメインテーマです。

 なお、今回の手牌はリャンメン化したらリーチすることが多いことにかんがみ、AI(シミュレーション)においてもリャンメン化したらリーチをする(局収支的に損な場合を除き)ものとみなします。
 つまり、今回の数値は

役がある・手替わりは考慮・リャンメン化したら概ねリーチ

のパターンになります。
 打点十分(例えば、ダマで5200ある)であり、

役がある・手替わりは考慮する、リャンメン化してもリーチしない

ケースは別の機会に取り扱います。

2.アガリ率比較

 それでは、本題に入ります。
 まずは、アガリ率を比較したものがグラフ1になります。
(以下、有料記事となります。)

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