テレビのバラエティを振り返る2023

こんにちは。研究で忙しくなってもテレビを見ることをやめないまひくんです。2024年1本目です。卒業研究が最終盤に差し迫っている中でこんなに長い記事をアップしているのがなかなか頭がおかしいですが、12月の少し空いた時間を有効活用して執筆しました。note毎月更新を2年ほど継続しているので、なんとか1月に1本上げたいということで。1月さえ乗り越えたら、というところです。

さて、毎年恒例のテレビ番組を振り返るシリーズの2023版です。去年は上半期・下半期で分けましたが、今年は半期ずつ書く時間がなかったので、1年でまとめます。面白かったと思ったテレビ番組は適宜メモしているので、今年も充実したランキングを書くことができると思います。気づけば11000字オーバーの大作。

毎年言っていますが、僕は見ている番組に偏りがあります。この番組のこの回が入っていない!という意見があるのは承知です。あくまで僕が見た中で、面白かったものを共有したいと思います。

過去3年のランキングは以下の通りです。

それでは、早速ランキングです!


2023mybestバラエティ番組ランキング

第15位 テレビ千鳥 芸能人入り待ちクイズ 11/16

「テレビ千鳥」は、千鳥の二人が、ただただやりたいことをやる番組です。そのほとんどが、大悟さんの企画にノブさんが付き合うという感じで進んでいきます。カッチリした企画というよりは、フワフワした、よく分からない先が見えないような企画に顔を突っ込んでいきます。酒、タバコ、パンティーは頻出です。テレビ番組の見逃し配信アプリ、TVerのマイリスト登録数も200万目前で、とても人気のある番組です。

11月16日放送回では、ノブさんが体調不良で欠席する中、「芸能人入り待ちクイズ」という、テレビ局に来る芸能人の格好を予想するクイズ企画が放送されました。以前に何度か放送されていて定番化している企画ですが、今回はゲストとして見るのが珍しいサンドウィッチマンさんが登場しました。伊達さんが富澤さんのことを事細かく予想するのですが、その予想がほぼ完璧に当たっていて、思った通りの格好でエレベーターから出てくるところが面白かったです。カバンの中身も予想外のものがいっぱい出てきて湧いていました。

第14位 午前0時の森 水卜麻美精神科医に相談回 1/24

「午前0時の森」は、「今日話したいちょっぴり旬な出来事をアテに盛り上がる"おしゃべりの記録"」というコンセプトで、MCがトークを繰り広げるバラエティ番組です。若林正恭さんと水卜麻美さんがMCで、5月までは疑似生放送の形式で2人が主体のトーク番組でしたが、6月からは事前収録の形式で「おかえり、こっち側の集い」という、陰キャ芸能人の陰キャトーク企画が主体となりました。

1月24日放送回では、精神科医の名越康文さんが出演し、水卜さんの内面を打ち明けて相談する企画が放送されました。好きなアナウンサーランキングで殿堂入りするほどの人気アナウンサーでありながら、あまり自己開示をせず表面的なキャラクターが受け入れられている水卜さんの苦悩を完全に看破され、頷くことしかできなくなっている光景がとても良かったです。リニューアル前の午前0時の森は水卜さんが1番素に近い状態でトークしていた番組で、水卜さんが楽しそうに自分の話をしていたのが個人的にすごく見ていて心地よかったんですよね。それだけにリニューアルでゲスト主体になってしまったのが本当に残念なんですよ。水卜さんが自己開示できる場所という番組のストロングポイントを失ってしまったのが今でも悔しい。リニューアル後も新たなキャラクター(副島淳さん、金澤美穂さんなど)が定着してきたのは悪くはないんですけど、やっぱりリニューアル前の森が恋しいなと思ってしまいます。噂だと今年度で終わっちゃうみたい?ですね。

第13位 バカせまい史 内田有紀偽サイン史 6/8

「私のバカせまい史」は、芸能人が「誰も調べたことがないせまい歴史→バカせまい史」を紹介していくバラエティ番組です。バカリズムさんが研究長で、霜降り明星のせいやさん、さらば青春の光の森田さん、ヒコロヒーさんなどがよくプレゼンターとして登場します。テレビの歴史を振り返る資料的な側面と、題材選定のくだらなさを追求したバラエティ的な側面の両方があります。

6月8日放送回では、「内田有紀偽サイン史」と題して、全国のライブハウスの壁に内田有紀さんのサインが書き残されている経緯をまとめた調査企画が放送されました。番組が内田さん本人に聞いたところ、本人のサインではないことが判明し、犯人を探し始めます。サインに書かれた日付からアーティストを特定し、フィリピンに住むとあるバンドボーカルを取材、徹底追及すると、偽サインを書いた事実を認めました。内田有紀さんの偽サインを書いた人を海外まで行って取材するスタッフの熱量とくだらなさ、そしてドラマティックな完落ちが素晴らしかったです。

第12位 有吉クイズ LINEグループ動かす回 10/22

「有吉クイズ」は、有吉弘行さんと他芸人さん、若手タレントさんらがパネラーのバラエティ番組です。一般的なクイズ番組のような点数を競う雰囲気はなく、ただ出題されるクイズを楽しむ番組です。出題されるクイズに一癖あって、有吉さんのプライベートに密着するクイズでは過去、有吉さんが尻毛脱毛やイボ除去を行ったことがクイズとなっています。他に、有吉さん以外の出演者のプライベートの密着映像から出題されるクイズも多くなっています。MC仕事の多い有吉さんが体を張る珍しい番組です。

10月22日放送回では、何年も動いていないLINEグループにメッセージを投稿し、3分以内に既読が付いたら勝ちという企画が行われ、さらば青春の光・森田哲矢さんと、霜降り明星・せいやさんが挑戦しました。森田さんが所属している博多華丸さん主催の「おかざきパブテニス倶楽部」、せいやさんが所属しているクイズ作家・矢野良平さん主催の「古畑任三郎飲み」のLINEグループにて、既読をつけさせるためにかなり乱暴な文章を送り、その反応を伺うのですが、動いていないLINEグループにメッセージを送るヒリヒリ感とその反応、雑なヒコロヒーさんの写真によるネタバラシも含めて、大盛り上がりとなりました。

第11位 あちこちオードリー トレンディエンジェル斎藤トントンおじさん回 11/1

「あちこちオードリー」は、オードリーの二人が居酒屋のセットでゲストを招き、本音トークを繰り広げるバラエティ番組です。ゲストは主にテレビで活躍する芸人やタレントが多く、芸能界での苦労話がメインです。若林さんは相手をリラックスさせる雰囲気があり質問上手で、また自ら腹を割った話をするので、ゲストの方もついつい不用意な発言をしてしまいます。

11月1日放送回では、トレンディエンジェルさん、メイプル超合金さんが出演しました。特にこの回はトレンディエンジェルの斎藤司さんが、現在自分のお笑いのスキルに全く自信がない状態で、ずっと暗い状態なのがめちゃめちゃハマっていました。人知れずギャンブルにハマって全然お金がない話を「笑ってほしくない」と言う斎藤さん。お金がないのに豪華な結婚式を挙げるために知らない社長を呼んでトントンまで持って行った話は最高に面白かったです。トントンおじさん、良かったなあ。
あと、全然関係ないけどこの前のぱーてぃーちゃんのすがちゃんがジョンドンドンって言われてたのも最高だった。

第10位 全力!脱力タイムズ 覆面渡部漫才回 12/29

「全力!脱力タイムズ」はくりぃむしちゅー・有田哲平さんがMCの報道番組の体をなしたバラエティ番組です。コメンテーターはフリーアナウンサーの吉川美代子さんや元官僚の岸博幸さんなど、普通にワイドショーができるコメンテーター陣ですが、真面目な面をしてふざけます。ゲストに俳優さんと芸人さんが1人ずついて、その俳優さんとMCの有田さん、アシスタントの小澤アナ、コメンテーター陣が何も知らないゲストの芸人さんに色々な無茶振りをするという構成です。無茶振りに困りながらも奮闘する芸人さんを楽しむ番組です。

12月29日放送回では、年末拡大スペシャル企画で、2023年のニュースから関心の高かったものを振り返る(というテイでふざけ倒したVTRを流す)企画が行われました。番組全体通して面白かったのですが、その中でも、「お笑い界にNEWスター誕生!」というニュース(というテイ)でTHE コンプライアンス(覆面のTKO)が自虐的なショートコントを披露する場面があり、THE コンプライアンスに加わる形で覆面のアンジャッシュ・渡部建さんが出演しました。おそらく騒動以降民放キー局では初のテレビ出演です。有田さん以外全員サプライズでの出演だったようで(一緒に漫才をしたTKOさんですら知らない)驚きを隠せない一同。キレキレのツッコミと説得力のありすぎる発言の数々で、短い出演時間ながら大きなインパクトを残しました。覆面時点では誰だか分からないけど、喋り始めたら一発で伝わるのが良いですよね。ちょっと感動しました。アンタッチャブルの時もそうでしたけど、有田さんと脱力タイムズは粋ですね。2023年の年末で本当はランキングをいじりたくなかったのですが、あまりに面白かったので滑り込みでランクインです。

第9位 有吉の壁 アドリブ大河 11/22

「有吉の壁」は、有吉弘行さんから○の判定をもらうために、あの手この手でたくさんの若手、中堅芸人さんが有吉さんを笑わせようとするバラエティ番組です。この時代には珍しい純粋なバラエティ番組です。無茶振りも多く、体を張る芸人さんや、コント師が多く出演しています。アシスタントは佐藤栞里さんで、有吉さん、佐藤栞里さんがよく笑うからこそ、芸人さんが輝く番組になっていると思います。朝早くからロケをして、たくさん撮っているからか、毎週安定して面白い番組という印象です。

11月22日放送回では、「アドリブ大河」と題して、時代劇のセットを使って、有吉監督の無茶振りで演技をする企画が放送されました。芸人に無茶振りをさせるバラエティ企画は五万とありますが、有吉さんほど無茶振りから笑いが生まれる人は今いないと思います。そんな有吉さんの「名采配」がこの企画で存分に発揮されました。芸人さんの、真面目に演技をするか、ボケるか、のせめぎ合いを存分に楽しめる良企画です。

第8位 ゴッドタン ひとりVS西野2023回 10/14

「ゴッドタン」は、おぎやはぎさん、劇団ひとりさんが出演する深夜放送のバラエティ番組で、プロデューサー・演出を佐久間宣行さんが務めています。テレビ東京のバラエティ番組の草分け的存在で、業界の視聴率も高く、三四郎やEXITなどを輩出した、芸人の登竜門のような番組です。番組の人気企画「マジ歌選手権」は武道館や横浜アリーナでイベントを行った他、「キス我慢選手権」は2回映画化もされています。

10月14日放送回では、「西野よ時代を追い越せ!そして嫌われろ!」と題して、キングコング西野さんと劇団ひとりさんによる対決企画が行われました。コロナ禍を挟んで4年ぶりのこの企画ですが、過去には相手の顔に自分の尻をどれだけ近づけられるかという伝説の企画「尻ベーター」が生まれたマッチアップが4年ぶりに実現しました。相手の尻に指を入れて臭いか臭くないかをBETする「ケツベガス」、前掛け一丁状態で自分のアソコを隠しながら相手のアソコの写真を撮る「パパラッチ○コ」の2番勝負は、面白さは勿論、あの時のくだらなさが戻ってきたという嬉しさすらありました。

第7位 FNS27時間テレビ 鬼レンチャンほいけんたくるっくう 7/22

「FNS27時間テレビ」は、フジテレビ系列の大型バラエティ番組で、チャリティーなしでバラエティだけをやる24時間の生放送番組です。日テレ系列の24時間テレビのアンチテーゼ的な側面もあります。2023年は鬼笑い祭と題して、千鳥の鬼レンチャンメンバーの千鳥、かまいたち、ダイアンの3組が総合司会となり、鬼レンチャンを中心とした企画が放送されました。

その中でも、番組の名物企画・サビだけカラオケのタッグモード大会のほいけんたさんが期待を超える面白さでした。鬼レンチャンのほいさんといえば、高音を出すためにか弱い声でう行で歌う癖があり、T.M.RevolutionのHIGH PRESSUREで「カラダが」の部分を「カラダぐぅ」と歌ったのは有名です(これも今年の1月8日「千鳥の鬼レンチャン」放送です、これとまとめてここにランクインということで)。これがきっかけでほいさんはこの企画の中心的存在となり、今回の27時間テレビのキーパーソンとなりました。これを踏まえた上で、今回のタッグモード企画でほいさんは、布施明の「君は薔薇より美しい」で「変わった」の部分を「くるっくう」と歌い上げました。生放送のスタジオも大爆笑。歌詞を変えても音程があっていれば良いというルールで「音程を合わせるため」になりふり構わずこう歌っているのが最高に面白いですね。27時間テレビ全体を通しても、久々の復活でとても面白く仕上がっていました。

第6位 激レアさんを連れてきた。 力石持ち上げ回 1/16

「激レアさんを連れてきた。」は、弘中綾香アナが激レアな体験をした人をプレゼン形式で紹介するバラエティ番組です。プレゼンには手書きのパネルや紙芝居、紙粘土製の模型など、かなりアナログなもので制作されています。スタジオには弘中アナと激レアさんの他にレギュラー出演者としてオードリーの若林正恭さん、そしてゲスト2名という構成です。経歴がとんでもなく凄い人からめちゃめちゃ不運な人まで幅広く取り上げられます。

1月16日放送回では、「ある理由で巨大な石を持ち上げちゃったせいで地元の北陸地方を大パニックにさせてしまった張本人」のそばつぶさんが紹介されました。筋トレが趣味だったそばつぶさんは、北陸地方に昔から存在する「力石」という伝説を知り、早速力石が残っている石川県の神社に行くも、全く持ち上げることが出来ず、そこから力石を持ち上げるために様々な努力をすることになります。その過程で、とある神社で神主の許可を取らずに巨大な石を勝手に動かして移動させたまま帰宅してしまい、それが地元の人々を混乱させてしまった、という話なのですが、この事実を知った地元のおばあちゃんの反応が最高でした。パネラーのファーストサマーウイカさんも涙流すくらい笑ってました。

第5位 相席食堂 フワちゃん西川忠志回 4/4

「相席食堂」は、芸能人が一般の方と相席をしながら旅をするロケのVTRを見ながら、逐一千鳥さんが止めてツッコミを入れていくバラエティ番組です。ロケに行く芸能人の人選にやや癖があり、あまりロケが得意ではない人が選ばれる傾向があります。千鳥さんのキレキレのツッコミと愛のあるイジり、たまに出る爆発的な神回が特徴的です。関西ローカルの番組ですが、TVerで全国で見られる他、AmazonPrimeVideoなど有料サブスクで過去の放送回を見ることができます。

4月4日放送回では、フワちゃんと西川忠志さんが街ブラロケをする様子が放送されました。お調子者のフワちゃんがこの回の主役かと思いきや、テレビ慣れしているフワちゃんはキャラクターを出しつつもそつなくロケを進行していて、心配なく見られるロケ映像でした。問題は西川忠志さんです。忠志さんは西川きよしさんの息子さんで、多分ロケは慣れていると思うのですが、この日はやたらゾロ目(数字が並ぶこと)に反応を示していて、ゾロ目を見つけてはオーバーなリアクションをする姿が面白かったです。ゾロ目を探したいあまりに、スタッフの暗い歴史を掘ってしまった時の顔が最高です。是非見てほしい。

第4位 ラヴィット! 逆バズーカ回 7/5

「ラヴィット!」は「日本でいちばん明るい朝番組。」をテーマに、ニュースやワイドショー一切なしで、生活情報を中心に取り上げる情報バラエティ番組です。MCは麒麟・川島明さんとTBSアナウンサーの田村真子さんです。番組の性質上芸人がスタジオに多く、芸人がふざけ倒すのを川島さんがキレイに捌く様子が朝に見られるという一味違った朝の番組です。僕はほとんどリアルタイムで見られてないのですが(朝起きれないから)、度々話題になっている番組です。

7月5日放送回では、「天才・たけしの元気が出るTV!」でお馴染みだった早朝バズーカを令和の時代に復活させる企画が行われました。アンタッチャブル・柴田英嗣さんが、別の部屋で眠るきしたかの・高野正成さんをバズーカ砲で起こすという昭和な企画ですが、柴田さんがバズーカを逆に構えて真後ろに放射してしまい、後ろの壁が焦げてしまうという衝撃的な映像となりました。岸大将さんのわずか数センチ横を火花が通り最悪の事故は免れましたが、逆向きのバズーカ発射という映像のインパクトは強烈で、めちゃめちゃ面白かったです。

第3位 オールスター後夜祭’23秋 10/14

「オールスター後夜祭」は、TBS系列で毎年オールスター感謝祭という、TBSのドラマに出演している俳優やバラエティに出演している芸人が一堂に会し、大規模なクイズをする番組があるのですが、そのセットをそのまま使って行うスピンオフ番組として、このオールスター後夜祭があります。基本的にクイズの形式は感謝祭と変わらないのですが、捻った問題や、芸能スキャンダルに関する問題など悪意のある出題が多い傾向があります。司会は有吉弘行さんと高山一実さんで、回答者は全員が芸人です。最下位になると番組から永久追放となります。演出は水曜日のダウンタウンでお馴染みの藤井健太郎さんです。

2023年秋のこの放送の1企画、「永田裕志白目剥いちゃう?剥いちゃわない?クイズ」がとても面白かったので、この位置にランクインさせました。プロレスラーの永田裕志選手が関節技を決めた時に白目を剥く癖があり、そんな永田選手が、様々なシーンで白目を剥くか剥かないかを予想するという2択クイズです。「ジャムの蓋開け」「激痛足ツボ」「乳首タッチ」など、到底白目を剥くとは思えないシチュエーションで絶対に白目を剥いてしまうというくだらなさと、顔面のインパクト、ひな壇の芸人の白熱具合が相まって、めちゃめちゃ面白かったです。やっていることはとてもシンプルなんですけど、永田選手のノリの良さと、計算された藤井さんの演出がベストマッチの良企画でした。

第2位 有吉弘行の脱法TV 11/13

「有吉弘行の脱法TV」は、「テレビで出来ないとされていること」を有吉弘行さんが抜け穴を探して何とか実現しようとする番組です。単発で深夜に放送された番組で、演出は「ここにタイトルを入力」「ケーキのかわり」などを作った、新進気鋭のフジテレビ若手ディレクター原田和実さんです。

11月13日に放送されたこの回は、昨今のコンプライアンス意識の高まりでテレビでは放送できないもの(タトゥーや乳首、キャラクターなど)をどうにかして放送しようと色々な努力をしたVTR企画なのですが、最初はどうにかして放送するために努力をするという企画の主目的の部分で視聴者の関心を集めるんですけど、段々と放送できないラインを踏み越えようとするくだらなさが先行していって、気がついたらカラーバーを心待ちにしている、という内容構成が秀逸だなあと思いました。脱法乳首、脱法大人のビデオは腹抱えて笑いました。映像のくだらなさとそれを思いつく発想力は今年のバラエティ番組を総括しても上位に位置すると思います。後述する名探偵津田を差し置いて11月のギャラクシー賞を受賞したのも納得です。

第1位 水曜日のダウンタウン 名探偵津田第2話 11/8,11/15

「水曜日のダウンタウン」は、芸人さんが自ら提唱する「説」や企画をプレゼンし、その「説」や企画を検証したVTRをスタジオで見るという番組です。ダウンタウンの浜田さんがMC、松本さんがパネラーで、他にゲストパネラーが数人います。この時代にしては珍しくコンプライアンスのギリギリを攻めた企画も少なくありません。炎上したりBPOから注意されることもあります。一方で感動的なドキュメンタリー企画、数週間に渡った大作VTRなど、攻めた結果と言うべき面白い企画もたくさんあり、企画がウケた、ハマったときの反響が一番大きいバラエティ番組です。

11月8日、11月15日放送回では、「犯人を見つけるまでミステリードラマの世界から抜け出せないドッキリ、めちゃしんどい説」の第2弾が放送されました。ダイアンの津田篤宏さんがドッキリをかけられ、偽のロケ現場で殺人事件が発生し、急遽探偵(主人公)として推理をすることになり、事件解決するまで終わらないという企画です。前回が好評で2回目となっても津田さんが事件解決までの小さいタスクを嫌々ながらこなしていく様子が最高です。前回は企画としては面白かったけどストーリー自体はコンパクトで、良回程度の認識だったんですけど、今回は2週に渡る壮大な内容で、ストーリーの重厚さが格段に増しながらもバラエティとしてのくだらなさを保っていたのが素晴らしいなと思いました。途中で津田さんがどの世界にいるのか分からなくなって、自我を失った様子が最高にツボでした。1週間空いた期間で考察できる余白がありつつも、昨今の考察ドラマブームに喧嘩を売るようなオチだったのが水ダウらしくて好きです。年末特番すら待望されるのも納得の内容で、水曜日のダウンタウンの看板企画がまた一つ増えました。この番組の恐ろしいところはこんなヒット企画が何個もあるところ。藤井さんは本当に凄い人だ。

おまけ:ネット配信

おまけとして、面白かったネット配信番組を紹介します。YouTubeが多めです。

大脱出

DMM TVにて配信されているバラエティ番組で、クロちゃんが地中に埋まっているサムネイルが印象的です。プロデューサーは水曜日のダウンタウンでお馴染みの藤井健太郎さん。ここでのネタバレは控えますが、めちゃくちゃ面白いです。先日ネタバレを含む記事を書いたので、もしよければそちらもご覧ください。来年には2の配信が予定されていて、そちらも楽しみです。

トークサバイバー2

佐久間宣行さんプロデュースのドラマ×トークバラエティの新作です。Netflixにて配信されています。1が好評だったからか、予算が激増していてドラマの演出が大変なことになっています。芸人さんたちのトークもクオリティが高く、まさに正統進化といった内容でした。こちらは以前にnoteで感想を書いたので(ネタバレあり)もしよければ。

相席食堂プライムビデオSP エピソード10 津村屋コウジ

相席食堂のAmazon Prime Video限定版。10本のうち当たり外れはありますが、エピソード10のロバート秋山扮する津村屋コウジ回だけでも見てほしい。誰がどんなロケに出ても千鳥が面白がれてしまう相席食堂と、ロバート秋山の何にでもなれてしまうクリエイターズ・ファイルの究極のコラボ作品と言うべきでしょうか。千鳥2人の安定感あるツッコミは勿論、ローカル番組のスターという設定の津村屋コウジによるローカル番組パロディロケは全ボケ外さない完璧な出来です。数々のキャラを産んできた天才秋山竜次にとっては持ちキャラの1つでしかないんでしょうけど、とにかく凄まじかったです。ノブさんから「近年見たもので1番おもろい」を引き出した名作です。

高野さんを怒らせたい。 扉が重いだけの脱出ゲーム

更新頻度がどんどん下がって、動画のクオリティがどんどん上がっているチャンネル。純粋な謎解きから始まり、そしてただただ忍耐力が要求される仕掛けが次々と高野さんを襲い掛かり、着実にストレスを与えながら、最終的にちょっと出口の扉が重いだけ、という非情すぎるオチまで、動画時間50分という大ボリュームながら飽きずに見られる神回でした。

くるま温泉ちゃんねる 長田納車SP 痛車ラッピング

1200万円費やして購入したJeepの色を白に変更するために業者に依頼したチョコプラ長田さん。そのラッピングの完成をお披露目する回です。ラッピング業者さんの遊び心でJeepにイタすぎるファイヤーパターンのステッカーが貼られていて、長田さんが頭を抱えています。大好きな回です。

さらば青春の光Official YouTube Channel ビッグモーターVSピンサロ

企画力が抜群のさらばYouTubeから1本。タイトルの通りの企画です。正直企画自体は下世話なだけの企画ですが、ニッポンの社長のケツさんが登場してから想像もつかない盛り上がりを見せます。この映像を撮れたことが奇跡に近い。

総じて

今年は大当たり年だったと思います。印象的なシーンが非常に多く、順位付けを非常に悩みました。中でも11月は超当たり月で、11月だけで5つランクインしています。ちなみに11月のギャラクシー賞は脱法TVの他にNHKのニッポンおもひで探訪という番組が受賞しました。この番組はバラエティではないので今回はランキングに入れていないのですが、NHKらしいクオリティの高さがありつつ新しい番組で話題になっていました。それって実際どうなの課ゴールデンの森川葵スポーツスタッキングアジア大会企画も11月ギャラクシー賞で、今年を象徴する水ダウの名探偵津田企画ですらギャラクシー賞を獲れない11月のテレビの盛り上がりは特に印象的です(名探偵津田がギャラクシー賞を獲れなかったのはこれまでに水ダウが何回もギャラクシー賞を獲っているからだと思います、他にも面白いものがたくさんあったから今回は、というだけでこれからも水ダウはギャラクシー賞を獲り続けるでしょう)。

名探偵津田の企画は文句なしの1位だと思うんですけど、次回作はそこまですぐにはできないかなと思っています。この企画はとにかく津田さんが絶妙に設定に入らない立場なところが良くて、嫌々付き合ってあげているというのは津田さんにしか出せないリアルな感情です。番組内でも言及があったように、「忘れかけている頃」に行うのが多分ベストで、やるにしても期間を空けて行うんじゃないかなと思います。大晦日の企画にすべきなんて声もありますけど、大晦日は日テレが吉本芸人を囲っているような状況なので難しそうな気がします。というか藤井さんは年末は「正解は一年後」に注力していそう。ゴッドタンのキス我慢選手権みたいにスケールを大きくして映画化する、というのもアリかもしれないなと思いました。
大衆にウケているのは多分純粋に映像企画としての面白さなんでしょうね。人を傷つけないようなバラエティでもない(めっちゃ重労働させられてるし全く必要のない肝試し的なこともやらされてる)んですけどね。津田なら面白いしこれぐらいやっても良いだろういうような、大衆に適度にナメられている可愛げがハマっているのかもしれないです。

個人的に好きな番組が多くレギュラー化して、楽しみな番組が増えた1年でした。既存のレギュラー番組はバージョンアップしていてさらに面白くなっていました。来年以降も間違いなく面白いテレビがたくさん作られていくと思います。楽しみです。


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