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【ネタバレ有】大脱出 感想・考察

今回はDMMTV「大脱出」について書いていきます。内容の全てを書くつもりはありませんが、根幹に関わるネタバレも一部含むものを想定しているので、まだ見ていない人はブラウザバック推奨です。有料配信コンテンツなので、不都合があるようなら投稿自体取り下げますが、配信開始からだいぶ時間が経過していて話題も一通り過ぎて流石にもう良い頃合いだと思うので投稿します。これを書いたのは配信直後です。もう少し前に上げようと思っていたけど気がついたら大晦日になってました。特にこの日にする理由は無いんですけど、もうしばらくすると大脱出2が配信されるので、それより前に上げなきゃ、ということで今上げます。感想と考察に分けて書いていきます。


感想

全体通して、めちゃめちゃ面白かったです。配信コンテンツならではの過酷さもありながら、下ネタに偏っているわけでもなく、ゲラゲラ笑えるところもありながら好奇心をそそるような面白さもありました。

序盤はクロちゃんがひたすらに可哀想ですが、我々がクロちゃんを知りすぎたせいで、小峠さんが言うように「クロちゃんが埋められていても何の違和感もない」状況を作ってしまったのが成功ですよね。かなり昔の段階で土の中に顔だけ出した状態で埋められているクロちゃんがAIスピーカーに話しかける図が浮かんでいたらしいですが、よく実現したなと思います。

クロちゃんだけでなく、他の部屋も仕掛けが多くて面白かったです。脱出ゲーム的な頭の使い方もありつつ、体力的な負荷が大きくかかる脱出は芸人を対象とするバラエティでしかできないなあと感じます。

どうやら各々の撮影は同日でないようで、「合流」という部分に関しては明らかに辻褄が合わないのですが、それを指摘するのは野暮だと僕は思います。そういう演出を受け入れられないと楽しめるものも楽しめません。肝心の脱出に関しては一切手が入っていないと思うので、問題なく楽しめています。

合流後の展開は正直中だるみを感じました。折角部屋を作ったのなら合流後にも活きるような展開があるのかと思っていましたが、特別そんなこともなく進んでいきました。外部との連絡手段としての公衆電話、食料としてのお菓子、ほぼ何でも生成できるラジオネーム、これらを脱出後にも活用できる何かがあればもっと楽しかったのかなと思います。ただ、これがなくとも十分面白かったですし、最後のトラックのシーンはめちゃめちゃ興奮しました。しんいちさんの覚悟を決めた表情はなかなか撮れないですよ。

2が早くも期待されていますが、この仕掛けを2で超えなければならないのは簡単ではないと思います。クロちゃんが土に埋まっているのを上回るインパクトは何かあるでしょうか。僕はド素人なのでノーアイディアですが、藤井さんなら何かしらやってくれるのではないかという期待があります。

考察

ここからは見ていて気になった点を考えていきます。答えのないものなのでこうなのかな?くらいに留めておきますが。

岡野・高野部屋の脱出方法

トム・ブラウンさんの部屋は壁を食べて出た後に鍵を部屋から探す、みなみかわさんとしんいちさんの部屋はクイズに正解して穴を広げる、というように脱出する方法がわかった状態でタスクに取り組んでいましたが、岡野さんと高野さんはラジオネームに含まれた名前のアイテムが支給されるのみで扉がない部屋から脱出する方法が一切分かりません。本編ではツルハシで床をくり抜き、スコップで土を掘って脱出するというかなりのパワープレイで脱出しましたが、あの部屋の模範脱出解は何だったのでしょうか。白い部屋を覆うように木の家が建っていたのもこの考察を難しくしているポイントで、「出口」を生成させるという頭を使った解も正解とは言えなさそうです。正直はっきりとは分かりませんが、虫が床の隙間から部屋に入ってくる描写が何度かあって、それがメッセージなのだとしたらあながちあのパワープレイは間違っていないのかなと思います。にしても過酷すぎる。

トム・ブラウン部屋の扉の鍵

トム・ブラウンさんの部屋は家in家の二重構造で、まず内側のお菓子の家の壁を食べて脱出し、そこからお菓子の家にある鍵を見つけて脱出するというもの。最初の脱出条件はお菓子の家を「食べて」脱出するのに対して、2つ目は鍵を「見つけて」脱出するので、お菓子の家を出てからはトム・ブラウンさんはおそらくお菓子を食べる必要はない(と思っている)んですけど、食べるという雰囲気に見ている側がなってしまっていて、この辺どうだったのかなとちょっと気になりました。部屋で支給されたアイテムの使い方もイマイチわかりにくかったです。ミキサーや鍋はお菓子から鍵を探す(大きなお菓子を小さくする)ために用意されたのかなと僕は解釈しています。

赤い鍵のありか

全員が合流後、脱出に赤い鍵が必要となるもなかなか見つからず、最後は強硬手段に出ましたが、赤い鍵の発見手段がまさかのAIスピーカーでした。最後の脱出がノーヒントで、もう一度今までのものを使うというのは脱出ゲームの常套手段で、最初見たときは鳥肌モノでしたが、感想のところでも述べたようにもう少し家の仕掛けを後でも使っても良かったと思うし、最後だけ使うのはその発想に持っていくのが難しすぎる気がしました。赤い鍵を用いて脱出するのが模範解なら、クロちゃんにAIスピーカーをもっと印象付けなければいけないですが、クロちゃんは土から出ることに必死で(当たり前)、端から鍵で脱出させる気は無いんじゃないかとも思えてきました。

トラックが正攻法?

赤い鍵が見つからず、強硬手段としてトラックで突っ込んで門を破壊し脱出したわけですが、赤い鍵が見つかるはずがない状態ならば、このトラックの方法が模範解として用意されていたのかもしれません。第一、トラックが運転できるようになっている状態がその思考にさせた訳で、極限の状態なら選択するだろうと制作側は睨んでいたのかなと思います。門もトラックが突っ込んで壊れるくらいの丁度いい脆さでしたし。まあこの絵を撮りたかった、と言われるとめちゃめちゃ納得できますし、凄い映像でしたからね。

「破壊」のカタルシス

知恵を振り絞って脱出する、というのが大脱出のゲーム性として楽しい部分でした。AIスピーカーにどんな指示をするか?誰に電話をするか?どんなアイテムならこの部屋から出られそうか?色々ありました。ただ先程述べたようにトラックによる脱出が正攻法だとしたら、何かメッセージというか、意図を感じます。あの門をトラックで突き破ったとき、物凄いカタルシスがありました。ルールがあっても、それをぶっ壊して出るという人間の生命の力と快感が、すごく伝わってきて、これがこの作品の満足感につながっているのかなと思いました。

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