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私の出会った先達の人生訓

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新聞社で定年を迎えたこともあって、夢を追い、共に生きる社会を願い、先達との邂逅に恵まれた。人生をより豊かにしてくれた先達との出会いを伝えよう。
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#ウズベキスタン

私の出会った先達の人生訓 はじめます

私の出会った先達の人生訓 はじめます

 新型コロナ禍による世界の死者は、2021年6月現在380万人を超え、なお増え続けている。終戦の前の年に生まれた筆者は「戦争」を知らないが、まるで目に見えない敵との「戦争」のように思う。「人生80年」、それ以上の超高齢化社会の日本ゆえ、重症化や死亡率が高く予期せぬ難事となっている。昭和、平成、令和と生きてきたが、これほど命の儚さと、日常の大切さを思い知ったことはない。これまでの生とこれからの生を思

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文化で国際貢献、元拉致問題担当大臣の中山恭子さん 地球市民の時代へ、「共生」の理念を追求

文化で国際貢献、元拉致問題担当大臣の中山恭子さん 地球市民の時代へ、「共生」の理念を追求

 人生の出会いは不思議なものだ。「袖振り合うも多生の縁」といった故事もあるが、まったく接点の無かった人と、交誼が拓けることもある。出会って後に、内閣官房参与に就任し北朝鮮による拉致被害救済で時の人となり、参議院議員として活躍した中山恭子さんもその一人だ。ある日、知己を得てから親交が続き、「共生」をテーマに各地で対談をさせていただいた。21世紀こそ、国境や政治の壁、宗教の違いを超えた地球市民の時代に

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考古学者で文化人類学者の加藤九祚さん  シベリア抑留を体験、老いて遺跡発掘の生涯

考古学者で文化人類学者の加藤九祚さん シベリア抑留を体験、老いて遺跡発掘の生涯



2002年に受章した「ドストリク」(友好)勲章を胸に正装の加藤九祚さん
(2008年、奥野浩司さん撮影)

■シルクロードの名著、90歳過ぎても現場へ
 90歳を過ぎても、シルクロードの要衝の地、ウズベキスタンで遺跡の発掘調査を続けていた考古学者で文化人類学者の加藤九祚(きゅうぞう)さんが、発掘のため訪れていた南部・テルメズの病院で2016年9月12日に亡くなって5年になる。94歳だった。大半

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