ラマダン初日の難民キャンプは、お祭りみたいだった!
ヨルダンでは、4月3日(日)からラマダンがスタートした。
ラマダンと言えば「断食」
断食をしたことがない私にとっては、ラマダンは辛いものっていうイメージを持っていた。
それとは裏腹に、街中の雰囲気はお祭りそのもの。
ラマダン初日のパレスチナ難民キャンプは、特にそれを感じる一日となった。
幼稚園でのラマダンイベント
活動先の難民キャンプの幼稚園では、「ラマダンイベント」で目白押しだった。
子どもたちの中には、民族衣装で登園してきた子たちがいたり、先生たちが忙しくお菓子を包んでいたり、家から持ってきたお菓子を配る子どもたちがいたり…
大人は断食中だけど、幼稚園生の子どもたちの中で断食する子はほとんどいない。
子どもたちにとっての「ラマダン」は、大人が感じるものとはまた違って、お祭りのような楽しいイベントなんだろうなって思った。
そして、あるクラスの先生は、お手製の太鼓を用意していた。
ラマダン中は、朝3時、4時に起きて、朝ごはんを食べる。
寝ている人を起こすために、太鼓を叩いて近所を歩くという文化が昔からあるみたいで、それの真似事を子どもたちにさせていた。
太鼓とお菓子を持った子どもたちが、他のクラスに入っていき、寝ているフリをしている子どもたちを起こしていた。
こういう文化体験ってすごく良いなぁと思いながら見ていた。
子どもたちも楽しそうだった。
プチ断食体験レポート
その日の私は、朝7時に食べた朝ごはんを最後に、慣れない断食にチャレンジしていた。(ムスリムは、朝4時に朝ごはんを食べる)
なんせヨルダンはまだ4月だというのに、気温は30度近くある。
食べないのは耐えられるけど、水も飲めないっていうのはすごく辛く、「水を飲んではいけない」ということ自体が、精神的に来るものがあった。
それのせいか、身体もなんかだるかったし、眠かった。
そんな中、活動が終わった13時頃、センターで働く同僚の女性スタッフが「うちにイフタール(断食明けの食事)を食べにおいで」と誘ってくれた。
お誘いはすごく嬉しかったけど、その時イフタールまであと6時間あって、この6時間を耐えられる自信がなかった、、、けど、せっかくのイフタールを体験したいという思いから、お家に行かせてもらうことにした。
彼女の家に着くなり、私の様子を見て「そこの部屋で昼寝しな」と言ってくれて、その言葉に甘えて2時間半くらいぐっすりと寝かせてもらった(笑)
昼寝から起きた時、午後4時半。
暑さで起きた私は、この時こっそりと水を一口飲んだ(笑)
食べるのが好きな私に断食は向いていない。
初めてのイフタール体験
その後、イフタールに向けて食事の準備をする彼女の手伝いをさせてもらった。
お腹が空いた状態で料理をするのは修行に近かった(笑)
何度も「早く食べたい」って言いながら、できるだけ無心で野菜を切った。
彼女には、幼稚園〜小学生くらいの子どもが4人いる。
子どもたちはイフタールに向けて必要な食材を買いにお使いに行ったり、テーブルの準備をしたりと、よく手伝っていた。
上の子が下の子の面倒を見る文化は、アラブのとっても良いところだと思う。
夜7時のアザーン(マグリブ)の時間に近づくにつれて、いよいよご飯が食べられる!とソワソワする私。
それと同時に、彼女の親戚も集まってきた。
アザーンの「アッラーフアクバル(神は偉大なり)」が聞こえた後、「食べてもいいよ」って言われて、まずはデーツを食べた。
デーツは、1個、3個、5個というように、奇数食べるのが決まりらしい。
断食をしていた胃腸をびっくりさせないようにするために、できるだけ胃腸に優しいものから口に入れていく。
デーツの後は、お水、飲むヨーグルト、レンズ豆のスープ、サラダ、そして最後にメインディッシュのケプサを食べていった。
12時間ぶりの食事は、とってもとっても美味しくて、一口一口味を噛み締めながら食べていった。
ムスリムは15時間ぶりの食事というのは本当にすごいと思った。
人で賑わう夜の難民キャンプ
食事の後は、難民キャンプ内を散歩した。
同僚である彼女の9歳の娘と、26歳の甥っ子と3人で歩いた。
夜の9時、10時だというのに、子どもたちがいろんなところで遊んでいたり、自転車に乗っていたり、歩いていたり、おじさんたちが道端でシーシャを吸っていたり、その光景は平和そのものだった。
そして、キャンプ内の装飾も綺麗だった。
キャンプ内を散歩している時、「ラマダン明けのイードの方がもっと盛り上がって綺麗だよ」と教えてくれた。
イードも楽しみやなぁ。
*
ラマダン初日は、初めてのことばかりですごくワクワクした。
断食は私にはできないと思ったけど、ラマダンという特別な雰囲気を、この1ヶ月間楽しみたいなぁって思った。
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