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#記録

空振りフルスイング心地良い音

空振りフルスイング心地良い音

適当なことが大好き

“棒にふる”が大好き

たとえば、
ものすごく高いジェンガがあって
「あと一段積み上げたら1億円もらえます」
があったら

30メートルぐらい助走をつけて
笑顔で体当たりして
一段残らず崩したい

きっと1億円よりも面白くて
豊かな味がすると思う

渡部有希

舟を漕ぐならば

舟を漕ぐならば

僕たちはどこへ行くのか

帆は小さく
波は高い

床板は軋み
霧が霞む

オールもエンジンも
とうの昔に捨ててきてしまった

ここにあるのは果てのない線と
白く獰猛な起伏

でも僕たちは
漕がねばなるまい

つきまとうものを振り払うすべは

カモメを眺めて泣くことか
魚にキスをすることか
太陽を口一杯に頬張ることか

僕はまだ知らない
そして、知っている

世界には尻尾があるらしい
ここはまだ水槽

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黒猫

黒猫

街路樹の影が
真っ黒で
ニァアと聞こえた

ああ、
誰かいて
私を呼んでいるのね


耳を塞いでいた
真っ白いイヤホンを外して
影へ歩み寄る

そこには
枯れた葉が2枚
ちらりと落ちているだけで

ニャアも
なにも
なかった

それが
とてもとても
悲しかった

ひとりのかえり

ひとりのうちへの

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詩人ってすごい職業だと思います。

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