路線価って、気にして見た方が良いの?

先日、お会いした方から聞かれた
こともあり、今日はこのテーマで、
お伝えします。


毎年7月1日に、「路線価」の発表が
あります。
1月1日現在ということで、
約半年のズレはありますが、
不動産を考える上で、
指標の1つになると私は考えています。


特に、「相続」や「贈与」が絡む時には、
税金を考えることと直結します。


なので、すぐ必要ないかも
しれませんが、
マイホームにせよ賃貸用にせよ、
不動産をお持ちであれば、
あなたがお持ちの場所
だけで良いので、見ておかれると
良いのではないか、と私は考えています。


路線価が高いから良い物件、
低いから悪い物件
という訳ではありません。


あくまでも人の往来とかを加味した、
人気投票的なことが数値化された
ものが路線価だと私は考えています。


なので、数値が高いと、
賃貸需要も高い地域である
可能性はあります。


とは言え、住まいとして考えた場合、
静かな環境を好む方も多く、
路線価の高さ=選ばれやすい立地という
ことでもありません。


なので、あくまでも、目安、参考程度に
見ておくのが良いのではないか、
と私は考えています。


ちなみに、路線価はどのように決まるか、
ご存じですか?


それは、国土交通省が3月に出す
公示地価や売買事例、
不動産鑑定士さんの鑑定評価などを
もとにして、税務署が決めている、
というのが、おおよそのイメージです。


あなたが、不動産を購入した
経験があれば、購入の数か月後に、
「取引価格などを記入する
 アンケート的な書類」を
郵送で受け取った経験、ありませんか?


まさに、あれも、公示地価や路線価を
決める上で、大切な参考資料に
使われているのです。
なので、面倒くさい、と捨ててしまわず、
少し時間を取られてしまいますが、
他のみなさんのために、と思って、
ぜひ提出して下さいね。


そんな背景がある中で
毎年公開される路線価。


気にして見た方が良いの?と聞かれれば、
先程伝えたように、見た方が良いと
伝えますし、
私は、不動産を購入する時には、
参考指標としてではありますが、
必ず見るようにしています。


理由は、土地の持ち分の価格を見ることで、
将来値下がりした時の底値、
みたいなのを、考える目安になると
考えているからです。


どういうことか?


イメージを伝えるために、
分かりやすい数字を使います。


2,000万円の中古マンションがあり、
謄本から計算して、土地の持ち分が
7平方メートルだったとします。
そのマンションの前面道路の
路線価は100万円だと仮定します。


この場合、路線価で見た土地の価格は、
100万円×7平方メートルで
「700万円」となります。


そして、路線価は、公示地価の8割と
言われていますので、700万円を
8割で割り戻すと、875万円となります。


マンションの場合、建物と土地を
分けて売却することはできないので、
建物の利用価値と土地持ち分を合わせたのが
売買価格になります。


そのため、厳密に土地の時価がいくらか、
ということは言い切れないのが正直な所です。


ただ、上記の計算で考えられることとして
伝えたいことは、仮に建物が
倒壊してなくなってしまったとしても、
もし路線価が変わらなければ、
少なくとも土地持ち分の875万円は
保有できていることとなり、
この値段が、最悪ケースで考えた時でも、
底値になるのではないか、という考え方です。


組合で同意して、建て替えなどに
ならない限り、マンションを
更地で売却する可能性は低いですが、
仮に、この部屋が、900万円で
売りに出されていれば、購入する人は、
自分で住むにせよ、賃貸に出すにせよ、
建物の利用価値分を25万円くらいと、
ほぼ土地の値段で、譲り受けられることに
なる、というのが、
お伝えしたいイメージになります。
(実際に、このような値付けがされる
 可能性は限りなく低いので、
 ここまで物件価格が下がるという
 訳ではありません。あくまでも、
 土地を価格として計算した上での
 価値、というイメージです)


これは、実際に物件を購入して、
土地と建物を按分計算する時に
使うことが多い、
固定資産税評価額をもとに計算した、
土地価格と建物価格とは、
違った考え方の計算です。


将来、路線価が下がるなどして、
土地の価値が下がる可能性もあるので、
絶対とは言い切れませんが、
マンションの場合の土地の持ち分から
底値を考えるというのは、
マンションを購入する時の、
ひとつの安心感になるのではないか、
と私は考えています。


株式も、企業の業績や保有している
資産などを加味して株価がついています。


ただ、業績の悪化や不祥事、最悪の場合
倒産など、あなたがコントロール
できない要因で、価格が大幅に下がり、
最悪ゼロになることさえあります。


その点、不動産の場合、建物は利用価値が
なくなることでゼロになる可能性は
ありますが、土地が減価償却の対象になって
いないように、基本的に、
土地、そして土地の持ち分は、
失われることはありません。


それはつまり、土地、土地の持ち分に
相当する資産価値は、
将来にわたって、あなたの
資産として、価値が残るという
ことを意味していると、私は考えています。


私は、自分が購入を検討する時、
参考程度ではありますが、
このように路線価も判断材料として
使っています。


もし良かったら、あなたも、
使ってみて下さい。


すでにあなたが物件をお持ち
であれば、登記簿謄本を
見返してみて、一度所有物件で
計算してみるのも、良いかもしれないな、
と思いますが、いかがでしょうか?

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