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読書録

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明治演劇史 渡辺保 

明治演劇史 渡辺保 

第一章 近代とはなにか 
一、もう一つの明治維新ー梅若実と室生九郎

近代と個人、社会と出会う、写実的な精神主義者、という視点が展開されて演劇においてもやはりそうなのか!と視座が開く思い。歴史重要!と改めて思ったのでした。少しづつ読んでいきます。
#読書録 #渡辺保 #演劇史 #明治演劇史

猪瀬直樹さんの近著「カーボンニュートラル革命」の1章でも縦割りの弊害だけでなく、東電や大手プラントメーカの既得権益、しがらみで新機軸を打出せない背景が生々しく伝わってくる。そこを報じて問題提起できないマスメディアの課題も指摘。

澁澤龍彦  「高丘親王航海記」

澁澤龍彦  「高丘親王航海記」

なーんの役にも立たない本だ。
でも、私は夢中でページをくって読んだ。現れたのは色鮮やかで、明るくて、透明で、軽やかな世界だ。

これは、1987年に刊行された澁澤龍彦の数少ない小説だ。澁澤59歳。咽頭癌の治療、療養中にも執筆を続け脱稿。この年頸動脈瘤破裂で亡くなっている。高丘親王は実在した人物だ。平安時代、平城天皇の第三皇子として生まれ、幼年藤原薬子に可愛がられ育つ。政争に敗れ出家、空海の弟子とし

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黒船の世紀 読書録

自分が世の中にどう刺さっていくか。それが生きる上でのその人の人生の仕事だとしたら、日本における作家という仕事の価値は、社会的コンセンサスを得ているだろうか。黒船の世紀の著者猪瀬直樹は、作家の仕事の価値を社会に刺そうと、インストールしようとしているように思う。

本著は歴史をなぞらえつつ、過去の作家の仕事を発掘する事で、作家の仕事とは、どういう影響を与えうるのかを浮き彫りにする。合わせて「日本人の精

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