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No.4 核融合、自己組織化する宇宙

人間と地球と宇宙には似ている部分があるね。
そりゃ地球だって人間だって、宇宙の一要素なんだもの。

中学か高校くらいの時から、ときどき「自分は何のために生まれてきたのか」を考えて、よく悲しくなった。ひと一人は、どれくらい瑣末な存在なのだろう?私の人生にはどれほどの意味があるのだろう?
そんな卑下な問いが、自分を何かへの使命感や憧れに駆り立てた。いや、みんなそうなんじゃないかな。意味のある何者かでありたいんじゃないかな。

そんな想いへの祈りと支えのつもりで、私は詩を書くし、映画を撮るし、何か表現そのものを探し続ける。


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SF映画を創りたい。いやわたしは宇宙についての映画を創る。っていうのがぼんやりある。
これまでの映画には『未知との遭遇』や『STAR WARS』の影響が強くて、「異物との接触・遭遇」や「異物との戦い」という作品が多いと思う。
でも宇宙は自分たちの住処であって、決して未知なる異物ではない。敵でも無い。宇宙は怖く無い。宇宙は優しい。


ある出会いから、宇宙に対して優しい気持ちを持つようになった。人と宇宙との本来的な繋がりを描きたい。


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地球の景色は、宇宙の眺めとどこかフラクタルなところがある。
人から感じる愛にも、宇宙の光や熱、あるいは核融合の想いとフラクタルなところがある。
だからいま地球でふれる美しさや愛が、どこからやって来たのか、私は観に行きたい。


核融合の想い。それは私が勝手に妄想しているもの。私にとっての核融合とは特に、宇宙史でいう光子時代(宇宙誕生から10秒後から38万年後)の中で起きた初めての原子核合成の現象のこと。宇宙誕生から3分から20分後のことだったという。

この頃、宇宙はまだ産まれたてで、とても寒くて、とても暗くて、星たちの祖はお互いの光を探して、一生懸命にもがいていた。

そのとき起きた核融合は、広い広い宇宙の中で、はじめて意志が生まれ、愛をもった情熱が惹かれあい、暗闇の世界に最初の花火が上がった瞬間のように思える。あくまで妄想、いや私のインスピレーションなんだけど。


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一緒に呑んでいる両親が私を育ててた思い出を語ってくれたとき、堪らなく熱く込み上げてくるものがあった。
とある海辺で夕方あなたが笑って泣きながら私を愛してると言ってくれたときも、喧嘩した君と学校裏の高台で学ラン姿で抱き合ったときも、同じように胸が熱くて熱くて堪らなかった。
晴れた夕日を眺めていると、大切な人とそんな風に一緒に泣いた思い出がいくつかあった。


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あの頃、産まれたての宇宙にいた君たちも、きっと同じような熱く込み上げる喜びに、抱き合ったんじゃないかな。
壮大に広がる夜空を仰いで、わたしはそう問いかける。

いま生物が惹かれあうことや、人間が愛し合うこと、それはこのとき星の先祖たちが惹かれあった情熱と、なんとなくどこかで繋がってないかな。繋がってたら素敵だな。そんな風に思います。

人間は弱いけど強いから、何かに理由や起源を求めなくてはいいと私は思うよ。でも、みんなが伝え合うその尊い愛には137億年分の奇跡が重なっているということだけは感じて欲しい。
そう思って、創作していきたいです。


#随筆
#宇宙
#地球
#人間
#愛

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