天狗の導きあり
折平山「天狗探しの旅」
朝起きて外に出ると、なんと雲一つない大快晴だ。
台風明けの大快晴は何と気持ちの良い日だろうか。
大快晴となれば、急遽予定は変更だ。
いざ山へ!
前日までの奈良旅などで体が疲れていたこともあり、あんまり高い山は厳しいな、と思っていたので比較的登りやす山をチョイス。
YAMAPで自分のいるところから、近くて登りやすい山を探してGO。
なんと導かれるように選ばれたその山は「天狗棲む」山だったのだ。
いつ何が起こるかわからないドラマティックなのが人生で、天狗にたどり着く経緯が自分に起きた出来事なのに、なぜか笑えてくるほど面白い。
まず山に着いて、登山開始。
前日までの台風の影響で、なんと道に木が倒れていたり、草木が散乱としており、どこが登山道か正直わかりづらい。
さらに人があまり入らない山だったため、蜘蛛の巣など除去しながら道なき道を進むしかない。
最初の方は意気揚々とガンガン進んでいくのだが、山の中腹に入るとさらに道がわかりづらく、道の選択肢が沢山増えてくるのだ。
山頂への看板もなく道の選択肢が増えると迷いが生じる。
迷いを感じながらも「最終的にゴールは同じ」と自分に言い聞かせながら、道の雰囲気と直感を信じてひたすら登っていく。
するとどこか道ではなさそうなところから、熊避けのベルの音が聞こえる。
その音がこちらに近づいてくる。
こんな人の気配が全くない山から熊避けのベルの音。
何か違う世界に迷い込んだのか。
それとも遂に人間界から卒業のタイミングが来たのか。
そんなことを想いながら、その音を待つと
右前方から人が来る。
道を彷徨う人だ。
その人から「GPSを頼りにこのあたりをうろうろしてるのですが、天狗見なかったですか?」と。
・・・天狗??
僕もすぐさま、何の事ですか?
ここの山には天狗がいるのですか?
と目を輝かせて質問した。
するとこの山には、元々天狗が棲んでおり、それを祀った石像が3体いるとのこと。
なんということでしょう。
完全に道に迷っていた僕を導いてくれた彷徨う人は「天狗探しミッション」を与えてくれたのだ。
そこから二人で天狗探しの旅が始まった。
その人のGPSと天狗の在りかを示す先駆者のブログを頼りに、僕らは動きだす。
道なき道の登山から一転、天狗探しだ。
これほど面白い展開が待っているとは、本当に人生はドラマのようだと深く実感する出来事だ。
たまたま僕が彷徨っていた地点が天狗の在りかの近くであったため、その人に遭遇できたのだ。
そして1体目の天狗を無事に見つけ、岩場の上にいたがせっかくの天狗なので、岩場まで登り、近くで拝ませていただいた。
GPS上、2体目がなかなかのシビアなところにある。
まず一応YAMAPには登山ルートがあり、そのルートから大きく外れる位置に2体目の天狗がいる。
さらにそこまでの道が台風や人の手つかずの場所のため、木の枝や木が倒れており、道自体も人が歩けるかギリギリの斜面で、まるで未開の地を開拓する冒険家になったような気分だ。
蜘蛛の巣もあちこちトラップのようにあるため、右手は常に剣なるぬ木の棒だ。
(冒険者になったので木の棒も結構強そうなやつをチョイス笑)
GPSだけを頼りに道を開拓していき、ようやく大きな岩場にたどり着く。
ちゃんと2体目の天狗も拝むことができた。
この2体目の天狗はなかなか行くまでに勇気と根気が必要だ。
その方が探しに行くとGPSを見せてくれなければ、到底たどり着くことができなかった場所だ。
とてもありがたい。
その方は僕と出会う前に1体目を拝んできたとのことで、最初のやつは比較的楽なところにあるので、帰りに寄ってけば良いとの助言をいただいたので、僕の3体目は帰りの楽しみに残しておくことにした。
天狗探しの旅を終えた二人は、当初の目的である折平山の登頂だ。
まずは大きく外れた登山道へ戻るため、登山道を目指して山を登る。
一緒に山登りをしているので、その方がなぜここに来たのかや登山をやり始める経緯など話が盛り上がりながら、あっという間に登頂した。
一人で登るときは瞑想状態で登るので、気付いたら山頂につくのだが、今回は二人だったので話ながら登ったので、これもこれで気付いたら山頂にたどり着く。
山頂からまた別のルートで下山をする彼と
今から3体目の天狗を探しに行く僕は山頂で解散した。
人とのご縁で人生や起きるパラレルが変わる。
今回の折平山はその事を深く実感することとなった。
朝の天気でたまたま選んだ山がまさかの天狗の棲む山で
それにたどり着くために、何かに導かれて道に迷い込んだのだ。
道に迷い込んでいなければ、きっとあの人にも会えていなかっただろう。
そして天狗探しのミッションにも遭遇していなかったかもしれない。
もしくは朝の時点で折平山をチョイスした瞬間から
このパラレルが始まっていたのかもしれない。
何か行動すれば何かが起きる。
人生はドラマよりドラマティックであることを
この日記から感じてもらえたらと思う。
そんなドラマティックな日に相応しい夕陽を見て、感慨深い出来事であったと思う1日でした。
To be continued