失敗談から学ぶマジシャンがレストランやバーへの出演を提案して新規開拓で売り込む方法(中編)
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前回 の記事
前回の『マジシャンがレストランやバーへの出演を提案して新規開拓で売り込む方法(前編)』では、
ぼく自身の恥ずかしい『売り込み失敗談』を通して、基本的にうまくいっているレストランやバーはそもそも『マジシャンの力で集客を強めよう』などとは1ミリも考えていないのだ、ということをお伝えしました。
マジックバー or 新規開拓
では、その後どんなアプローチをかけていったのかをお伝えしたいと思います。その当時考えられる選択肢は前回の記事でも書いたように二つありました。
一つ目は
二つ目は、
一つ目のアプローチはお互いにとても話が早いのです。
もともとマジックそのものをメインコンテンツとしているお店が多いからです。
少なくともマジシャンを使って集客をしようと思っているわけですし、お客様もマジックを見ることを期待していらっしゃるので、マジックを演じる環境がお膳立てされています。(その分、求められるマジックのレベルは他のマジシャンとの比較が発生するため相対的に高くなります)
マジックバーではなく新規開拓にこだわる理由
ただ、ぼくにはどうしてもマジックに接点の無い飲食店を新規開拓することに強いこだわりがありました。
理由は2つあります。
1つは
もう1つは前回の記事にも書きましたが、
複数いるマジシャンの中から
という選択をされる環境より、1人しかマジシャンがいない中で
という一択の環境をつくる方が近道だと考えたわけです。
ということで、どうしても新規開拓をする方向で考えて、以下のような結論に達しました。
いよいよ新規開拓の旅に
こう覚悟を決めて、まずはひたすら色々な街を歩いて色々なお店を眺めました。
街を歩いてはステキなレストランを眺め、
ガラスに映る自分の姿を眺め。。。
しばらくすると。。。気づいてしまいました。
とはいえ、高い衣装を買うお金は無いし。。。
お金を稼ぐためには、仕事が必要で、その仕事を得るためには
衣装が必要で。。。
ん?これじゃ堂々巡りで先に進めない。。。
いったいどうしたら。。。
頭をかかえる日々。
あ、ここしかない!
そんなある日、ふとした用事で高円寺の街を歩いていたら、、、タイ料理屋から美味しそうなタイカレーの匂いと、チキンを焼いた匂いが漂ってきました。
匂いに誘われるままに店内に入って大好きなグリーンカレーを注文し、ふと店員さんの服装を見ると履き古したジーパンにTシャツ姿。でもめっちゃ笑顔で、素晴らしい接客。お客さんもみんな楽しそう。活気のある店内。
・・・あ。
めっちゃカジュアルで安い服でも、自分のステータスを落とさずに、浮かずに存在できる空間を見つけてしまいました。むしろカジュアルじゃないと浮く空間。
ここならお店の雰囲気に合わせてカジュアルな服装で演じていると解釈されるので、何も問題ない!
なにより、活気があってここでマジックをやったら自分自身が楽しめそう。
と、心に決めた瞬間。
という衝動を抑えこみ、よーくお店を観察してその日は帰りました。
平日の夕方なのに、お店は賑わっていて、店員さんの接客も良い感じ。
集客には、、、それほど困っていなさそう。ていうか、絶対困ってない。
家に帰って色々考えました。
企画書をつくるも、、、説得力が無い
そこで、まずは慣れない企画書を書きました。
どう考えても説得力無いんですが、
的なことを書いた記憶があります。(少なっ!)
あまりにも説得力のない企画書に自分でも驚愕し、、、心に決めました。
一応これを見せてみて、反応が悪かったら正直に伝えよう。
と。
いよいよプレゼン、そして初のレギュラー店舗をGET
そしてさっそくお店に電話してなんとか店長さんとの面会アポを!
と思ったところで、考え直しました。前回の記事で書いた反省点が、少し生きてきました。
と思い直し、もう一度お客さんとしてご飯を食べに行くことにしました。
短期間に2回目の来店(しかも一人)ということもあり、店長さんは顔を覚えていてくれたようで、自然と会話が発生しました。
最後に、
と伝えました。
すると
と快諾いただきました!
と思いましたが、今考えると雑だけど正しい順番でアプローチできていたのかなと思います。
さて、いよいよ当日、お客さんが入る前の静かな店内で店長さんへのプレゼン。
厨房の中では、タイ人の男性が「若者、がんばれよ〜」的なやさしい笑みを浮かべながら手を振ってくる。
緊張した顔でタイ人の男性に会釈を返す自分。
薄っぺらい企画書を見せながら一通り喋り終えて、店長さんの顔色をうかがってみると、
覚悟を決めて全てをさらけ出すしかないか。。。
と思った瞬間、
の一言。
もう、「ありがとうございます!」しか言えません。
(15年前なので出しますが、これです。こいつですよ。この覚悟の「か」の字も無いようなホワーっとしたクソガキの話を聞いてくれたのです。本当に懐の深い方でした。)
そして、夕方になりポツポツと入ってきたお客様に精一杯のマジックを披露し、、、
くらいのノリで決まってしまいました。
なんて思っていた矢先
とのお声(>。<)時給にしたら3000円以上です。
こうして初めてのレギュラー出演のお店が決まったのでした。トップ画像もそのお店で披露している様子です。
↑ なぜか店員のタイ人男性も一緒に楽しむゆるいスタイルw
後になって涙が出たこと、そして学んだこと
だいぶ後でわかったことですが、この出演料はお店にとっては確実に負担になっていました。それを承知の上で、仕事のないぼくの生活を考えて設定してくださっていたのでした。涙
はい、一軒目獲得は、方法論もなければ、素晴らしい交渉によって獲得したわけでもありません。
この経験の中にヒントがあるとしたら
恩返しは別の形で
この方に恩返しをしたいと思っているのですが、お店を卒業して数年後、しばらく連絡をとらないうちに連絡先が変わってしまったようで未だに果たせていません。SNSでお名前を検索しているのですが、見つからず。いつかまた巡り合えるかな。
ということで、他の方々を経由していつかあの方に良いことが届いたらいいな、と思っております。僕にできることは、彼からいただいた恩のエネルギーを魔法という形で他の誰かにしっかりと伝えていくこと。
さて、
こういう出会いは稀で、普通はもう少しビジネスライクに提案・交渉して決まることが多いのかもしれません。
ただ、僕の場合はこの後もこういうケースが続きます。むしろほとんどの仕事の広がりはこんな具合です。
理詰めの企画書を提出して、納得してもらい、ビジネス上のメリットを理由に雇われる。
そんな方法もたくさんあります。でも、そういう方法論はいくらでも世に出回っていると思いますので、このnoteではぼくの個人的な体験と考え方をベースに書いていきたいと思います。
どちらかというとマジシャンの活動のメインストリームからは外れた領域で、「魔法つかい」として活動してきた自分の少しだけ偏ったアプローチをご紹介できたらと思っています。
マジシャン派遣サイトや芸人派遣サイトへの登録を断り、自分からの営業活動(使ってください!というお願い)は一切せず、途中からはレギュラー出演する店舗も無くして活動してきました。(これらについてもいつか個別に記事を書く予定です。)
異論・反論もたくさんあると思いますが、自分だから書けることでないと書く意味がないと思いますので、マイペースにゆるゆると書いていきたいと思います。
さて、次回「マジシャンがレストランやバーへの出演を提案して新規開拓で売り込む方法(後編)」では、最初のタイ料理屋さんでの経験を活かしてその後いくつかのレストランに出演を決めた時のアプローチの方法について書いてみようと思います。
いつか、どこかで皆様にも魔法を楽しんでいただける日を楽しみにしています✋✨
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
本日も素敵な1日をお過ごしください✋✨
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