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隔離で気付く距離感。

「神様にお願いしておいたから」

朝起きて急に高熱が出て体が痛み出した。

この時期にその感じはもう今世界中で問題になっているあれじゃないか。

むちゃくちゃ焦った。一家の大黒柱である僕が(柱になれてるかは別として)コロナにかかってしまったらこの家族はどうなってしまうのか。もうめちゃくちゃ焦った。

保健所に電話して、検査をやっている病院を紹介してもらう。

発症から24時間経たないと偽陽性になってしまったりすることがあるらしいので、翌日にインフルエンザ含めた検査をすることになった。

なので検査までは同じ家の中にいるが部屋で隔離となるのだが、子供と触れ合えないのは本当に辛かった。

帰ってきて遊んだり、僕の上に乗っかったり、一緒に寝たりができないんだよっていうのを娘に伝えた時にすごい娘が悲しんだ。

「なんで遊べないの?パパと遊びたいのに」

辛かった。「早く治すね」しか言ってあげられなかった。

泣きながらもようやく理解してくれ、妻とご飯を食べてお風呂に入っていった。

部屋で頭痛と倦怠感に襲われ苦しんでいると、部屋の扉の前で娘に呼ばれた。

「パパが早く治るように神様にお願いしておいたからね!置いとくね!」

と言われたので扉を開けてみると、扉の前にナイトケア手袋に大量のクリップといつも保育園にいくリュックに付けている交通安全のお守りが入っておいてあった。

なぜクリップが大量に入ってたか、なぜナイトケア手袋に入れたかは謎だが、物凄い嬉しかった。パパが元気になるようにと娘が考えてやってくれたのが本当に嬉しかったのだ。

お守りを抱きしめ体の痛みと闘いながら就寝。

いよいよ検査のため病院へ。発熱外来のため別館にて検査を受ける。

インフルエンザの検査も同時にやるので、鼻の中に長い棒を突っ込む。

目からその棒が出てきてるんじゃないかと思うくらいの激痛。

2.30分程で結果が出る。共に陰性。危なくその場でお医者さんのおじさん先生に抱きつきそうになった。そのくらい安心したのだ。

コロナかも?と思った瞬間に一瞬にして景色が変わる。

知人に感染してしまった人がいても「気をつけててもなってしまうから」というくらいの気持ちで接していたが、いざ自分がそうなると、未だよくわかっていないウイルスを保持してしまっているんだという恐怖とこれを大切な人にうつしてしまっているかもしれないという不安。これはほんとにメンタルがやられる。映画の世界だけだと思っていた。

こんな思いをしないためにもこれまで以上に感染には注意しようと心から思ったと同時に、約1日の隔離だったが娘と自分の距離を再確認することができた。

熱も下がり体調も良くなって娘を抱きしめた時のあの感覚はこれまで体験したことがない何ともいえない格別なものだった。

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