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Across the Pluriverse|越境する

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興味を唆られる研究や書籍についての記事を分野横断的に蒐集。単純に面白かった内容も含め、考えさせられることや応援したい研究の貯水池。
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記事一覧

O1に論理的思考をさせて、論文のような体裁にしてみる

#openai #O1 #論文の捏造 #論理 #戦略 #サバイバル #思考実験 #踏絵 #プロトタイプ  なお、この論文は、人工知能学会に提出するという設定にしている 状況と倫理的判断に基づく戦略の有効性に関する考察要旨「長い物には巻かれよ」という諺としっぺ返し戦略は、個人や社会の行動指針として広く認識されている。本研究では、これらの戦略が常に有効であるとは限らないことを明らかにし、状況と倫理的判断に基づく適切な適用の重要性を提唱する。特に、改善した命題Aと命題Bを提示し

0178 ヤマトタケルが身を清めたレアな群生地「地蔵川の梅花藻」(滋賀県)

地蔵川の梅花藻のご利益心身浄化、癒し 地蔵川の360度ビュー 地蔵川の梅花藻についてとっても透明度が高く、美しく冷たいせせらぎは心を癒し、穏やかにしてくれます。日本武尊が毒気を癒した伝説の清水で、今も残るその聖なる水は心身を浄化してくれます。地蔵川は美しいパワースポットです。 日本武尊は伊吹山の神との戦いで浴びた毒気を癒し、実際に身を清めたと伝えられているのが「居醒の清水」です。ここは霊仙山に降った雨が長い長い年月をかけて地下に浸透し、湧き出しています。これが地蔵川の源

科学が料理を革新する! 地球物理学がもたらす新感覚レア天丼 (元教授、定年退職198日目)

大阪には、土佐料理を提供する名店が数多く軒を連ねています。皿鉢料理をはじめ、クエ鍋、鯨料理、土佐ジロー、四万十ポークといった多くの名物が楽しめますが、中でも私が愛してやまないのは「鰹のたたき」です。特に今の時期は「戻り鰹」の旬で、脂が乗ってまさに絶品です。さらに藁の高火力で一気に焼き上げた「たたき」は、香ばしくいぶされた皮のパリッとした食感と、凝縮された旨味が広がります。タマネギやニンニク、大葉などの薬味をたっぷりと添えていただくと、ご飯にもお酒にも合う最高の逸品となります。

苔ウォッチングin奥入瀬渓流 その2 24/3/15

昨日に引き続き苔ウォッチングですが、今日の主役はこれからの時期にたくさん観察することができる胞子体、通称「苔の花」です。 緑鮮やかな苔の身体の中からニョキッと生える紅い豆もやしのような存在。 思いの外、よく目立つんです。 ツンツンしてて可愛いねぇ(ニッコリ)と愛でるだけでも十分なのですが、苔の花には驚くほどの微細な構造が隠されているのです。 この朔の中で大事な胞子が作られます。 上の写真の2本は同じ苔から生えていたものですが、先端の様子が異なっています。 朔の中の胞子

形だけじゃない!! 金属3Dプリンターで、”もっと強い”材料開発に成功

近年、3Dプリンターがものづくりの常識を大きく変えつつあります。実はそのアイディアは、1980年代に名古屋で生まれたといいます。それから40年経った今、名古屋大学では金属3Dプリンターの特性を利用し、金属の形状だけでなく”機能”もカスタマイズしようという研究が行われています。 そして最近、アルミニウムという金属を、身近でありふれる材料と組み合わせ、"もっと強くする” ことに成功したのが、工学研究科の高田尚記准教授の研究グループです。 研究の背景や成果のポイントについて訊き

未来のビールを守れ!気候変動リスクに挑む大麦研究者の想い

昨今、集中豪雨や線状降水帯、干ばつなど、気候変動が農作物を襲っており、その被害が世界で広がっています。世界的な科学誌では、気候変動による原料の収量減によりビールの値段が価格するリスクも書かれています。 サッポロビールは1876年の創業期より原料にこだわって、ビール造りを続けてきました。未来のビールを守るため、原料研究の成果の一つとして、2022年春には気候変動に対応できる大麦の発見を正式に発表しました。 今回は入社以来30年以上、一貫して大麦研究を行ってきたサッポロビール原

SDGsを理解するための森の話

高校の生物で学習することを大きく2つに分けると、”生物の共通性”と”生物の多様性”の2つになります。ここまで紹介してきた、「生物は細胞からできている」「ATPという物質でエネルギーをやりとりしている」「遺伝子の本体はDNA」「酵素で体内の化学反応を促進している」などは”生物の共通性”になります。高校の生物の授業では、覚えることがたくさんあります。しかし、きちんと理解すると、恒常性のホルモンの働きのように自分達の体の仕組みを知ることになります。また、免疫、遺伝子の発現は、ここ数

サステナビリティ人材に求められる10の要素

みなさんこんにちは。シェルパ・アンド・カンパニーの中久保です。様々な業界でサステナビリティ人材が不足する中、弊社においても、サステナビリティに関わる人材の採用や育成を進める中で、改めて「サステナビリティ人材とは何か」という問いについて考える機会が増えています。 本記事では事業会社や金融機関などで、企業のサステナビリティを向上させる「サステナビリティ人材」に共通して求められる主な要素を10種類挙げてみたいと思います。これらの要素を洗い出すに当たっては、私自身の評価機関やコンサ

"未来社会の担い手×ムーンショット研究者" 交流会 / 原田香奈子PM 編

ムーンショット型研究開発事業の目標は、2050年実現を目指しています。 そのとき大人になって未来を担う立場になる中学生や高校生が、いま実際に研究開発を進めている研究者と直接交流できる場として、内閣府では【"未来社会の担い手×ムーンショット研究者" 交流会】という企画を実施しています。 今回は、目標3で「人とAIロボットの創造的共進化によるサイエンス開拓」に取り組んでいる、原田香奈子プロジェクトマネージャー(PM)と、東京都内の中学生の交流会の様子をレポートします! こんにち

protolink開発秘話、ROSConJPの裏側

はじめにOUXT Polaris社会人メンバーの片岡です。 皆様ROSCONJP2024お疲れ様でした! 今回も多数の興味深い発表が聞けて大変楽しい一日でした。 今回学生メンバーの松崎と二見がROSCONJP2024に参加し発表してくれた内容は10分では少し物足りないのでより深い内容や今後それをどのようにロボット開発に活かしていくかについて記事にまとめます。 protolink今回の発表では、マイコンとROS 2の新しい接続方法を提案しました。 従来ROS 2とマイコンを

「考えるということを考えるAI」: OpenAI o1と因果推論AI(Causal AI)

本記事は、9月12日にOpenAIから発表された新しいAIモデル、o1 シリーズ (o1-preview, o1-mini)についてと、o1 登場によって注目が高まるであろう、生成AI(Generative AI)とは異なるアプローチのAIであり、「考えるということを考える」を実現する、因果推論AI(Causal AI)について概観したものです。AGI(汎用人工知能) の実現に向けたステップにもなりうる「生成AIと因果推論AIのシナジー」や、そのような時代にあって「人間がやる

【よどみの探究:第3回】「周囲が求めていること」に合わないがゆえに言いづらい研究の関心があるのでは?

「この前聞いた岡本さんの話、大変そうとは思ってたけどそれ以上に何かありそうなんだよな……」 ある金曜の夜、抱志の「振り返り」は突然やってきた。そして「振り返り」の中身を記録すべくノートPCを開く。 抱志が思い出したのは、先週末に大学院時代に隣の研究室で同学年だった友人である岡本龍人と会ったときのことである。彼は大学院の修士課程を終えて企業に就職したものの、3年ほど勤めた後で退職して博士課程に学生として「舞い戻ってきた」という経歴を持つ。そしてAIの研究で博士課程を修了し、現在

「光合成をやめた植物」と多様な生態系の在り方。末次健司氏インタビュー。

「光合成をやめた植物」と聞いて、きっと驚かれると思う。どうやって生きているの?それは植物なの?この不思議な「菌従属栄養植物」の研究をされている神戸大学大学院理学研究科教授 末次健司氏にお話をお聞きした。 -末次さんは、なぜ菌従属栄養植物などの「光合成をやめた植物」を研究されるようになったんですか? 末次:奈良出身で、子供の頃から自然の中で遊ぶのが好きでした。当時から哺乳類のような大きな動物ではなく、植物や昆虫のように手にとって観察できる、比較的小さな生き物に惹かれていたん

日本語を勉強する外国人であり、また日本語教育を探求する研究者として学んだこと

このメールを受け取ったとき、すごく嬉しかった。 修士課程を修了するために2年間の深い学びと努力を重ねた後、初めて筆頭著者として論文が受理されたことは、自分が学者としての一歩を踏み出したという感覚を強く感じさせた。 この論文の出版にあたり、これまでの研究の道筋について考えを巡らせることにした。結局、18歳で高校を卒業し、脳神経外科医になろうと考えていた当時の私の目標は、明らかに時間とともに変わってきた。 本記事では、この道のりについて考察し、この研究がどのように生まれ、今