忘年会『今年は久しぶりに大人数で』って聞くだけで、関係ないのにザワつくのは...
11月も中盤です。
一気に寒くなって来て、スーパーではすでにクリスマスソングが流れたりして年末商戦が展開されていて。
いつものカントリーマアムなんかも、ハロウィン様式からクリスマス様式へパッケージが変更されて並んでいるのを、買いもしないのに横目で見てザワつきながら通り過ぎています。
見るともなしに目に入るネットニュースでも
『外食に関する意識調査
「今年は忘年会を大人数でやりたい」回答増』
なんていう見出しがありました。
私は大人数での集まりが苦手だし、そのような場所に出向く機会がない今は「あらぁ大変」なんて気楽な他人事なのですが。
でもそんな記事にもザワついています。
ザワつくのには理由があるわけで。
それは炭火のようにくすぶり続ける感情が私の中にあるということなのでしょう。
クリスマスにザワつくのは自分がずっと小売業に身を置いていたため、自分の息子たちは放ったらかして、店のお客さんやその家族に向けて、やれツリーのディスプレイだの、プレゼント用ラッピングだのと、そちらに長い歳月を費やしてしまったという罪の意識を刺激されてなのだろうと思います。
忘年会の方はというと、大勢の集まりでは『最初のひと口目が損なわれがち』という既成概念が呼び起されるからです。
忘年会とか慰労会など、大人数での「最初の一杯目」案件。
そこに私の全神経は集中していたと言って過言ではありません。
苦手な大人数の場にいるのだから、それが叶わないと参加した意味がないとさえ思っておりました。
というのも私はビールが好きでして。
ミックスジュースの次にコーヒーと並んで、あの黄金に輝く液体が大好きです。
眺めているだけでもあんなに心躍る飲み物はありません。
ですが、残念なことにビールはすぐにお腹がいっぱいになってしまいます。
そしてそれに比例して美味しさも麻痺して行きます。
中サイズのジョッキでいうと、味覚がフルに稼働しているのはせいぜい2杯目まで。
3杯目は正直、惰性走行で流し込まれて行きます。
4杯目以降はこっそり発泡酒にすり替えられていても、もしかしたら気づけないんではないかという懸念があります。
だからこそ私はこの刹那的な「ひと口目」を心から乞うわけです。
私は黄金に輝くグラスを守るアベンジャーズ・ブラックたね
社内飲み会ならたいてい「無礼講」でお許し頂ける雰囲気はあるし、
座席の上座・下座なんてテーブルの配置もいろいろだからそんなこと気にしなくていいと思います。
酔っぱらった勢いで上司にうっかり「てめぇ」呼ばわりしちゃっても冗談っぽく言っちゃうことでそれも無礼講。
そう。そんなこたどうでもよろしいかと。
どうせトイレだ何だと席を立てば自分の席に戻らない輩も必ずいますし、「てめぇ」呼ばわりされた上司もゲラゲラ笑いながらアルコールの廻った頭で「距離感縮んだなあ」と、ポジティブ変換してくれます。
だがしかし。
これらの無礼講プレイはすべて
「位置について」→「よーい」→「どん」で始まりです。
このスタートがキレイに決まってこそなんじゃないかと思うのです。
キミも組織集団のはしくれなら『最初の一杯』という不文律を知り給え。
最初にみんなが頼むのはたいていビール、チューハイ、ハイボール辺りってことにお気づきですか?
気にしてませんでした?
まーまーそうでしょう。
でもそういう方はおそらく無意識レベルで調和のオーダーしていらっしゃると思います。
そうじゃなくて
「ふうん、皆さんそういうニガイのがお好きなんですね~」
なんて言ってのける輩によって生じる案件です。
5人以上なら足並み揃えんかい!
あっ… 心の声が勝手に結論を叫んでしまいました。
会社の恒例飲み会ですと、一次会は親睦会費とか福利厚生費で賄われることも多いんじゃないかと思います。
ならば「始めの一歩は足並み揃える」というのは義理というものじゃないかと私は考えるのですが、どうなんでしょう?
土の時代の窮屈な価値観でしょうか。
でもそういうあなたも歯医者など、玄関が段差のない入口だとしても、そこはスリッパに履き替えて脱いだ靴は揃えておきませんか?
「うち」と「外」をここで区分けてるんだなって察して下さってるんですよね?
そんなあなたが、大人数の宴スタートで自分だけドリンクメニュー開いて、あーでもないこーでもない……
それは何?
もう一度質問させて下さい。
あなた何?
ドリンクのことを聞いたんではないのに、嬉しそうに教えてくれてありがとう。
店側もオペレーションてものをちょっとは考えてくれよと思ってしまいますが、飲食店もたいていは人手不足。
やはり大人数をこなすってなると、出来たものからどんどん運んで行くのは致し方なしかと。
よって、みんなのビールが先に来ちゃって。
カシオレ?と、なんたらミルク待ちになっちゃって。
部長も支店長もみんながそのアイドルみたいな飲み物の出待ち。
さっくり先に運ばれてテーブルに並ぶ部長のビールはモブですか?
こうして、目の前で私たちの素晴らしいシルクの泡がはかなく萎む光景を幾度、眺めて来たことでしょう。
「でもぉあたしぃ、ビールとかニガいの苦手なんですぅ」
うんうん、そっかそっか。
みんな良い人だから、「何がカシオレだぁ?」なんて吠えない。
「足並み揃わないだろが!」なんてゴネない。
でもメニューをひたすら眺めてるあなたに「ひとまずウーロン茶でよくない?」って隣の人が小さな声で言ったの、スルーしたよね?ね?
「ウーロン茶の気分じゃないんでぇ」
ううん、違う違う、そうじゃないの。
わからないならググってみて?
それとも、どうしても一杯目で頼みたい理由とかこだわりとか、あるのかな?
「グレープフルーツが胃酸を刺激してお料理が美味しく頂けるんですぅ」
とか?
「リキュールの甘みと焼き鳥塩ダレのマリアージュが至高なんですぅ」
はたまた
「ウーロン茶とかで損したくないんでぇ」
みたいな目論見もおありですか?
だからってヒトの生きがいの泡 しぼませてんじゃねぇよ!
あっごめんなさい。
何でもないです。
カシスオレンジ!そうそう柑橘の香りですっごい美味しいのよねー
うんうん、カルーアミルクもね。
コーヒー牛乳みたいで出汁巻き玉子なんかでも意外にイケたり?
へぇそうなんですねぇ。
最高のひと口目、返せっ
すいません。
どうしても心の声が漏れてしまいます。
私のことはキライでもビールの泡は気にして下さいっ!
皆さん、シルクの泡でどうぞ楽しい飲みの宴を~
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