コンピュータに対しての質問は誰にするのが正しいのか?

おはようございます。またはこんにちは。もしくはこんばんわ。マゲっちSCと申します。12月も半ばとなり本日19日は今年最後の満月であるコールドムーンとなります。今月の満月は1年のうちで一番小さく見える、いわゆる「ミニマムーン」となるそうで、明るいけれども月は結構小さく見えるそんな日になるそうです。日本海側の地域では雨や雪が降るため見えづらいかも知れませんが、太平洋側ではバッチリ見られるようです。私の住んでいる四国の愛媛松山でも今夜はよっぽどのことがない限りは満月を拝めそうです。

さて、前回のブログではPCの冷却に関してのお話をさせていただきました。コンピュータの内部で発熱しやすい部品であるCPUとGPUについてお話させていただいたあと、それぞれの冷却についてお話させていただきました。GPUに関しては元々グラフィックボードについているヒートシンクと空冷ファンで冷却し、CPUに関してはリテールクーラーや他社製の空冷クーラーまたは簡易水冷クーラーで熱を取り去り、筐体内へ放出します。放出された熱気はPC内の排熱用ケースファンで外に逃がし、吸気用のファンは外から冷えた空気を取り入れることによって、PCケース内に空気の流れ(エアフロー)が生まれ、効率よくPC内部全体を冷却することができるというわけです。無論マザーボードやSSD、HDD、メインメモリなど電気が流れるものはすべて発熱します。SATAケーブルでつなぐSSDやマザーボードはあまり発熱しません。メインメモリに関してはゲーム用途のメモリは発熱するものもあるため、そういう製品に関してはヒートシンクが最初から取り付けられています。ビジネス用途などのあまり負荷がかからないものに関してはヒートシンクはつけられていません。しかし、SSDでもNVMeのようなM.2タイプのSSDに関してはものすごく発熱するため、M.2SSDかマザーボードにヒートシンクが付いているものが増えてきました。購入する際はSSDまたはマザーボードのどちらかにヒートシンクが付いてくるかどうか確認を取るといいでしょう。

コンピュータでわからなくなったときの対処法とは?

では今回のお話ですが、前回のブログの最後をお読みいただいたときに、どういう意味だろう?と思った方もいらっしゃるかも知れません。コンピュータを操作していてわからなくなった場合に誰に聞けばその問題は解決するのか?ということです。とはいっても、かなりざっくりとした書き方になっていましたよね。それはこれから順を追って紹介していきます。あなたの投げかけたその質問、本当にその方に聞いて解決する内容ですか?聞く前に一度確かめてみてください。場合によってはあなたとその方の関係が破綻するかも知れません・・・。

コンピュータが動かない!その原因は・・・?

例えばあなたが何らかの作業をコンピュータで行っていたとします。文書作成でも動画鑑賞でもウェブ閲覧でも動画編集でもゲームでも何でも構いません。そこで何らかのトラブルがあって突然画面がフリーズしてしました。
という前提でお話を進めていきます。さて、この場合あなたはどう対処するべきでしょうか?そもそも問題定義事態がざっくりしているためわからないという方がほとんどだと思います。そして各々のPCスキルによって対処方法もそれぞれ違ってくるでしょう。

PC初心者の方の場合

PC初心者の場合は、よく知っている人に連絡をとって状況を伝えるのではないかと思います。その解決方法は半分正解です。いわゆる知識人や自分より扱いがたけた人に相談することはとてもいい解決方法です。ところがPCスキルのない方がよくやってしまうことがあります。それは「結果だけを伝えてしまう」ということです。確かに結果を伝えてそこから誰かしらに聞いて回答を導き出す・・・というのは一見すると有効なように見えますが、あなたがもし質問される側に立った場合、結果だけを見聞きして原因を突き止めることができるでしょうか?これはコンピュータだけのことではなく、喧嘩の仲裁などでも言えることですね。例えば喧嘩の仲裁であれば止めに入ったあとでお互いの言い分を聞き、検証して第3者からの目線として意見を述べるかと思います。

PCトラブルの場合もそれに近いものがあります。いわゆるPCとユーザの仲裁をするようなものです。PCを見ると画面がフリーズしています。が、ユーザの言い分を聞くと「使ってたらフリーズした」が第一声であることが多いはずです。この時点であなたは解決できるでしょうか?ほとんどの方が「情報不足」と判断して、ユーザ側にさらなる情報提供を求めるはずです。例えば「どんな操作をしていたら止まったのか?」とか「画面が動かなくなったときにエラーメッセージが出ていなかったか?」とかそういう情報を聞き出すことによって原因を突き止められるからです。しかし残念ながら私の経験上、PC初心者は「何をどう操作した結果画面がフリーズしてしまった」と説明できない方が多くいらっしゃいます。なぜならPCスキルが低いことと、自分がPCに対してどういう操作や命令を出したのかを意識して覚えていないからです。

結果として「何をどうしたから」という原因が不明になってしまうためPCスキルや知識がある人でもどうにもできないという事態に陥ります。最近のPCは部品からあまり音が出ません。昔のPCはSSDではなくHDDをストレージにしていました。HDDはその構造上物理的に壊れそうな場合には「カッコン、カッコン」という音がします。また、通常の動作中でもアームがディスクにアクセスする際に音が出ます。その音が正常な音か異常な音かを聞くことでハードウェアが正常か異常かを判断することができました。CPUやメモリやGPUなどの半導体製品は初期不良でもない限りはそう簡単に壊れるものでもないため、ハードウェアの故障が疑われる場合はまっさきにHDDが原因として挙げられていました。しかし現在はビジネス用途向けでもSSD搭載のものが結構出回っています。SSDは半導体なので音は出ません。つまり故障するかどうかの前兆現象がありません。そしてSSDの場合は記憶素子というものを使ってデータを半導体に書き込んで記録することができますが、その記録回数はHDDと違い回数に制限があります。HDDは壊れない限りはほぼ無限の記録回数ですがSSDは記憶素子の劣化があるために書き込める回数が決まっているのです。

そのためSSD搭載のPCでは記録先をHDDやUSBメモリなどに変更して作業を行うのが常識なのですが、PC初心者の方はそれを知りません。結果として記憶素子が完全に劣化してしまったため、データの読み込みも書き込みもできなくなって止まった。という可能性も考えられるわけですね。

PC再起動は解決策となりうるのか?

よく言われることが「トラブったらPC再起動すれば解決するじゃん」という言葉です。これは世間では半分正解とされていますが、私個人の意見としては間違いです。ハードウェアに何もトラブルがなかった場合に関しては半分正解です。ストレージそのものが壊れていた場合は再起動すると、ストレージからOSのデータが読み取れなくなり、OSを起動できなくなります。では何が間違いなのかと言うと、その場しのぎにしかならないという点です。再起動してその場はなんとか持ち直したものの、フリーズする条件が揃った場合はまたフリーズしかねません。PC再起動に関してはあくまでその揃ってしまった条件をリセットするだけです。OSまたはソフトウェアの設定の見直しをしなければまた再発する可能性が非常に高いわけです。それでも収まらない場合はソフトウェアのメーカーに連絡して、不具合と認定された場合は、メーカー側の用意した回避策を実行するか、不具合が修正されるまで待たなければなりません。偶然フリーズした場合は再起動で解決することもありますが、最悪の場合は条件が揃うたび毎回フリーズするため、時間がかかっても根本的な解決をするほうが将来的にも精神衛生的にもいいでしょう。

その他様々なトラブルがPCでは起こりうる

他にもソフトがフリーズしたり再起動する原因として電源の供給が足りていない場合があります。例えばPCに対する負荷が大きくなった場合、PCは処理能力をあげるために電源装置からより多く電気を取得しようとします。通常の家電でも負荷が大きくなった場合は電源装置からより多くの電力を取ろうとします。その場合PCは負荷を下げようとしますが、OSを止めてしまうとOSそのもののデータが破損したり、PCを構成する各ハードウェア(部品)を守ろうとします。その結果応用ソフトがフリーズしたり再起動したりするわけです。Windows10ではその堅牢な作りによってOSそのものがフリーズすることはほぼありませんOSがフリーズする場合はだいたいブルースクリーンという特殊な画面になり、画面にエラーコードがいくつか表示されます。ブルースクリーンになる場合はPCに対して異常な負荷がかかった場合想定より多くハードウェアが接続されていて、OSが不安定になっていることが多いですね。またQRコードも表示されるのでスマホなどでQRコードを読み取って、サイトに接続したあとでエラーコードを検索して原因を探ることができます。またPCは自動的に再起動する形になります。しかしPC初心者の方はそのエラーコードやエラーメッセージが出ていた場合もOKボタンをクリックするなどして消してしまうということをやってしまいます。もしエラーコードやエラーメッセージが出たら必ずその内容をメモとして記述し、コンピュータの管理者などに相談するようにするように心がけるようお願いします。

メーカー製PCのLEDランプについて

よくある相談ですが、メーカー製PCのLEDについて質問をされることがあります。デスクトップ型の中でもオールインワンモデルのものやノートPCでよく聞かれることがありますね。メーカー製PCのLEDの場合、PCスキルのある方でわかるのは電源LEDとストレージへアクセスしている場合のLEDです。電源LEDはこれが点灯していないとそもそも通電していないですし、これはPC初心者の方でも普段ついているLEDが消えているので何かしらの異常が発生していることが判断つくと思います。また、ストレージへのアクセスランプが点滅していない場合はストレージにアクセスしていない(アクセスする必要がない場合含む)か、もしくはできない状況にあるのですが、これに関しては初心者の方が判断するのは難しいと思います。普段となにか違うと思われたら相談してみるのがいいでしょう。

さて、ここからお話するのはそれ以外のLEDについてです。メーカー独自のルールでつけられているものが多く、メーカーAのPCの場合は左から1番目のLEDが点灯したら故障という意味でも、メーカーBの場合は同じ場所のLEDが点灯しても全く別の意味になることがあります。このメーカー製PCのLEDに関しては正直なところルールがないため、メーカー独自になるわけです。実は先ほどお話した電源LEDやストレージへのアクセスLEDもメーカー独自の並び順で並んでいるため、PCのメーカーを変更すると最初は非常に戸惑いますね。その中でも1つのLEDであればまだ判別がつくかも知れませんが、中にはLED1とLED3が点灯した場合・・・という合わせ技で異常を表現するメーカーのPCもあります。その場合はどこに聞けばいいのか?というとメーカーのサポートか取説ということになります。LED点灯系の説明は取説の最後の方にだいたいまとめられていることが多いので、普段点灯していないLEDが点灯した場合はもちろん、普段点灯しているLEDが消えている場合も取説を参照することをオススメします。参照した上でどうしてもわからなかった場合は、PCスキルのある人に聞くのではなくメーカーサポートに電話やメールで相談するようにしてください。いくらPCスキルのある方でも、メーカー独自で設計されたものに関しては聞かれても聞かれた側は一切判断できません

PCスキルのある人に質問する場合に必要な情報とは?

PCスキルのある人に質問をして、明確な答えが返ってくる場合は明確な結果とそれが起きた場合の手順がわかっている場合のみです。PC初心者の方は結果や起きた場合の手順のどちらかをないがしろにしがちですが、私の経験上は発生した場合の手順を非常にないがしろにされている場合が多かったです。結果がわかっていれば手順がわからなくてもなんとかなるんじゃないか?と思われがちですがそうではありません。例えば数学の数式で
・10=◯▲◯ ◯は数字、三角は計算用の記号を入れる。
という問題があるとします。計算用の記号とは「+-×÷」のことです。10という結果を求めるために必要な数字と計算記号の組み合わせを使ってくださいということです。さて、皆さんは何通りの数式の組み合わせを思い浮かべることができたでしょうか?簡単なところから行くと1+9や2×5。30-20や20÷2ももちろんOKです。整数以外でも2.5+7.5でも10になります。どうでしょうか?10を求めるだけでも数式の組み合わせが結構なパターン数になることがご理解いただけるかと思います。PCトラブルを原因のみで探る場合もこれと同じことが起こっています。本来であれば10になるように計算手順を組んだにもかかわらず10にならなかった。そのときにこういう計算手順にしたら10にならなかったんだと言って10=2+9という状況を示してもらえたら、あぁ、1が入る場所に2が入ってるよ。という助言ができます。ところが計算結果が10にならなかった。とだけ言われても原因がいくつもも考えられるため、適切な助言ができないというわけです。

人に聞けない場合はどうするべきか?

今までのパターンではPCスキルのある人に質問するということでお話を進めてきましたが、PCスキルのある人がいなかった場合ははどうすべきでしょうか?その場合はネットで検索してみましょう。Windowsの歴史は長く、Windows10自体も発売されてからすでに6年ほど経っており、トラブルやその解決方法はだいたいインターネット上に例があります。逆に言えば自分でトラブルの原因を検索できることがPC初心者からの脱却になります。トラブル検索として主に使用していいものはポータルサイト(YahooやGoogleなど)になります。最近はSNSで検索するということも考えられますが、SNSはあくまでも個人の見解や感想を発表する場であるため、検索したけれども解決方法が見つからなかったということも意外と多いものです。一通り検索して解決方法が見つからなかったり、解決しなかった場合は先人の教えを請うサイトもありますので、そちらを利用してもいいと思います。メーカーのサポートに投げた場合ですが、メーカーが答えてくれるかどうかはそのトラブルの状態によります

明らかにハードウェアが原因の場合はもちろんサポートしてくれますが、OSや応用ソフトに関しては対象外になる場合があります。また、ネット検索で原因を探る場合は結果を引き起こした手順も同時に検索することになるため、何が原因でどういう手順を行った場合にこういう問題が起こる。ということがわかりやすくなります原因から手順、結果を頭の中でじっくりと把握できるため、PCスキルや知識のある方やユーザサポートに投げる場合に相手方に非常にわかりやすくなり、原因究明と解決策を得やすくなります。最初は難しいですし時間もかかります。相談した場合に情報が足りないと言われて頭にくることもあるかも知れません。ですが相談を持ちかけている方が当然敬意を払うべきです。パソコン教室の影響もあってかPC知識がない方がPC知識のある方よりも上に立つことが私個人の経験などでよく見受けられますが、PCスキルや知識のある方も当然ながら初心者で、周りの人に敬意を払いながらスキルや知識を身につけてきたのです。お願いするからにはそれなりの態度と場合によっては報酬も用意すべきでしょう。

少し話がそれましたが、PCスキルや知識を持っている方が近くにいない。そしてネットで検索しても解決しなかった場合はメーカー製PCやBTOパソコンの場合であれば速やかにユーザサポートを頼りましょう。自作PCの場合はユーザサポートはありません。もし自作PCを組みたい場合は問題が起きても自力で試行錯誤する、またはネットで調べた上で解決することが求められます。仮にハードウェアの故障であった場合でも自力で突き止めて各部品のメーカーへ連絡を取り、部品メーカー側のサポートがもし受けられるなら受けるという形になります。自作PCはすべて自己責任になりますのでご注意ください。

まとめ

結局のところ、人に聞く場合は皆さんがよく使っているソフトに関することメーカー独自のものに関しては取説を読むかユーザサポートに連絡するということになりますが、同じような症状が起きても原因は全く違うということも結構あります。10という結果を求めるための数式が数十パターンあるのと同じですね。結果とその結果を引き起こしてしまった手順などをキチンと把握して、エラーコードやエラーメッセージが出たらそれもメモを取り、ネットで検索したりユーザサポートに連絡することでより円滑に、そして素早く事態を収集させることができるようになります。また、それらを頭の中で精査したり把握し直すことでPC初心者から脱却することもできます。みなさんの周りにいるPCスキルを持っている人や知識がある人はそうして自分で解決したり、誰かにできる限り詳しい状況を説明して相談に乗ってもらった結果を覚えておき、自分のスキルや知識に昇華した人たちです。彼らに相談を持ちかける際は失礼に当たらない態度や言葉遣いで接するようにしてください。

また、相手は決して教えることに特化した人ではないということも同時に頭の片隅に置いておいてください。中にはぶっきらぼうな対応を取る人もいると思います。そのときに対立してしまってはその後の人間関係にも影響を与える場合があります。あくまで相談を持ちかけたのは自分自身であるということをお忘れなきようにお願いします。また、相談された側の方も、できる限り丁寧に教えてあげるようお願いします。さて、次回のブログネタですが、今回少しお話に出した電源装置についてお話させていただきます。PCは情報家電ですが家電とつくからには電気で動いています。また、コンピュータが扱える電気の種類は交流電流ではなく直流電流です。ご興味がありましたらまたお立ち寄りください。それでは失礼いたします。

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