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"本屋"の差異化を考える

今回は前回の記事に関連して、少し本屋の差異化、今後の本屋はどう生き残っていけば良いのかを考えていきたいと思います。

※一応前回の記事の続きではありますが、話題は違うため読まなくても全然大丈夫です

なお、こちらも愛知県岡崎市で地域の中小企業専門のコンサルをされている超売れっ子コンサルタントの秋元祥治さんが開催されているゼミでの学習の一環になります。秋元さんの講義は内容もさることながら秋元さん自身の鍛え抜かれた話術も相まってめちゃくちゃおもしろいので情報キャッチして機会あれば絶対参加してみてください。

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さて。Amazonを始めとしたネットショッピングの浸透や電子書籍の普及で本屋という存在が世の中からじわじわ消えていっています。

しかし前回の記事でも書いたとおりですが、本屋は非常にエキサイティングで唯一無二の体験を提供してくれる場所です。

ネットショップなどオンラインを介してしまうとどうしても自分の志向の偏りが反映された「おすすめ」が前面に出てきてしまい、自分が思いがけなかったような偶然の出会いがなくなってきてしまっています。

このことは本にかぎらず言えることですが、私たちはネットで無限に情報を集められるようになった一方で、いつのまにか自分の傾向を認識したAIによる「おすすめ」の領域の中を行ったり来たりして、実はかえって限られた情報しか収集できなくなっているという事実がしばしば指摘がされています。

自分自身Amazonでおすすめとして表示された本で面白そうなものが目に入ったら購入してみたり、自分が好きなインフルエンサーが推している本を買うことが多いです。

しかし本屋はそのような「おすすめ」というフィルターを通さない情報のジャングルでありカオスな無法地帯です。そこを歩いているだけで思わぬ出会いや発見があります。30代のおっさんが一度も読んだことなかった女性誌に夢中になることだってあります。これはネット上での購買体験では得られない価値です。

このような場所が世の中から消えていってしまうのは非常にもったいない。

そんな本屋の生き残り方について考えていきたいと思います。自分なりのアイディア発想のプロセスを追うようにnoteを書いてみる試みをやってみます。

本屋での差異化の難しさ

ビジネスにおける差異化を考える際に、まず思い浮かぶのは「価格を下げる(上げる)」か「商品を特徴的なものにする」と言った打ちてです。

しかし、本屋で売られる商品は出版社が制作し価格も決まったものであるため、本屋が独自で商品を作ったり価格を決めたりすることはできません。

モノでもコストでも差異化が難しい本屋で、どのような打ち手が考えられるでしょうか。


本屋と本の良さ探し

簡単には差異化が難しい、という部分を前提に、次は本屋が持つ良さを考えてみてそこから差異化のアイディアの種を探してみます。

まず前述の通り、「全く予期できなかった偶然の出会い」というものが本屋にはあるでしょう。歩いているだけで様々な情報が目に入るため、本屋という空間はまさに情報のジャングル。

そしてもう一つ考えたのが「本」にある物質的な良さです。

本は電子書籍と違い、人同士の貸し借りや売買が容易にできます。さらに、電子書籍とは違い物質的な劣化があることもある種の魅力かもしれません。

本についた小さな折れや汚れ、メモなどは普通はモノとしての価値を下げる要因でしかありませんが、もしこれが自分が好きな人のものや、世界的な著名人のものであったらその意味が変わってくるかもしれません。

本が持つ「劣化」は「誰かが使っていた証跡」としての役割を果たし、本を世界に唯一の価値あるものへ昇華させることが可能かもしれません。


1.売ることを前提に買う本屋

前段の話をまとめると以下になります。

本屋の良さ:思わぬ出会いの場
本の良さ:劣化による唯一無二の価値の付加

これらをもとに自分が考えたのがタイトルにもある「売ることを前提に買う本屋」です。タイトルが下手くそ過ぎて「ただの中古本屋じゃん」って思われるかもしれませんが、少し説明させてください。

まず、本屋で本を購入する人はID登録を必須とします。さらに任意で自分のTwitterやYouTube、Instagramなどのアカウントを登録することで、その人がどれほどネット上での影響力を有しているのかをスコア化することもできます。※なぜこれが必要なのかは後で話します

そしてその本屋で新品で買った本はレシートと一緒に専用のボックスに入れることで中古本の売却ができます。※BOXのイメージはコンビニとかにあるメルカリの発送をする感じのやつです
お金は現金ではなくて、その何かしらの電子マネーが良いと思います。本屋独自の電子マネーを作ってそれでの還元だと何割増しでバック、とかでも面白いかもしれません

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その際に「この本は誰が売ったのか」という情報も一緒に公開されて販売されます。

もちろん自分のようなその辺の一般人が売った本に何の価値もないため普通はただBOOKOFFに売られる程度の値段で売却することになりますが、例えば売る人がInstagram界隈での超インフルエンサーだったり、有名TikTokerだったらどうでしょうか。
むしろ「その人が読んだ本なら読んでみたい!」「その人が触っていた本なら家に保管しておきたい!」という需要が生まれてむしろ新品より高く売ることができるかもしれません。さらに、その人が本の感想などを書いた直筆メッセージカード等があればファンにとっては鼻血ものでしょう。

また、別にネット界隈で有名人でなくても、その本屋に通って何度も売買をしている読書家で目が肥えている人、売った本に関してレビューを投稿して本の価値を広めようとしている人、売却した本が中古本として売れた量などで独自の信用スコアのような指標を与えることで、その価値を売却金額に加算して試算できるようなシステムがあると面白そうと考えました。

そういう信用スコアのようなものがあれば、ユーザー自ら自分が売った本を宣伝するようになりひいてはお店のプロモーションにもつながるのでは、と考えました。


2.本屋を演出して本をお土産化する

別のアイディアとして、お土産として本を買ってもらう方法もあるかと思いました。このへんはまんまキンコンの西野さんがプペル絵本でやっていたもののパクリになるので、興味ある方はググってみてください。

例えば美術館の展覧会などでは必ず最後にミュージアムショップにたどり着くような導線になっていたりします。

そこで「展覧会限定グッズ」などと銘打った商品が並んでいると、その直前まで見ていた展覧会の感動をかたちとして残しておきたいという思いとともについ普段なら買わないようなものを買ってしまったりします。実際アーティストの個展の最後には本人の著作の直売会なども行われていたりします。

この「お土産」の購買行動の心理を分解すると「展覧会での感動」と「ここで得た感動をものとして残しておきたい願望」に分割することができ、それを本屋というフォーマットに落とし込むことができないかというものです。

直球勝負でいくなら、例えば本屋全体を「ホリエモンの人生展」みたいな感じにして本人の波乱万丈な人生を追体験できるようなエンタメを提供し、ホリエモンにより愛着と興味を持ってもらったところで出口でホリエモン著の「我が闘争」を売る、というような。

前述のものはかなりベタなアイディアですがこの「感動(興味)」→「お土産」という流れを上手にデザインすることができたら本屋にも面白いことができるかなぁと考えました。


3.人との出逢いの場にする

あとはこれも旧来からある手法ですが、入場券などのチケットを本に同封する方法も良いかと思いました。

例えば本屋でFACTFULNESSを購入した人に「浜辺美波とFACTFULNESSについて本屋で語り合う会」への入場券が同封されていたら定価の何倍もで取引されることでしょう。

これは極端な例ではありますが、「その本屋で本を買うことで得られる特別な付加価値」を提供できればそれを目当てに本を買う人が出てくると思います。

しかしここでよくある「限定オリジナルしおり」などのグッズを提供するのはよくないと考えます。なるべくなら、モノではなく体験、例えば本屋で開催される読書会のような、その本屋へ足を運ぶきっかけを生み出すようなものであるほうが足を運ぶ口実をつくることができるので良いでしょう。

そして本屋側も「足を運ぶ価値づくり」をしなければならないと考えます。

先程の浜辺美波は冗談でも、例えば本屋の内装の世界観を作り込んでそこにいるだけで楽しいような演出を作ったり、何度も通うことで本屋をより好きになっていくような仕掛けをつくると良いと考えます。

そのためには何かしら人とのつながりや癒着を生み出すことが必要かなぁと思います。例えばバーに通う人ってお酒が目当てというより、そこで馴染みの店主との会話を楽しみにそこを訪れているような人が多いでしょう。

内装などのハードウェアへの関心は回数を追うごとに新鮮味がなくなり目減りしてしまいますが、人との付き合いは異なる性質を持っているように感じます。

具体的なアイディアがなくちょっとお茶を濁したような内容になってしまっていますが、、このような「本屋で出会った人同士の待ち合わせ場所にする」というウマい施策ができれば、地方で賑わっている小さな居酒屋のように、常連客で賑わう人の絶えない本屋ができそうな気がします。


すみません、ちょっと後半尻すぼみになってしまいましたが、、本屋について考えたことをまとめてみました。

このへんのアイディアの種を頭の片隅で転がしつつ、何かイケてるアイディアが生まれたらまたnoteでシェアしてみようと思います。

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@やました
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