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社内で孤独なデザイナーの生き方【海外記事メモ】

今日はこの記事を取り上げたいと思います。

実は以前も似たテーマの記事を取り上げていたのですが、何となく自分の中でずっとひっかかりがあるテーマでも合ったのでまたこのテーマの記事を読んでみようと思いました。

今回は14年のデザイナー経験のある筆者の経験や考え方について触れる記事です。本日もよろしくお願いいたします。

会社はデザインプロセスを受け入れない

この記事は私の経験をもとにしています。

私は今まで14年間デザイナーとしてキャリアを歩んできましたが、そのほとんどの時間でデザインプロセスを仕事の中で実行することが認められませんでした。

UX UIのワークショップや大学では、どのようにデザインプロセスを達成するかと、その重要性を学びます。しかし、多くの企業ではそれは単にお金と時間の無駄と考えられてしまっています。

私はデザイナーとしての長いキャリアの中で、スタートアップで働いていた1度だけデザインプロセスを認められました。もちろん私はそれを達成するために戦いましたが、自分の上司がWEB商取引のUXリーダーであったことも起因しています。

彼はデザインプロセスの価値を私と同じように信じていました。そして彼よりさらに上級の管理職は14年の経験があるシニアデザイナーである私よりも彼のことを信じていたからです。

つまり、もしあなたの上司がデザイナーでなかったりデザインプロセスの力を信じていない人であったなら、デザインプロセスの実行は困難なものになるでしょう。

企業の関心事は最終的な成果物です。もしあなたが企業内で唯一のデザイナーであるならきっと私と同じ境遇でしょう。サイトマップを作ることも、カードソーティングやユーザーの深掘りをする時間なんて認められません。
課題発見に用いられるのは競合調査やインターフェイスデザイン、プロトタイプです。
量的質的な調査など気にしないでください。ただあなたのデザインが製品の収益を伸ばすということだけを信じてください。


私が関わった大きなプロジェクトの話

2012年、私はキャリアの中で最も大きなプロジェクトを任されることになりました。私は広告代理店で働いており、クライアントは自動車業界の会社で、ウェブサイトをモバイルでも見やすいようにリデザインしたいというものでした。

私は当時数少ないモバイル向けのデザイン経験者の一人だったため、プロジェクトにアサインされました。

クライアントは業界内では高級路線の一画で、私も好きな企業でした。私はプロジェクトに関われることを光栄に思いました。それは夜も眠れないほどに。
そして私はこのプロジェクトに完全なデザインプロセスを実行させようと思いました。
仮説・課題発見のフェイズでは、ユーザーの深掘り、サイトマップ、カードソーティング、競合調査、インターフェイスデザインや動作するプロトタイプも作りました。


現実に失望した・・・

私はそのプロジェクトを顧客の要件定義から競合調査、インターフェイスデザインやプロトタイプから始めなければなりませんでした。

当時、私はそれが単にエージェント契約であったからだったと思いました。1年後、私がカナダで最大手の旅行会社に採用されました。端的に言えば、私はそこでも似た経験をしました。短縮されたデザインプロセスを要求されました。
何度上司へ向けてかけあったとしても、私が求めるデザインプロセスを実行することは叶いませんでした。


その後

それからもうすぐ2年経ちますが、私は今では理想とするデザインプロセスを私が関わるすべての仕事の中で実現できています。私は信頼を獲得し、最近リードプロダクトデザイナーとなりました。


重要なポイント🔑

1.あきらめない

2.企業の面接の際は、マネージャーがデザイン経験あるかどうかを判断する

3.すべてのプロジェクトで完璧なデザインプロセスが必要とされるわけではない

4.実際の仕事で行わなかったとしても、ポートフォリオではデザインプロセスを追加しても構いません

5.面接では企業がデザインプロセスの重要性をどう捉えているかとどんな種類のプロセスを彼らが扱っているのかを訪ねてください


感想:少数派は声をあげる前に信頼を獲得しろ

筆者の境遇や抱えるフラストレーションが自分に非常に近しくとてもシンパシーを感じながら読んでしまいました。

筆者自身、社内で上司も同僚もデザイナーではなく孤独なキャリアを歩む中で、何とかデザイナーとしての知見を発揮し、プロジェクトをデザインの力でよくしようと奮闘しました。

しかし組織の壁は厚く、思うような立ち回り方ができないことに苛立ちがあったものの、周囲の信頼を獲得してデザイナーとしてのポジションを確立し、自分の思い描くデザインを推し進めることができました。

この筆者の姿には非常に心打たれるものがある一方で、自分はどちらかというと周囲に迎合しながら環境に合わせて最適なレベル感でデザインをアウトプットしていくことを最近志向しだしたりしました。

「それって自分の意見を殺して相手に従う弱いデザイナー像じゃん」という批判もあるかと思いつつですが、こういう孤独なデザイナー生活を続けていく中で自分のキャリアを振り返った時にわりと独特な個性を獲得しているのでは?と最近思うことがあってそのへんはまた別途noteにまとめてみたいなぁと考えたりしています。

いやー、でもなんか背中を押してくれるような記事でした。海外だろうが日本だろうが、似た問題をみんな抱えているのだなぁと励みになりました。

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@やました
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