ムサビ通信を卒業するハードルが高い話

こんにちは。前川結佳です。
現在『武蔵野美術大学通信教育課程』に在籍しています。

さて今回は前回の記事の続きに当たります。
入学するのがめちゃくちゃ簡単なムサビ通信。けれど卒業するまでがめちゃくちゃ大変なムサビ通信。それはどうして?ということをまとめていきます。

前回の記事↓


自己紹介で書いていますが、私は2016年度にムサビ通信に入学して23年度現在も在籍中で、7年生目に突入しています。

もちろん4年間で卒業する方もいらっしゃいますが、大抵の場合、1年生で入学した後4年以上在籍しているようです。
それはなぜか。『徹底的な時間管理/自己管理がものを言うから』です。

まず、そもそも、ムサビ通信はサボれません。
通学制の大学に通っていた友人から、「講義の出席を友達に頼んでサボってるよ」と聞いた時すごくビックリしました笑
え??そんなことできんの?!って笑
いや、サボってもいいんですけどその遅れを取り戻すまでが厄介すぎるので全くおすすめしません。


ムサビ通信は基本的に自宅でレポートを書いたり作品を制作して郵送/WEBで提出します。その後筆記試験を受けて合格すれば単位を取れるというパターンと、対面授業を受けて単位を取るパターンがあります。
この対面授業を丸一日休むと単位は取れません。私はムサビ通信のやり方しか知らないので、正確なことはわかりませんが、教授陣によると、「丸一日休んだら単位を落とすのは一般的より厳しい」んだそうです。

ムサビ通信の学生の多くは社会人か退職した年配者です。なので、自分の仕事の都合や家族の都合、自分の身体的な都合で対面授業を休まざるを得ずそれが「丸一日分」になってしまい単位を落として留年してしまう…。というパターンを何度も聞いてきました。
これが、『ムサビ通信はサボれない』ということです。


次に、はじめに言っていた『徹底的な時間管理/自己管理』についてですが、これはもうそのまんまですね。
ムサビ通信は学校に通うことは基本的に無いので、独学をやっているようなものです。
講義の時間が決められているわけでもなく、アトリエの解放時間が決められているわけでもないんです。座学系も実技系も教科書と指示書を読んでレポートや作品を仕上げて提出していくんですが、いつどこで教科書を読もうが自由です。制作時間の設け方も自由。

なので、「仕事が終わってから3時間は大学の勉強に充てるぞ」とかを決めて実行しないとスムーズに課題を処理していけません。
課題を処理できないとどうなるか?答えは簡単です。単位を落とします。そして単位を落としまくると留年です。


このパターンでも「単位を落としてしまった」と何度も聞いてきました。思っていた以上に課題内容が難しくて時間がかかったとか、家事をしていたり残業があると予定より勉強に時間を割けなかったとか、人それぞれ理由がありますが、大抵の場合留年することを前提にして学生をしている方が多い印象です。
1年生で入学してから10年間在籍可能ですが、10年在籍しても卒業できず、一旦自主退学をして再入学する方もいらっしゃいます。
もちろんその分ずっと学費が必要です。


私が7年在籍している理由はこの時間と自己管理がド下手くそだからです。
私は学費や制作費を稼ぐためにアルバイトをフルタイムで入れて、帰宅後と休日に課題をするという生活を送っています。けれど、通学生のように生活の基盤が勉学というよりは仕事に偏ってしまい、両方を効率よく確実に処理できる能力が本人の予想以上に無くて、結果こうなってしまっています。
(1年生の頃からこの自己管理の下手さに向き合っていればよかったと後悔する毎日です。自分はバイトを頑張っているんだから!と言い訳をして自分を正当化して、何が本当にやるべきことなのか見失っていました。そしてその期間が長すぎる...。)


話を戻します!
学ぶことに貪欲な人が多いなと、対面授業や試験会場で会う同じムサビ通信生を見ていていつも感じます。けれど、さっきも書いたように独学な部分が多いのでスムーズな課題の提出ができるかどうかは、ほぼすべて自己管理が出来るか出来ないかで左右されます。ちなみに対面授業は出席して課題に沿った作品をつくれば、単位を落とす心配はほぼありません。


『自分で計画と実行を行う』ことを徹底的に出来る人ではない限り、トントン拍子で卒業することは難しいと思います…。これが、私が経験して語る、『ムサビ通信は卒業するハードルが高い』というお話でした。

では、次からは実際ムサビ通信ではどんなことを学べるの?とか学校の環境などまとめていきます!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?