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[ビジネス小説]未来へのプレゼン(最終話) 第43話 第10回 未来プレゼン
前回のお話
新規事業の立ち上げから3年が過ぎた。
ビズルート社の売上構成比の30%が、この新規事業へと成長した。
当初の予定であった1年での黒字転換は2年かかったが誤差の範囲でそれ以上の成果が構築できた。
事業を牽引していたのは内藤だった。
そこに吉田の姿はない。
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「今頃元気でやってますかね?吉田は。」
内藤は銀座のBARで丸山と並んでボソリとつぶやいた。
「
[ビジネス小説]未来へのプレゼン 第42話 時間を買え
前回のお話
慎吾は一睡もせずにブラッシュアップを重ねた。
ネットでの検索を行いながら関連する教育の周辺事業の洗い出し。
これまで目を通してきた本を引っ張り出す。
書籍が部屋を埋め尽くしていく。
ふと出てくるアイデアを
積み上げては壊し
積み上げては壊し
崩れるばかりの作業を何度も繰り返す。
(時間がない・・・。)
何かを決める時に、どこまでこだわるか。
そのリミットはいつも時
[ビジネス小説]未来へのプレゼン 第41話 新規事業提案
前回のお話
教育といってもその幅は広い。
幼児から大人まで様々なターゲットがある。
一気に全てを網羅的にできるわけでもない。
すでに先行している教育事業の会社は多数ある。
その中でどのセグメントにどんな切り口でどう攻めるかが重点ポイントになる。
慎吾が目をつけたのが
「動画」
だった。
Youtubeの日常化によって個人が動画に触れる時間は過去よりも大きく増加している。
端末は
[ビジネス小説]未来へのプレゼン 第40話 未来のつくりかた
前回のお話
MIYABE.COの経営破綻で今回の大阪万博に向けてパビリオンは頓挫。
途中仕掛かりで組んでいた案件も全てなきものとなってしまった。
これまでにかけた予算などもビズルートの持ち出しとなってしまう。
誰にも予測できなかったこの破綻についてビズルート側では責任追求よりも他の案件でのリカバリーをどうすべきかの議論が中心となった。
既存事業の積み上げ。すぐにでも利益貢献できる事業にリ
[ビジネス小説]未来へのプレゼン 第39話 瓦解
前回のお話
経営会議室の扉を開けて入ってきた遠藤に驚いたのは吉田だけではなかった。
神宮寺まどかもその一人だ。
遠藤は、神宮寺と吉田に軽く会釈すると持参した資料を事務局に渡した。
事務局員は受け取るとすぐさま各役員に資料を配布していく。
「遠藤と申します。
現在、財務部に所属しており、今回MIYABE.COのプロジェクトに参画しております。
また、当方のミッションとして、財務・プロジ
[ビジネス小説]未来へのプレゼン 第38話 クロスロード
前回のお話し
「で、私にどうしろと?」
神宮寺まどかは吉田と会議室で向き合った。
「神宮寺さん、あなたは石渡専務の指示で丸山役員をはじめ、このプロジェクトに手を出されていますね。」
「・・・・。」
「私には神宮寺さんが好きでこのようなことをやっているようには思えないんです。
あなたは、その先に何を見ているんですか?
この会社での出世ですか?
お金ですか?」
「・・・。わかったようなこと
[ビジネス小説]未来へのプレゼン 第37話 紫煙
前回のお話し
慎吾は長野駅に降り立った。
長野駅のシンボリックな観光地と言えば善光寺。
その善光寺に負けず劣らずの存在感を示しているのが、荘厳な大樹に抱かれたような長野駅の善光寺口。
まだ肌寒い街に慎吾は身体を馴染ませるかのように歩いた。
巨大な駅は慎吾がしばらく歩いても後ろから覆い被さるように見守っている。
ぐるりと左から回り込むように大通りを歩んでいくと大きな道に出る。
しばらく
[ビジネス小説]未来へのプレゼン 第36話 スイッチ
前回のお話
火曜日の10:00をむかえた。
いつも通り、神宮寺に慎吾はMIYABE.COのプロジェクト進捗を行う。
会議室はメンバーたちも入り神宮寺への報告に同席した。
冒頭に神宮寺から今回の件について話が切り出された。
「皆さんもご存知の通り、丸山執行役員は自宅待機。
藤井は謹慎となっております。
このプロジェクトは大半が旧フロンティア陣営です。
私はこのプロジェクトメンバーによ
[ビジネス小説]未来へのプレゼン 第35話 策略
前回のお話
何もかもが順調に思えた。
丸山は内藤、吉田をはじめとするメンバーの尽力で大きくプロジェクトが前に進み出したことに手応えを感じていた。
MIYABE.COには月に1回の報告会を設定して進捗を説明する。
多少の修正はあるにせよ、基本的には丸山に一任してくれていた。
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プロジェクトが進み出して丸山は安堵していた。
吉田をはじめ、内藤、佐々木など旧フロンティアメ
[ビジネス小説]未来へのプレゼン 第34話 狼煙
前回のお話
MIYABEプロジェクトの狼煙を慎吾はあげた。
・企画部:吉田慎吾
・マーケティング部:内藤翔太
・営業推進部:佐々木優子
・データ分析部:土屋薫子
・総務人事部:藤井剛
旧フロンティアのメンバーへのアサイン。
それは、フロンティアが丸山の肝煎りのMIYABE.COの企画を実現させるためにM&Aされたかのような見方すらできるものであった。
さらに、マーケティング部で至
[ビジネス小説]未来へのプレゼン 第33話 敵と味方と
前回のお話
M&Aのハレーションは至る所に歪みを生んでいた。
顕在化するものもあれば、
いまだに潜伏していていつ出てくるのかわからない過去の案件など様々だが、一つ言えることは、フロンティアワールドにいた頃には自分たちに見えていない会社の実情がビズルートと一緒になることで浮き彫りになっていったこと。
業界5位と業界1位の実力の差
仕事の進め方
スピード感
根本的なクライアントとの接し方
[ビジネス小説]未来へのプレゼン 第32話 自分づくり
前回のお話
慎吾のヘッドハント騒動から3ヶ月が経とうとしていた。
慎吾が転職するとかしないとかなど
当の本人ですら遠い過去のことだったように思える。
日常の業務にそのことを持ち込むこともなく
周囲の皆は暖かく慎吾と接してくれている。
新しい企画や新しいプロジェクトも走り出した。
日々の忙しさがむしろ心地よく感じた。
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3月1日。
その日は、朝から冷たい雨がし
[ビジネス小説]未来へのプレゼン 第31話 2つの扉
前回のお話
1週間がもう少しで経とうとしている日曜の午後。
あっという間だった。
明日。
明日が丸山へ回答する期日だ。
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『やめとけ。』
開口一番、内藤は慎吾の転職を打ち消した。
これからの会社のこと、
一緒に大きくしていく原動力になりたいとの言葉には
心が震えた。
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『ま、あんたの人生だから。私はとやかく言わないわよ。』
佐々木は一見
[ビジネス小説]未来へのプレゼン 第30話 覚悟
前回のお話
慎吾は丸山の笑顔から感じ取った雰囲気が今まで見た事がないものだったことに驚きを隠せなかった。
全く優しさを感じない。
異質な感覚。
別人のように感じた。
『何か嫌な予感がする・・・。』
結果は追ってMIYABE.COより連絡が入る。
一旦、慎吾たちは会社へ向かった。
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「え〜!!丸山さんが〜〜〜!?」
当然のように、丸山の話でもちきりとなっ