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「ゴティックメード」を観ました!


昨朝、「花の詩女 ゴティックメード」を観てきました。

永野護の自己満足とそれを受け入れられるファンのためのアニメーションです。彼の作品には興味が無い私には魅力を感じない作品で、ハッキリ言って1.900円の料金は高く感じました。数百円なら妥当でしょう。

とにかく、ビジュアルが稚拙でお粗末です。
カメラを引いたロングショットを多用するのは構いませんが、カメラワークが非常に下手で、ワンカットが長いなどで間延びしてしまっています。
その結果、作画の“粗”が目立ってしまって見苦しく、劇場の大画面(に限らず家庭の大画面TVにも)に堪えられない画質になっています。

独特なデザインのメカニックも絵コンテが悪いためか、重厚感が無いなど全く魅力的に見えません。
ロングショット多用と構図の悪さのためにチマチマしたキャラ描写が多く、そのためキャラ作画に難儀したようで、劇場用作品としての緻密さや美しさがありません。
10年前の作品であることを差し引いても、昨今のTV作品でさえ、このような作画の悪さは稀でしょう。

上映中から薄々気づいていましたが、EDのテロップを観て案の定、監督のみならず脚本・絵コンテ・レイアウト・原画までもが永野護によるものと知り、本作の出来の悪さに得心しました。

作画監督が名倉靖博というのには驚きました。この人はアニメーターとして実力がある人です。それなのに何故、あの様な酷い作画に…… それだけ永野護のセンスの無さが足を引っ張ったということでしょうか。

ストーリーもロードムービーという点は面白味がありますが、その割には地域色が出ておらず皆同じ光景で退屈です。また単調な展開は、結局、何を語らんとしているのか不明瞭で、シナリオの悪さが分かります。

デザイナーとしては知りませんが、少なくとも映像作家としては、永野護はお金を取って作品を見せる(魅せる)技量が悲しい程無いですね。

壮大な同人映像という感じで自分には合わず、早くエンディングが来ないかと思うこと頻りで、途中で退席することも幾度か考えました。長年、アニメファンをやっていますが、アニメ映画を観ていてこのようなことを思ったのは初めてでした。

キャスティングは良かっただけに残念です。

※文中敬称略

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