北海道の回転寿司は魚がうまいのでなく、〇〇がうまいところにスゴさがある
前回に引き続き、北海道の寿司がいかに身近で手軽で感動的か。
それを今回も書いていきたい。
https://note.com/maechan0304/n/n764d6e8b7780
第2回は回転寿司である。
北海道は回転寿司もレベルが高い。トリトン、根室はなまるなど、有名回転寿司店がしのぎを削っている。
甘い貝に、とろけるようなサーモン、たっぷり乗ったイクラなど、どれもこの値段でいいの?と思える品質(クォリティー)だ。
一人で食べると3,000〜4,000円してしまうが、100円回転寿司では味わえない感動がそこにある。
しかし、本音を言おう。「日本の回転寿司の中で、一番すごかったのはどこ?」という質問をされたら、ぼくは北海道の回転寿司より日本のとある県を先に思い出してしまう。
ぼくは自営業(という名のプータロー)なので、他の人より時間があり、日本全国をまわった経験がある。
お寿司も好きなので、旅行先のご当地回転寿司も食べるが、回転寿司で一番感動したのは北陸三県をまわった時だった。
【福井のくるくる寿司ほがらか亭】
福井県福井市のくるくる寿司ほがらか亭でサンマを食べ、口の中に5秒間の春の嵐が吹き荒れた時……。
石川県金沢市の金沢まいもん寿司で大トロを食べ、ビーチのさざなみが聞こえるほど意識が飛んだ時……。
富山県富山市の廻る富山湾すし玉が美味いと地元出身者から激推しされ、喜び勇んで向かったのに臨時休業だった時……。
おっと、最後は行けてない店の思い出まで出してしまったが、北陸三県の回転寿司は本当にすごい。
自分の家族と行った時もみんな感動していた。
白身の王様と呼ばれるのどぐろをうちの母親が食べ、5秒くらいキョロキョロと目を泳がせていたのは面白かった。
そう。本当に美味しいものを食べると、人はグルメ漫画のような反応をするのである。
美味しんぼの世界は実在していて、あなたが実写ドラマの主演を張ることも可能だ。
ロケーションを北陸三県の回転寿司に設定してもらうだけでいい。
ひるがえって北海道の回転寿司である。
昨日ぼくは北海道を代表する回転寿しトリトンに行ってきた。
何回か足を運んでるが、ここもレベルが高い。
みんなが、「北海道の回転寿司は本当に美味しい!」というのも頷ける。
「このサンマやイカ、甘味があって美味しいな。本来のネタはこんな味なのか」とじんわりと喜びに震える寿司が食べられる。相当ハイクォリティーだ。
しかし、日本の北陸三県の回転寿司をまわったぼくは、北海道で衝撃の一皿にまだ出会えてない。
何回か通えば、北海道のトリトンや根室はなまるでも、「なんじゃこりゃ!?」と思える衝撃の口福を感じられるのかもしれない。
だが、現時点ではその体験がないので、北海道の回転寿司をどうオススメしようか迷っていた。
全体的に「うお!」という感想が出るほど美味しいけど、「ごめん、今話しかけないで!」と思えるほど意識が持っていかれる美味しさではないのである。
だが、破るヒントは、北海道の回転寿司のサイドメニューにあった。
やたらとレベルが高いのである。
地物やりいかゲソの唐揚げを食べた時の衝撃。
いももちというデザートのような揚げ物を食べた時の感動。
デザートのイチゴフロマージュを頼んだ時は、「ここは小樽のルタオか!?」とあまりの美味しさにあたりを見回してしまったほどである。
根室はなまるでも、クリームブリュレを頼んだ時は、意識が飛ばされるほど感動した。
大袈裟かもしれないが、「東京オリンピックの開会式で熱唱する実力あるMISIAを、札幌のカラオケ館で発見してしまった」くらいの場違い感があったのだ。
「キミはもっと上を目指せる!東京に行こう!帝国ホテルのディナーのデザートに出せる実力があるから!」
思わずぼくがスカウトマンだったら、回転寿司根室はなまるのクリームブリュレに、そう話しかけていただろう。
そこでようやく思い至ったのだ。
北海道の回転寿司は、回転寿司界の総合格闘技王(チャンプ)なのだと。
寿司がうまい。揚げ物もうまい。デザートまでうまい!
寿司に邪道と言われたサイドメニューを、究極のうまさに高めてしまった回転寿司の完成形。
それが北海道の回転寿司ではないだろうか。
だから北海道に来たら、ぜひ回転寿司も食べてほしい。
揚げ物やデザートを頼むのも忘れずに。
何を食べてもうまい!は、北海道の回転寿司にこそ当てはまる言葉だと思う。
ハンバーグ寿司というダークサイドに落ちた寿司まで、「あれ?もしかしたらトリトンで食べたら美味しいんじゃないか?」と期待させてくれるポテンシャルが、ここにはある。