「私の命」という誤認
「私の命」「あなたの命」と言う。よくよく考えると、とてもおかしい。
この言い方では、先に「私」や「あなた」が存在していて、それが「命」を所有しているかのようだ。じゃあ、「私」や「あなた」はどこから来たの?
そんな違和感を軽々と超えてみせる慧眼に出逢った。
公衆衛生学者で痴呆老人の研究者でもある大井玄さんは、「命が『私』している」と言う。
そうだ、ほんとうは、これなのだ! 命が生まれ、それが初めて自転車に乗れた小学一年生の「私」だったり、食事ものどを通らないほど落ち込んでいた昨