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浅見風
2020年1月27日 22:33
谷川俊太郎が、今のぼくと同じくらいの時に書いた「二十億光年の孤独」という本とともにニュージーランドを旅した。 長旅の中で本当に孤独になったら、この本を開き星でも眺めようと思って持って行った。それには英訳も付いていて、コミュニケーションツールにもなるかも、という些細な下心と一緒に。日本を発った飛行機は、夜の太平洋を渡り、星々の輝きは、これから未知の島へと向かうぼくをより一層孤りにさ
2020年3月13日 23:08
ロトルアという街で、少しまちの外れにあるfunky backpackerというゲストハウスに入った。名前に反して暖炉があったり、壁画があって孤独さを紛らわしてくれる暖かい宿だった。夜も更けもう寝ようかと思っていると、隣のベットのアジア人と目があった。彼は周りのもう寝ている人に気を使い、アイコンタクトで電気を消してくれないか?とメッセージを送ってきた。まだ言葉も交わしていない者同士、言葉を用い
2020年6月5日 15:02
海沿いに面した小さな街。1日取り立ててやることなし。曇り空の中重いバックパックを背負って北へと続く道を歩く。気がつくと広い芝生の広場のようなところに出た。荷物を置いて一休みする。その奥には白い壁と赤茶色の屋根をした三角屋根の建物が見えた。ニュージーランドの先住民マオリの集会所「マラエ」だ。中には十数人、雰囲気のある老人が車座になって座っている。うち数人は伝統である入れ墨のある顔だった。