コロナで劇場は何が変わったか

2020年、新型コロナウイルスの影響により多くの舞台が中止になりました。舞台に携わるすべての人々にとって苦しい状況が続きました。

その後、公演が再開されてからは劇場でクラスターを発生させないように、各劇場で感染症対策を工夫しながら公演を行っています。

そこで、コロナの前と後で劇場はどのように変わったのか、私がコロナ後に行った劇場(主に東京宝塚劇場)や自分で調べたり、人から聞いたりした情報をもとにを中心に私なりの視点で書いてみます。

1 検温・マスク・消毒

最近はどこに行くにもこれらが当たり前になっているので、言うまでもないかもしれません。劇場も入る前に検温と消毒があります。

コロナが流行し始めたばかりの頃は、レセプショニストが体温計ではかっていることが多かったですが、最近は自動の体温計が設置されているところが多くなったようです。

レセプショニストのみなさんはマスクのほかにフェイスシールドや手袋をしていらっしゃる方もいました。お客様ももちろんマスク着用です。

2 チケットもぎり

東京宝塚劇場に行った時、チケットはもぎる必要のない非接触型になっていました。チケットにQRコードが印刷されていて、機械にかざして入場ができるようになりました。他の劇場でも同じような方法で入場しているところが多いようです。

レセプショニストを経験している私からすると、チケットもぎりがないのかと思うと淋しい気もしますが、接触機会を減らして感染症予防という観点ではいいのだと思います。

また、チケットをもぎらずに機械にかざすだけなので、入場前の混雑緩和にもつながっているのかなと思います。

劇場によってはお客様自身でチケットをもぎったりもしているようです。

3 ホワイエ、客席の様子

コロナがはやり始めた頃は座席が1席おきの販売で、半分の客席数で公演が行われていました。

現在は、ほとんどの劇場では以前と同じように座席数が戻りましたが、一部の劇場やホールでは、座席数を減らして公演が行われているようです。

ホワイエや座席内では会話は控えめにというアナウンスがありました。飲食は最低限の水分補給のみだったり、ビュッフェも営業を縮小または休業していたりというように気軽に飲食ができなくなっています。

オペラグラスや毛布の貸し出しも中止になっています。

レセプショニストが開演前にお客様に向けて、録音録画の禁止などの注意事項をアナウンスするのですが、それも最低限呼びかけになっていて、そのかわりに注意事項が書かれた案内のフリップボードを持っていました。

また、コロナ前は公演が終わったらお客さんはそのまま一気に退場していましたが、規制退場が行われるようになりました。

終演後に混雑緩和のため規制退場のアナウンスがあり、客席ごとに退場の時間をずらしています。2階席、1階席と分けたり、A席、B席と座席で分けている場合もあり、劇場によって違うようです。

4 公演の様子

公演自体はいつもと変りなく…と言いたいところですが、宝塚の公演は出演人数が少ないなぁとショーのラインダンスを見て改めて思いました。

宝塚の公演は出演人数を少なくするため、A組、B組と2つのグループに分かれて公演が行われていたり、新人公演(入団7年目までの生徒で行われる公演)を中止したりしていました。現在はコロナ前と同じ状態に戻っています。

また、オーケストラの生演奏もミュージカルの楽しみの一つでしたが、人数が多く密になるということで、事前に録音した音源を使っていたり、オーケストラピットではなく、別室で演奏したりしているようです。

公演を見に行って、オーケストラピットがガランとしているところを見ると何とも言えない淋しさがこみ上げてきます。

現在はだいぶ生演奏も復活してきたようですが、コロナ以前のようにとはなかなかいかないようです。

私の知り合いのヴァイオリニストの方がミュージカルのオーケストラの仕事に関わっていて、別室で演奏しているとオーケストラピットで演奏するのと違ってどうしても音がずれてしまうと言っていました。


いかがでしたか?

私自身がコロナ前と比べて観劇を控えているので(半年ぶりに宝塚を観劇したときは泣きそうになりました)不確定な情報が多くなってしまいましたが、お役に立てたでしょうか?

観劇の際は、感染症対策をしっかりして楽しんでくださいね。

ミュージカルだけではなく、舞台に携わるすべての人にはまだ苦しい状況が続くと思いますが、各劇場のスタッフの方々が日々感染症対策のために工夫をしている姿には本当に頭の下がる思いです。

早く安心安全に楽しめる日が来ることを祈っています。

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