見出し画像

エジプト記  印象を記す

カイロの出張した時の印象を書き記しておきます。

カイロにはカタールのドーハから空路で入りました。上空から見るカイロは砂色の都市、もやがかかったような感じです。
カイロでは、空港や橋、鉄道は軍事上の要請から写真撮影は禁止されています。空港では25エジプトポンドで短期滞在用のビザを購入します。
入国手続きは比較的簡単で、税関もすんなり通過しました。
空港内にはチケットを持った人しか入ることが出来ないので、出迎えの現地の人は空港外で待ち合わせしました。

カイロ上空
ドーハからカイロへの機内から

空港近くの米系ホテルにチェックインし、ショッピングモールに行きました。日本と同じぐらい綺麗なモールでショップも充実しています。イスラム国ですが女性のドレスも売っています。どこの国に行ってもスターバックスの値段を調べますが、日本とほぼ同じです。物価が高いのか日本の物価が安いのか、他の国に行っても「安い」と思ったことはありません。

屋内で喫煙してもいいため、たばこの匂いがすること以外は日本や欧米のモールと変わりません。
こうしたモールがカイロ市内に数カ所あると聞き、更に最上階には人工スキー場があると聞き驚きました。
中は冷房が効いており、昼間は暑いので夕方から賑わうとのこと。店も遅くまで開いています。
エジプトは人口が1億人以上、平均年齢が24歳、日本の平均年齢が48歳(2020年 国連)ですから、どこに行っても若い人が多いです。

モールにはスーパーもあります。フランス系のカルフールが進出していることもあるせいか、商品の並べ方はヨーロッパのスーパーのようです。肉屋には豚肉は売っていません。品揃えは十分です。
あの砂漠の中で野菜はどこで収穫するのだろうかと思います。

モール内部
賑わっています

ホテルの外観はディズニーランドの舞浜にあるホテルのようです。入口から入る時に手荷物検査の装置に荷物を通す必要があります。
朝食は日本・欧米と同じスタイルで安心しました。安心して食べることができました。
朝食後ホテルの庭を散歩していると鳥がいます。キジでしょうか。飼われているのか分かりませんが、周囲を歩いています。

安心して食べることが出来ました
鳥が!
キジ?

ホテルから市内には車で行きました。道路を人がどんどん横切るので後部座席に座っていても怖いです。車にはナビがありませんでしたが、ナビを見ていると事故を起こしてしまうでしょう。
自動車事故がカバーする保険は1人100万円。インドは16万円ですから、インドよりは高いですが、人の命の値段は欧米・日本に比べると低いことが分かります。どの国行っても聞くようにしていますが、人命の扱いの目安になります。
市内の建物はどこに行っても砂色。観光用に色を規制していると聞きましたが、本当かどうかは分かりません。ただ、青、赤、のような建物はありませんでした。

市内に車を停めて現地駐在員の自宅に行きました。このエリアは外交官などが住む高級住宅街です。建物は古くエレベーターも内部のドアがないタイプでたまに止まるようです。カイロの周辺は砂漠なので砂ほこりでベランダには砂がたまるようですし、PCなどの機器類も細かい砂が機器の中に入って故障することも珍しくないようです。
町全体が砂、砂、砂、です。

高級住宅街

ピラミッドは市内から車で30分ぐらいです。近くまで市街地が迫っています。ピラミッドのエリアに入るためのチケットとピラミッドの内部に入るためのチケットがあり、2種類購入しました。
腸が緩かったため、トイレでマーキングしましたが、事前に調べていたとおり紙がなく、持参しておいて助かりました。トイレはチップ制でした。とても綺麗とは言えませんでしたが。
ピラミッド周辺にはIDカードらしきものを首からかけた人が多くいます。警備なのか客引きなのか判別できませんが、久しぶりに客引きとの駆け引きを楽しみました。あまり期待させると何をされるか分からないので、そこそこにしておきましたが。
「ジャパニーズ?」「ノー」。
「ここが写真撮影にいいぞ」「・・・(無視)」
絶好の写真撮影の場所を教えたからカネくれ、とか、ラクダや馬車に乗る場所に連れて行かされるようです。
客引きは鬱陶しいですが、どこか懐かしさもありました。学生時代の卒業旅行ではぼったくりにあったことを思い出しました(苦笑)。

太陽の光が砂漠に照り返して眩しいのでサングラスは必須です。スキー場の照り返しのようです。建物も砂色ですので市内でも眩しいです。
サングラスをしていたため、客引きからは表情が読めないようで、サングラスはあしらうにも便利です。
湿度が低いので日影は過ごしやすいですが、日向は暑くて暑くて、水が欠かせません。

巨大

ピラミッド内部は狭く、登る人と下る人が同じ通路を使いますので、普段は入場は時間制になっているようです。まだ海外からの観光客が戻っていないので、幸い人が少なく、すれ違いで苦労することはありませんでした。
通路の天井が低い箇所があり、そこを体をかがめてよちよち歩きのような格好で登っていきます。太股が痛くなってきます。この後、4日間は筋肉痛がとれませんでしたし、階段を降りるときに太股に力が入らず、転ばないように気をつけました。
内部は暑く、汗が噴き出ます。
体力がないと内部に入るのは危険だと思いました。普段からスクワット、登山などして足腰が強くないと、外に出てから脚に力が入らず転落してしまう危険があります。出来ればリタイア後ではなく、若い頃に行った方がいいですね。
ピラミッドについては雑誌、メディア、などで情報が溢れているせいか、期待外れ、と思う人もいるようですが、「どうだった?」とエジプト人に聞かれ、「Beyond expectation」と答えました。社交辞令ではなく、実物の巨大さ、点在している位置、石の大きさ、などなど実物に勝るものはないと思いました。

狭い通路を上りと下ります
よちよち歩きをして登ります。太股が悲鳴を上げます。筋肉痛が4日間とれませんでした

ピラミッドの近くに(といっても、数キロあります)、日本の援助で大博物館が建設中でした、奥行きは1キロぐらいあるような巨大な博物館です。市内にある博物館から展示物を移設している最中だそうです。

工事中の博物館が遠くに見えます

カイロには以前からオペラハウスがありましたが、火災で焼け、新しいオペラハウスが日本の資金援助で建設されました。それが現在のオペラハウスです。
国鉄の中央駅の2Fで軽く食べてから地下鉄でオペラハウスの駅に向かいました。どうも腹が緩く、中央駅でもマーキングをしましたが、こんな時は日本の清潔さがありがたく思います。
鉄道関係は写真撮影禁止なので、写真はありませんが、地下鉄にはそこそこ人が乗車していました。
オペラハウスの中には入ることができませんでしたが、オペラだけでなく演奏会も行われているようです。

今シーズンのオープニングはエジプトを舞台にしたベルディのアイーダ。アイーダは、ミラノスカラ座、ドイツのエッセン、イタリアのベローナ、東京の新国立、で観ましたが、カイロでも観てみたいものです。一番いい席でも1000円と格安です。

オペラハウスの入口
外観
オペラ アイーダのセットが外に置いてあります
今シーズンの初演はアイーダ

オペラハウスから中心部に戻り、アルコールが飲めるレストランに行って、エジプト料理とエジプトの2種類のビールとエジプトの赤ワインを食しました。
前日は白ワインを飲みましたが、予想以上に美味しく、どこで製造しているのか不思議でしたが、今日は赤にしました。
食事の後に近くのナイル川に行きました。レストランはナイル川の中州にあるので、写真はナイル川の全容ではないのですが、それにしても想像していたほど川幅が広くはありません。流れはそこそこありますが、ハドソン、ドナウ、ライン、などと同じような川を想像していましたから意外でした。運搬船は見かけませんでしたが、物流では利用されていないのかもしれません。
両岸にはレストランがあり、夜は賑わうそうです。ベリーダンスも観ることができるようです。

ナイル川

次の日の夜は別のモールのレストランで食事をしました。雨が降らないので外でも天気を気にする必要がありません。アルコールはないので、ジュースです。
時差ぼけもありあまり食が進みませんでしたが、量がとても多く、食べきれません。夜型のためレストランは深夜まで営業しているそうですが、日本との時差7時間はきつく、20時頃には眠くて寝落ちしてしまいそうです。
イスラムの国ですが、レストランに来ている女性の服装は欧米のようですし、ネオンも綺麗で夜祭りのような賑やかさです。

レストラン
レストランの横の噴水
サラダのようなもの
鳥料理
揚げ物

最終日、カイロからエジプト航空とルフトハンザの共同便でドイツのミュンヘンに向かいました。空港の警備は厳しくなく、手荷物検査は日本並みでした。
航路はナイル川の河口のアレキサンドリアを経由して、エーゲ海を経て、欧州大陸に入ります。
カイロから飛び立った直後は、砂、砂、砂、の風景です。
しばらく飛行して、地中海に近づくと緑色の風景が見えてきます。畑のようです。スーパーで売られている野菜などはナイル川の河口で栽培されているのかもしれません。「ナイルの恵み」、とはこれなんだ、と思いました。
かつてのエジプトは、緑豊かな肥沃な土地だったことでしょう。

カイロ上空
ナイル川の河口付近

最後にエジプト人について。
ビジネス上の接点があった人達は、アラビア語に加えてとても流暢な英語を使います。英語に加えてフランス語も。
歴史のある国ですし、文化もあり、大国意識が強い人々です。英語、フランス語をマスターしているように教育水準も高い人達もいますので、他の途上国とは違う印象です。
英国、フランスの影響も受けているので、ビジネスのやり方もそれを念頭におかずに、発展途上国と思ってビジネスを進めると手痛い目に合うように思います。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?