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イベントレポート 「インターネットで社会はやさしくできるか」

このnoteは9月20日にSHIBAURA HOUSEで行われたsoar(ソアー)さん主催のイベント
「インターネットで社会は優しくできるのか」のイベントレポートです。

こんにちは!
つい一昨日、大根おろしの魅力に気づいた でざぱらです。今回は、soarさん主催のイベントのイベントレポートを書いていきます。約1時間のイベントでしたが、1時間とか思えないくらい濃いイベントで非常に考えさせられました。その中で、私の中で刺さったものを順番にピックアップしたものに、ぱらかん(でざぱらの感想)を添えて書いていきます。

イベントの流れ
1.モデレーター・ゲスト紹介
2.パネルディスカッション
3.質疑応答


1.モデレーター・ゲスト紹介

モデレーター

NPO法人soar理事・株式会社inquire代表
モリジュンヤさん
「突然の困難に直面したときに、情報を知っているかどうかでその後が変わってくる」と感じたご経験をテーマにsoarについて説明してくれていました。

ゲストの方

1. LITALICO仕事ナビ・LITALICO発達ナビ編集長** 鈴木悠平さん**
編集者としてお仕事されているメディアの紹介、メディアを通じて発信するスタンスについてお話ししてくれました。

2. CAMPFIRE 代表取締役 社長 家入一真さん

パソコン通信を使った過去のご経験から「1つの居場所としてインターネットがあっていいんだって思ってもらいたい。」という想いと現在の活動についてお話ししてくれました。

3. 株式会社cotree代表取締役 櫻本真理さん

睡眠障害になって知ったメンタルクリニックの現実と、オンラインカウンセリングサービスの立ち上げ、カウンセリングは必ずしも専門家じゃなくてよいことについてお話ししてくれました。

2.パネルディスカッション

ここからは、パネルディスカッションで得た学びや視点をピックアップして紹介します。

今回のトピック一覧


** 気づき1
「やさしさ」に対する考え方**

家入さん
・何者でもない誰かになれる瞬間や場所や関係を優しさと呼ぶのではないかと思っている。
・その時に置かれた場所によっていろんなレッテルが貼られる。
・一人間として認められる瞬間に(人は)救われる。

鈴木さん
・変に期待を押し付けずに、存在を信じるということ。
・他でもないその人を見つめることが優しさに繋がる。誰一人同じ人はいないから。

桜本さん
・優しさの要素は、やさしくなるためにに必要な配慮と尊厳、理解、責任で構成されている(フロムの本より)。その中で、責任が失われているのではないか。

モリさん(まとめ)
・ラベルを外して、その人自身を見るというのはsoarにも通づるし、優しい眼差しがある。期待を持たなくて良い状況がやさしさにつながる。


ぱらかん(でざぱらの感想)
「やさしさ」って、いい意味でも悪い意味でも便利に使われがちな言葉で、やさしさについて話すのはめちゃくちゃ大事だと感じた。身の周りでは、都合の良いように「やさしさ」という言葉が使われていると思っていて、言われた相手にとっての「やさしさ」よりかは、「やさしさ」と言う本人とって優しいだけなのかもしれない。また、桜本さんが紹介してくださった「やさしさ」の要素に含まれている「責任」は、インターネットやITの話ではなかなか語られない裏の要素だと思う。


気づき2
期待という呪縛

家入さん
・相手に期待を求めることを呪縛という。一方的に見返りを求めない。一方的に受け入れる行為。側から見ると信用してないようにもみえるし、冷たく感じる。期待に応えられるモチベーションもあるが僕はそれが冷酷だと感じる。

ぱらかん
期待を求めていることが呪縛に繋がっていると言われて同感だった。プレッシャーを与えてその反応を楽しむ大人は、冗談気にいうけれども、結果的に言われた言葉はめちゃくちゃ心に残る。また私としても良いモチベーションだとは思わなくて、「応援してるよ!」のほうが良いモチベーションだと感じている。


気づき3
インターネットがもたらす役割や影響

素敵な表現が多くて感動したので長め

鈴木さん
・時間や空間を超えられるのがインターネット。
・情報だけではダメで、教科書的に理解してもそれぞれ特徴が違うから、どの選択肢を選んだかという概要よりプロセスが大切で必要。
・メディアは、支援について知りにくい人(情報が得れていない人)の救いになれる。

家入さん
・民主化する。民主化は本来近くにある物事が遠くに行ってしまったものをテクノロジーで取り戻す。
・ラベルに関係なくフラットになれる(baseもCAMPFIREも)。大企業だからとか有名だからとか頑張っていることには違いはない。
・評価経済がお金を集めて持つものが更に持つという世界になりかねない。

桜本さん
・私たちが目指す「やさしさで繋がる社会」と「お金で繋がる社会」は対義にあって、二面化している。

家入さん
・分かり合えない人と関わらない。インターネットを通じて分かり合えないことがわかった。寂しいけど。

桜本さん
・小さく集まっている理由は、村で生活していたところから、インターネットの海にいきなり放たれて、あまりにもいろんな人がいることを知ったために怖くなったから。(決して悪いことじゃない)
・居心地の良い場所を作るために、何個も居場所持たなきゃいけないとなると、誰が責任を持たなきゃいけないのかわからなくなり、それが非常に冷たい。現実では逃げられないから責任を取るが、インターネットの世界では逃げ場が多いからこそ、いつ切られてもおかしくないし、冷たくなる。

鈴木さん
・価値観を分かり合えないことを前提に、その集まりに橋渡しという対話を繋ぐ役割をするとよさそう
・いろんな思想を持ったプラットフォームが増えることが大事で、自分の思想に合うサービスで自分の空間や時間を作れる。それが(個性になり)ポートフォリオになるといい。

ぱらかん
今回のディスカッションは個々にフォーカスしたときのやさしさを大切にして話されていて、そこから見えてくる発見は、普段インターネットやSNSを使っていて、ふと感じることから生まれている。その世界を語る上で、鈴木さんのポートフォリオという表現は「個性を生活の中から作っていくと」という考え方で、とても素敵だなぁと感じた。


気づき4
サービスの思想と宗教

家入さん
・TwitterなどのSNSは、かつて思想を表現する場として責任の範囲を提示していなかった。
・サービスの思想に合わないものをNoと言えることが大事。(CAMPFIRE では、)思想に合うか合わないかはしっかり話し合ってプラットフォーマーとしてどうあるべきか提示することが責任の取り方であり、やさしさにつながる。
・全てを無人化にすることはやさしくないからしない。

モリさん
・個々にとって居心地の良い場所を見つけるためにサービスを運営する側が、思想やビジョンを持って発信し続けることが必要。

家入さん
・インターネットによって、個を中心としたコミュニティはどんどん小さくなってきていて、世界としては広がってるけど Twitterのフォローもショッピングなどのサジェストも、自分に合うものしか出てこない。

鈴木さん
・宗教は構造的にどこにも責任が存在しない。神にも教祖にも責任がない仕組みとしてはパーフェクト。

家入さん
・自分や愛する人に降りかかってきた出来事に理由はないのに、理由を求めてしまう。
・神様がいるいないに関わらず、宗教であれば、神様からの試練だと受け止めることができる。
・その点でいうとインフルエンサーは宗教とは違って、考えが合わなかったり、裏切られたりしたと思ったら他の人に移ることができる。宗教は逃げる(移り変わる)ことができない。

・サービスをやる上で、どこかしら責任を持つことが大事。ここまでは責任持つよと自発的に責任の範囲を提示してあげて、その範疇で責任を取り合うのがいいのかも。

ぱらかん
サービスを提供する側が責任の範囲を提示してあげることは、サービスを提供する側の思想のブランディングであり、本質的なものだと感じた。サービスを作る上で逃げがちなところであるがすぐに実践する、取り組み始めることは出来ると思った。また、宗教について勉強することがサービスの本質を磨くことに繋がりそう。


3.質疑応答

Q. 家入さんが21歳のときにサービスを作る上で考えていたこと。

・身近な人に手紙を書くようにサービスを提供してきた。最低でも手紙を届けたい相手には喜んでもらえる。

Q. ゲームなど、サービスを伸ばすために依存させがちだが、現在にもネットにも依存しすぎない絶妙なバランスの作り方は?

桜本さん
・カウンセリングは、課題があって自立できるようにするために依存できる場所を作ってあげることが必要。占いは、全く逆で、課題はなく儲けのために依存させる、信じこませる。
・必要な依存と不必要な依存があって、不必要なところにKPIをおいたところから不必要な依存が始まる。
・でも、ビジネスの視点でやるのは難しくて、運営者側次第になってしまう。

鈴木さん
・倫理観を持つことが大切で、サイトとどう出会って交流してもらえるかに注力を置く。例えば、お仕事ナビは一生使ってもらいたいと思っていない。

ぱらかん
カウンセリングと占いの違いはとても面白くて、人に寄り添うかビジネスかという二面化の良い例だと思った。やさしさを考えると占い側は良くないが、依存をうまく活用したビジネスとしてみるといいアイデアには違いない。本質的な個々へのやさしさを考えてるサービスほど生き残る世の中であって欲しいと改めて感じるし、そんなサービスを作り続ける側でありたい。サービスを作る上で程よい依存と、責任の範囲は常に頭の片隅に入れておく。


最後に

今回のイベントは内容がめちゃくちゃ深くて、考え方を学べる良い機会になりました。その分今回のレポートで、今回のイベントの学びや普段触れ合わない世界をもっと知ってもらいたいと思っています。その一方で事実としてあった内容を適切に伝える力が足りていないなと身をもって感じています。
ゲストの方や参加された方にアドバイスやご指摘いただけると嬉しいです。

最後まで読んでいただきありがとうございました!!


このnoteは9月20日に「インターネットで社会は優しくできるのか」のイベントレポートですが、一部省略や編集しており、内容に曖昧な部分があります。何か間違いや語弊を生む表現がありましたら、すぐに訂正しますのでご連絡ください。また、もう少し細かい内容が知りたい方は、#soar_event で検索してみてください。


※また、今回のレポートを作成するにあたり、以下の方のツイートを参考にさせていただきました。
soar / ソアー (@soar_world)さん
Kyoko (@kiko63851123) さん
cotree(コトリー)@オンラインカウンセリング
(@cotree_official)さん
かたくられん/ 暇な経営者(@wakuwakucamera)さん
こむあい(@aiko_komura)さん


最後まで見ていただきありがとうございました!

ばいぱら!

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