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愛情、期待、呪い
「せめて学校には行ってほしいんですよね」
不登校生徒を抱える親の悲痛な気持ちを聴く。
「学校には行かなくてもいいから勉強だけは続けてほしい」
「高校は行ってほしい」
「友達と関わってほしい」
「ゲーム以外の趣味をもってほしい」
どれもよく聞く言葉で、どれもフツウのことだ。
不登校になるきっかけは本当に様々だ。
そして1つだけではない。
その中の1つにあるのが親との関係だ。親の愛情や期待を、重荷に感じてしまう子も中にはいる。
こういうことを書くと親もショックを受けると思うが、親が悪いとか全ての原因だと言うつもりはない。
学校環境、クラスの中での人間関係、先生との相性、学習困難、生活の乱れ、誰かのサポートが無いこと等、様々な要因の1つだ。
今まで「良い子」だった子が急に不登校を選択するとき、全人生をかけた反抗期のように私には見えてしまう。
「あなたのためを思って言ってるのに」
「昔はできてたのに」
子どもはそんなコントロールされる感覚を敏感に察知する。
受け止め方というものは癖や習慣みたいなもので、誰かにとっては喜ばしいものでも誰かにとってはストレスになる。
愛情や期待というポジティブな感情も同じだ。
それを受け止めきれない子にとっては自己否定につながる。世間的に正しくて良いことが出来なかったり、重荷に感じてしまう自分がおかしいのかと思う。
では声掛けせずに放置すればいいのかというとそうでもなく、関わり方の見直しに入ったのだと私は思う。
今まで強く言えばわかってくれたなら、対等に接してみる。
何でも親が決めていたなら、本人に選ばせてみる。
子どもの言う通りにしていたなら、しっかり線を引いて叱るときは叱る。
人間関係に正しいことなんてなくて試行錯誤で。
大人も子どもも等しく悩む。
責任の係り方は違えども、試行錯誤。
しかも昨日効果があったことが今日通用するかはまた別だ。
何故なら子どもの成長は早いから。
正解はない中、子どもも親ももがく。
誰かのせいにしたり、この先不透明で絶望したり、全てを諦めたくなったりする日もあるだろう。
現実から目を背けてしまう日もあるだろう。
心を立て直して、子どもが自分の生き方を見つけて、親もそれを受け入れるまでは時間もかかる。
もしくは子どもの自立が先になることもある。
親も子どもも苦しいけど、1人で抱えるともっとしんどい。
話を聴くときに私は何の力にもなれないけど、親や子どもが1人で抱えなくて良かったなという気持ちでいる。
家族で向き合うばかりではしんどいから、雑談でも愚痴でも、肩の力が抜ける時間であってほしいと思っている。
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