【BL二次小説(R18)】 禁欲の果てに①
大学入って初めてのレース。
さあ、新しいメンバーでどこまでやれっかな。
しっかし、さすが大学生ともなるとみんな体つき違げぇなァ。
オッサンみてぇのも多いや。
人数もすげぇ。
明早も確か参加してる筈だが、とても見つからねぇ。
福ちゃんと新開は元気かなァ。
ま、上位グループに行きゃあ嫌でも会えんだろ。
敵としてな。
へっ。
楽しみだぜ。
……なんて考えてたら、前方から一人見覚えのある男が下がってきた。
「やあ、靖友。金城くん。待宮くん。久しぶり」
「新開!」
新開だ。
ちょっと見ねぇうちに一段と逞しくなりやがった。
こりゃ強敵だぜ。
「なんじゃあ明早の!偵察けぇ。あっち行けやシッシッ」
待宮が威嚇する。
「ヒュウ。怖い怖い」
新開はニヤリと笑う。
「何しに来たんだヨ」
オレは無愛想に言う。
本心は会えてスゲー嬉しいが、レース中だ。
新開はオレの肩に手を置いて言った。
「レース終わったらちょっと話があるんだ。いい?」
「ハァ?でもそんなに時間取れねぇよ。うちはサッサと帰るかんな。電話じゃダメなのかよ」
「電話じゃダメだ」
……?
なんなんだ?
「わかったヨ。うちのテントは南の2ブロックだ」
「OK。じゃまた後でな。あ、金城くん」
「なんだ」
「うちの福富が先頭で待ってるってさ」
「そうか。すぐに会いに行くと伝えてくれ」
新開は笑顔でスーッとトップ集団の中へ消えて行った。
「荒北ぁ!なにやっとんじゃオマエ気安く肩触られよって!エナジー吸われたらどうしよんじゃボケ!」
「っせ!んなことすんのオメーだけだバァカ!黙って首でも吊ってろ!」
「やれやれ。口の悪いのに挟まれてるとこっちまで移りそうで怖いな」
……レースは結局、中の上ぐらいの成績で終わった。
まだまだ上はたくさんいる。
課題を克服して、また次まで練習の日々だ。
明早も、最初は先頭グループにいたがだんだん順位を落として地味な結果だったようだ。
まァ、お互い今回は大学レースの雰囲気を掴めただけでも良かったってとこか。
テントで帰り支度をしていると、新開が走ってやってきた。
「靖友」
「おう。お互い残念だったな」
新開はオレの腕を掴んでテントから連れ出した。
腕を引っ張りながらズンズンと建屋の方へ進む。
「オイ、どこまで行く気だよ。話ならこの辺で出来んだろーが」
新開は無言で建屋の中へ入って行く。
「……?」
オレはそのままトイレの個室に押し込まれた。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?