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【BL二次小説(R18)】 メガネ男子②


待「そうじゃ荒北。どんだけ誘ってもオマエが頑なに参加しなかった先日の合コンのぅ、結局金城誘って行って来たんじゃが……」

荒「おぅ!どうだったァ?」

金「おい、待宮」

 

待宮が先週の合コンの話をし出した。

総北組が一斉に聞き耳を立てる。

 

 

待「金城のぅ、モテモテじゃったわ」

総北組「「おお~!」」

 

 

 

荒「ハン!やっぱりな。このクソ坊主。興味無さそうな顔してコレだァ」

金「……」

 

待「それでな、聞いてくれや荒北ぁ。コイツな、反則技使いよんじゃ」

荒「反則技ァ?」

 

金「いや、あれは……」

小「なんですかなんですか?」

巻「金城、もしかしてアレか?」

 

場の全員が待宮の話に注目する。

 

 

 

待「コイツな、女の子達の前で、手品披露しよったんぞ」

総北組「「えーー!」」

巻「やっぱりっショ」

 

巻島はニヤニヤする。

 

 

荒「手品だァ?オイオイ、クソ坊主ゥ!なかなかやるじゃナァイ!」

金「いやあれは、会話が続かなくて苦し紛れにだな……」

 

金城は弁解するが、益々荒北に絡まれることとなる。

 

 

荒「どんな手品やったんだよォ。今ここでやってみろやホラぁ」

 

 

 

金城は溜め息をつきながら、割り箸を1本右手に握った。

 

左手で箸を隠すように覆い、ヒラヒラと翳す。

 

場の全員が割り箸を凝視する。

 

次の瞬間、割り箸はパッと花束に変身した。

 

 

全員「「おおーー!」」

 

 

パチパチパチパチ!

拍手喝采。

 

 

 

荒北は金城にのし掛かって揉みくちゃにする。

 

荒「テメコノヤロ!脅かしやがって!いつもこんなん仕込んでやがんのかァ!今日みてェな野郎しか来ねェ集まりにも準備してるたァどういう魂胆だ!」

金「いや別に意味は……」

 

荒「まだ何か仕込んでンだろ!タネ見せろコラぁ!このメガネが怪しいぜ!」

金「おいおい」

 

 

金城からメガネを奪い取り、電灯に翳してチェックする。

しかし特に怪しいところはない。

 

 

その後、荒北はおもむろにそのメガネを装着した。

 

 

 

「「「!!」」」

 

 

 

その瞬間、場の全員が固まり、静まりかえった。

 

 

 

荒「そんなに度キツくねェな」

 

荒北はメガネを掛けたまま周囲を見渡す。

 

金城の手品に注目していた流れで、メガネ荒北を全員が目撃することとなった。

 

 

 

新「…………」

 

新開は口に運んでいたタコ焼きをボトッとテーブルに落としたが、気付いていない。

 

 

待「これはこれは……」

 

待宮はニヤニヤして荒北を舐めるように眺めている。

 

 

真「…………」

小「真波くん!ビールこぼれてるよ!あーあー!」

今「口からもヨダレがこぼれてるぞ!」

 

真波は胸から下がビールでビシャビシャになっているが、全く気付かず口を開けたまま荒北を凝視している。

 

 

 

ブシュウゥッッ!!

 

荒「なんの音ォ?」

 

荒北が音のした隣のテーブルを向くと、泉田達が大騒ぎしている。

 

葦「ユキちゃんが鼻血を噴き出した音です!」

泉「ユキ!しっかりしろユキ!ダメだ気絶してる!」

葦「鼻血も止まらない!きゅ、救急車呼ばないと!」

 

隣のテーブルは壁まで一面に血塗れになっている。

 

 

 

荒「な、なんだオマエラみんな急に。何が起こってンだ?」

 

あちこちで大惨事が発生し、荒北はわけがわからずキョロキョロしている。

 

 

 

 

新「ハッ!」

 

新開は我に返り、立ち上がって荒北に手を伸ばし、メガネを乱暴に剥ぎ取った。

 

 

新「なにやってんだ靖友バカヤロウ!」

荒「え?なにが?」

 

キョトンとする荒北。

 

 

新「メ、メガネをかけるなんて……!」

荒「なんかマズかったァ?」

 

ワナワナと怒りで震えている新開。

 

 

新「おめさん、この破壊力、わかってんのか!」

荒「???」

 

新開は場の惨状を手で示して声を荒らげる。

 

 

 

メガネを突っ返し、金城に指を差して更に怒鳴る新開。

 

新「金城くん!よくもやってくれたな!反省してもらおう!」

金「な、なぜオレはオマエに怒られているんだ?」

 

返却されたメガネを掛けながら、新開に焦点を合わせる金城。

何やら理不尽に責められているが意味がわからない。

 

 

 

新「もうお開きだ!来い!靖友!」

荒「ええ?」

 

新開は荒北の腕を掴みドスドスと宴会場を出て行く。

 

 

後に残された面々は暫くパニックがおさまらず、混沌としていた──。




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