見出し画像

Jリーグクラブ決算情報を可視化して経営分析してみた


1. はじめに

エム・エー・ディー代表の高橋守です。本日は、経営の可視化(今回は決算書)についてです。
2024年5月21日に公益社団法人 日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)より2023年度クラブ決算一覧(58クラブ)※が公開されました。各クラブチームの経営を知るにも、スポーツビジネスを学ぶにも、Jリーグの試合をより楽しむ上でも、大変魅力的なデータですね。だだ、情報量が多く、ちょっとだけ視認性が悪かったので、過去2005年度クラブ決算まで遡り、BI(ビジネスインテリジェンス)ツールのLooker Studioを使用して決算データを可視化し、経営分析をしてみました。
※今回の2023年度公開では、3月決算の柏、湘南を除く58クラブが対象

2.Jリーグ経営分析ダッシュボード

特徴①総合

Jリーグ全体(全チーム合算)の決算データの可視化、経営分析を行います。収支/利益では年度(2005年度~2023年度)ごとでレポートします。

  • 収支/利益

  • 収益性/PL

  • 安全性/効率性/BS

特徴②リーグ比較

J1、J2、J3の各リーグ決算データの決算データの比較を行います。収支/利益では年度(2005年度~2023年度)ごとでレポートします。

  • 収支/利益

  • 収益性/PL

  • 安全性/効率性/BS

特徴③全チーム比較

J1、J2、J3に所属する全てのクラブの決算データの比較を行います。
年度(2005年度~2023年度)ごとでレポートします。

  • 収支/利益

  • 売上成長率

  • 収益性/PL

  • 安全性/効率性/BS

特徴④2チーム比較

チーム1とチーム2に設定したクラブの決算データの比較を行います。
チーム1、チーム2にJリーグ所属チームの設定が可能です。

  • 収支/利益

  • 収益性/PL

  • 安全性/効率性/BS

Jリーグ経営分析ダッシュボードはこちらからアクセス(PC用のサイトです)

こちらから閲覧可能です。こんな見せ方して欲しい、データがおかしい、挙動がおかしいなど、ご指摘事項ありましたらご連絡ください。


3. 2023年度Jリーグの決算情報の総括

2023年度クラブ経営情報開示資料よりまとめです。

主なトピック

  • 売上高は58クラブ合計で過去最高の1,445億円となり、前期比111%、43クラブが増収であった。

    • 入場料収入は前期比138%となり、コロナ前の状況に回復した(19年度比110%)。

    • J1、J2の89%のクラブが増収となり、浦和は100億円を超えた(103億円)。

  • 売上原価・販管費は58クラブ合計で過去最高の1,483億円となり、売上高と同様に増加 している。(前期比110%)。

    • トップチーム人件費は607億円(前期比104%)と増加しており、増加した売上がチーム 強化に投資されている。

売上高推移

  • 売上高合計は、2022年度にコロナ前の2019年度を上回ったが、更に増加し1,445億円となった。

  • 入場料収入もコロナ前の2019年度を上回った。

売上原価・販管費推移

  • 売上原価・販管費合計は、昨年度からも増加し、1,483億円となった。

  • チーム人件費、物販関連費(増収に伴う)、販管費が増加している。

4. まとめ

今回は、Jリーグクラブ決算情報をLooker Studioを使用して見える化し、各チームやリーグ全体の財務情報を簡単に分析できるツールを作成してみました。今後は、J1、J2、J3及びリーグ全体で特定の財務指標が順位に影響を与えているかを回帰分析を用いて、各リーグで注視すべき財務指標の発見やサッカー関連ビジネスへの転用を探っていきたいと思います。

参考文献

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?