従業員満足度調査をやるべき理由とは?/従業員リサーチナレッジ
「どこの会社も従業員満足度調査ってやっているの?」
人事・総務、経営企画のご担当者様の中には、そんな疑問を持たれている方も多いのではないでしょうか。
マクロミルが持っている従業員リサーチナレッジをシェアする当企画。今回は、様々な従業員リサーチのうち、「従業員満足度調査」のナレッジを皆さんにご紹介したいと思います。従業員満足度調査ってよく聞くけど実際にどのくらいの企業がやっているのか?なぜやる必要があるのか、お話していきたいと思います。
従業員満足度調査が必要なワケ
次のような2つの会社があったとします。この2社のどちらがより顧客から信頼・支持され、業績が良くなりそうでしょうか?
当然ですが、A社ですよね。これは極端な例かもしれませんが、A社は満足度の高い状態の会社、B社は満足度の低い状態の会社であると言えます。満足度の高い従業員は、顧客へ高い価値提供を行える傾向にあるからです。
調査で計測しなくても、従業員数が少ない企業や、従業員の状態を正しく把握してより良い状態を目指して取り組めている会社や組織であれば、従業員満足度調査は必要ないかもしれません。しかし、従業員数が多くなると経営層と現場の距離が開き、正しく従業員のことを把握することが困難になってきます。ウチは大丈夫だ!と思っていても気づかない間にB社のような従業員が多くを占める組織となってしまうかもしれません。これでは顧客に高い価値提供は難しく、知らず知らずに業績の低迷を招く可能性があります。従業員満足度調査は会社のリスクをデータで可視化し、回避するための把握ツールですので、分かった気にならずに取り組むようにしたいところですね。
また、調査目的が明確ではないと、従業員満足度調査は意味が無いどころかかえって会社内の不信感を招くリスクがあります。なぜ調査を行うのか、しっかりと目的をもって、その目的を従業員に伝えることで、風通し良く取り組みたいところです。
どのくらいの会社規模になったら始めるべき?
従業員数がどのくらいの規模になったら調査を始めたほうがいいのか、迷う方もいらっしゃると思います。「100人の壁」という言葉があるように、従業員数が100人を超えてくると認知限界を超えて組織が大きくなるため経営者の目が行き届くのは難しくなると言われています。これまで従業員満足度調査を行ったことの無い企業では、従業員数100人というラインを、調査を始める1つの目安としてみても良いかもしれません。
調査結果の活用と、定点観測のススメ
A社の従業員のように高いパフォーマンスを発揮してもらうためには、職場環境や職務内容、企業の理念や方針、上司との関係性など幅広く従業員の満足度を把握し、問題点の洗い出しから適した人事施策に転換していくことが必要です。優秀な人材が流出しないためにも、働き続けたいと思える会社にしていきたいですね。
また、従業員満足度調査は1回きりの調査ではなく、講じた施策の効果があったのかを検証するために、定期的に行うべき調査です。施策への満足度やその結果としての総合指標への影響を測るなど、効果が無い場合はどのようにテコ入れをしていくべきかを検討する材料として定点観測していきましょう。
従業員満足度調査を実施している日本企業はどれくらい?
さて、最後に記事冒頭に記載した「みんなやっているの?」について、ざっくり試算してみたいと思います。
まず従業員満足度調査が必要になる企業を従業員数100人以上の法人とします。その数、約46,000社あるそうです(出典-総務省「平成 26 年経済センサ ス‐基礎調査結果」)。実際にはやっている会社とそうでない会社がありますので、マクロミルでお取引のある企業へ従業員満足度調査を実施しているか聞いたところ37%の企業が実施していると回答しました(全て弊社にご発注頂けているわけではないのは悲しいところです…泣)。これを実施率としてみると17,000社くらいが、何等かの形で従業員満足度調査を実施しているのではないかと思われます。非常にざっくりとした試算ですが、参考にしてみてください。
この記事と同じコーナーの「急増する従業員リサーチ!市場動向とトレンド/従業員リサーチナレッジ」でもご紹介したように、ここ数年の従業員向けリサーチの相談数は非常に伸びています。コロナ禍での働き方の変化など、従業員の考えや満足度を重視する企業が増えていることが背景にあり、今後も従業員に向けたリサーチに取り組む企業は増えていくと思います。
筆者
企業様の従業員リサーチなどをご支援するリサーチプラットフォームグループ(左から、平岩、竹内、川村、徳田)