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僕の好きな先生【毎週ショートショートnote】800字

課題:[宝くじ][魔法学校]
「耕平君、そっちはうまくいってるかい」
五十嵐先生がキャンパスの横から
顔だけ出してそう言った。

「うーん、どうしてだろうドラゴンの
動きが小さくて、、、」
僕がそう言うと、
先生は僕の方にキャンパスを向けた。
先生のキャンパスは凄かった。
先生の描くドラゴンはキャンパスの中を
所狭しと躍動感に溢れ、
今にも炎を吐き出しそうな勢いで
鳥肌が立つほどだった。

先生は筆を休め、
インスタントコーヒーを一口すすると、
ショートホープに火をつけ
僕のキャンパスの方に来た。

「耕平くん、なかなか勢いのあるドラゴンだよ、
良い調子に進んでるね」
先生は僕の絵を見て言った。
「あとはどうやって魔法を起こすかだよね」
「魔法?」
「あれ、美術部のくせして魔法信じてないの?」
「どういうことですか?」
「シアン、マゼンタ、イエローの
3色で起こす魔法」
先生はたばこを一口吹かして話をつづけた。
「1+1+1=3だよね、
算数の答えは1つしかない。
でも3色を使った美術の答えは魔法のように
無限にあるんだよ。その自分の答えを
キャンパスの中に見つけるんだ。
それが美術の面白いところさ」
「なるほど」
「それに魔法っていうのは
信じさえすれば誰にでも使えるんだよ。
宝くじみたいにさ、たまたま運が良い誰か
だけに起こるんじゃなくて、
魔法は誰にでも起こるんだよ」
「耕平君、君には君にしかできな魔法がある。
このドラゴンもキャンパスの中で
君の魔法を待っているよ。
急ぐことはない。
耕平くんのイリュージョンが
いつしか見れるのが楽しみだよ」
先生はそう言って僕の肩をたたくと、
また自分のキャンパスに向かって
筆を打ち始めた。

宝くじなんて買わない、
だって僕だけの魔法を信じてるし。
五十嵐先生。僕の好きな先生がいる高校。
この学校は僕の将来の夢を叶える魔法学校だ。

(おしまい)

>>>おめでとうございます。こういう作品を二次創作というのかコラージュというのかよく分かりませんが、忌野清志郎さんの
「宝くじは買わない」
「僕の好きな先生」
から創作しました。
ベイベー愛し合ってるかい✌️

たらはかにさんの企画投稿作品です。