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カラフルな仲間たちと共に。“問いつづける”という社会課題解決のあり方【NPOマドレボニータ】

互いに信頼し合える間柄であるからこそ、営利関係を超え、未来の可能性を共創できる。そう信じるわたしたちは、「恋に落ちるくらい好きになった相手としか仕事をしない」を大切にしてきました。

共に未来を創っていくパートナーでもある団体や企業の方々を紹介する本企画『わたしたちが恋に落ちた、あの人』。社会課題解決の現場で挑戦されている皆さんの想いや葛藤、そして弊社とどんなコラボレーションが生まれたのか、対談を通じてお届けしていきます。

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記念すべき1回目にご出演いただいたのが、20年以上「産後ケア」の必要性を社会に伝え活動しつづけてきた特定非営利活動法人 マドレボニータの共同代表・中桐昌子さん

約1年前にマドレボニータのインストラクター育成プログラムのリニューアルに合わせ、WEBページの制作、情報発信・PRのためのブランドガイドライン制作を弊社がお手伝いさせていただきました。対談相手は、当時ディレクションを担当したmorning after cutting my hairの井口香穂です。

///LOVERS/// 特定非営利活動法人 マドレボニータ
「産後うつ」「産後クライシス」という言葉があるように、産後は身体的にも精神的にも大きな変化が起こる時期。産後の心身の不調は、乳児虐待や夫婦不和といった大きな社会問題に繋がったり、社会復帰の壁にもなりかねません。そこでマドレボニータでは、産後ケアプログラムを通じて、出産した女性の心と体のケアをし、その方が本来持っている力を社会で発揮できるようサポートをつづけています。また、「取り組む産後ケア」の拡充のため、産後女性を支える知識やスキルを持ったインストラクターの育成もおこなっています。

コロナ禍での外出自粛期間を通じて、産後を迎えた女性や家族を「孤立させてはいけない」とより強く感じたと昌子さんはおっしゃいます。また、マドレボニータの創業者である吉岡マコさんから代表を引き継いだのも約1年前。大きな変化を迎えるなか、どんなふうに一人ひとりの女性に向き合い、マドレボニータの想いを継承していったのか、お話を伺いました。


一人の女性としての人生を諦めなくて済むように

ーわたしたちがお手伝いさせていただいたのは約1年前。当時、マドレボニータではどんな課題があったのでしょうか?

中桐昌子さん(以下、敬称略):自分たちでいうのもおかしな話なんですけど、マドレボニータに所属する人たちは、一人ひとりすごい魅力的なんです。でも、その魅力を表現することが苦手で。

「プログラムがとてもよかったので友達に紹介したいけど、何て伝えればいいかわからない」と言われることがとても多かったんです。マドレボニータでは、体のケアも心のケアも同時におこなっていくのですが、「心のケア」っていうと、どこか怪しく聞こえてしまったり。表現方法に困っていた時に力を貸してほしいと思ったのがmorningでしたね。

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弊社が制作をお手伝いした「インストラクター養成スクール」のWEBページ

ーマドレボニータの前代表・吉岡マコさんと弊社代表・田中美咲が古くからの知り合いでご縁につながったというお話でしたよね。

昌子:そうなんです。吉岡が紹介してくれて、すぐにmorningのHPを見に行きました。それこそ、わたしは一瞬で恋に落ちて。「あ、こういう表現の仕方があるんだな」って、morningが持つ世界観にぐっと惹かれたことをよく覚えています。

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制作のディレクションをさせていただいた弊社・井口香穂

井口香穂:わたし自身は、マドレボニータの皆さんとは初めましてだったんですけど、ブランドガイドラインを作るためのヒアリングするなかで、その魅力に圧倒されました。2つのグループに分かれて「どんな団体なのか」「インストラクターはどんな存在なのか」「なぜマドレボニータに入ったのか」など、細かくヒアリングさせてもらったんですね。

そこで皆さん口を揃えておっしゃっていたのが、

母親としての自分だけではなく、それ以前に“一人の女性”、“一人の人間”としての自分を大切にしてほしいということ。そして、マドレボニータは、母親になるための教育をする場所ではなくて、一人の人が自分の人生を諦めない道をサポートしていく組織でありたいということ。

恋に落ちたという以上に、本当に感心しっぱなしでした。わたし自身、出産・育児に関してまだ経験のないことでしたが、「産後ケア」の重要性についてすごく腑に落ちたことを覚えています。


「産後ケアの裾野を広げたい」養成スクールのリニューアル

ー「インストラクター養成スクール」のプログラムリニューアルにあわせて、WEBページとブランドガイドライン制作をさせていただきました。リニューアルの経緯について改めて伺えますか?

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弊社が制作をお手伝いした「インストラクター養成スクール」のWEBページ/4つの養成コース

昌子:マドレボニータでは、4つの養成プログラムを用意しています。そのひとつがリニューアルのタイミングで新しく登場した「産後セルフケアアドバイザーコース」です。

立ち上げから20年ちょっとの歴史のなかで、産後をサポートできる担い手の育成に注力してきました。産後は体力的にも精神的にもすごくデリケートな時期なので、専門的で高度な知識やスキルが必要になってくるんですよね。一般的なフィットネスとはまた違う技術が必要になるので、誰でもなれるかっていうとそうではない。産後ケアの裾野を広げていきたいと思いつつ、その育成にはなかなか時間がかかるものなんです。

そこで新しく作ったのが「産後セルフケアアドバイザーコース」でした。わたしたちのプログラムを受けてくださった方の中で、「自分も産後ケアの必要性を伝えられるようになりたい」とおっしゃってくださる方が多くいました。隣で苦しんでいる人がいたとき、「こんなふうにしたら楽になるよ」とか「赤ちゃんだけじゃなくて、自分のこともケアしてね」と声をかけてあげられる人が増えていけば、産後ケアをより早いスピードで広げていける。そんな想いで、いちから立ち上げたんです。


ーなるほど。実際に立ち上げてみて、その結果はいかがでしたか?

昌子:半年間でアドバイザーが10名も増えたんです! 同時期に10名もの担い手が増えるっていうのは、わたしたちの20年の歴史の中で初めてのことです。morningがわたしたちの想いを言語化してWEBページに落とし込んでくれたおかげだと思っています。

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ブランドガイドラインの「カラー」に関するページ

ー情報発信・PRのための「ブランドガイドライン」も作成させていただきました。現在、マドレボニータではどんなふうに活用されていますか?

昌子:いろいろな場面で活用させていただいています。最近広報チームができたのですが、これまでバラバラだった個人の発信も、最低限トーンを合わせることで統一感が出せるようになりました。

内部だけでなく、外部の方に制作をお願いするときもこのガイドラインさえお渡しすれば、わたしたちの世界観や想いをしっかりと汲んでくれますね。本当にこれがない1年前はどうしてたんだろうっていうくらい(笑)。

香穂:1年経った今でも、そうやって使いつづけてくれているのは本当に嬉しいです。たとえば、「パパさん、ママさん」という言葉は、ひとりひとり多様なはずの存在を「顔の見えない集団」と捉えてしまう可能性があるため使わないなど、細やかな言葉の使い方含め、マドレボニータの皆さんが大切にされている行動指針や哲学など、丁寧にヒアリングさせていただいたことを一つのガイドラインとして集約させてたことがよかったと思っています。


社会課題は一人ひとりの生活の中にある

ーWEBページのトップにあるように、マドレボニータの信念は「LIVE YOUR LIFE」。それぞれが「1人の人間」として人生に誇りを持ち生きていくこと​​を応援するというメッセージがとても素敵です。

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昌子:当たり前のことを言っているように思われる方もいらっしゃるかもしれないんですけど、いざ出産すると、社会から距離ができて自分のアイデンティティが崩壊してしまうような状態になるんです。

生まれたばかりの小さな命が目の前にあると、「守らねば」という気持ちでいっぱいいっぱいになってしまって、母親としての役割が大きくなり、それ以外の自分は脇においてしまうんです。本当は「母親」というのは自分のアイデンティティの一部にすぎないんですが。そんな時に子育てがうまくいかないと、自分の存在意義のようなものが揺らいでしまうんです。

だから、母親であると同時に、一人の女性としてどうありたいのかをわたしたちは問いかけています。あなたはなぜここに来たのか、このプログラムを受けてどうなりたいのか。その人の本当の望みをしつこいくらい問いかけるんですね。そうすることで、自分の望みや想いをだんだん表現できるようになって、自信を取り戻していくんです。

香穂:わたしたちも“問いかけ”はすごく大切なことだと思っています。社会課題って結局は誰かの生活の困りごとや一人ひとりのアイデンティティに繋がっているものだと思っていて、当事者の声を聞かないでこちらから何か決めつけるようなことはやってはいけないと思っているんです。

マドレボニータが実践されているように、まず最初は自分の価値観を深掘りする。そして、それを押し付けるのではなく、相手と対等に会話をして、相手の価値観も引き出していく意識はすごく大切ですよね。

カラフルな組織を目指して、“属人的”を貫く

ー昌子さんは昨年、創業者の吉岡マコさんから代表を引き継ぎました。NGOやNPOに限らず継承に苦労される組織が多いなか、マドレボニータではどのようなことを意識されていますか?

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昌子:ピラミッド型とまでは言わないまでも、やっぱり強い想いを持つリーダーの存在があると、トップダウン式の組織になることが多いと思うんです。たとえばリーダーが真っ赤だとしたら、下にいくにつれて、だんだんとその色が薄まっていくような。

でも私たちは、もっとカラフルでいいんじゃないかなって。それこそ真っ赤な人もいれば、澄んだブルーの人もいる、「わたしは黄色」って人もいる。みんなが赤に合わせていく必要はなくて、カラフルなパレットを抱えたまま、想いが重なるところや近しいところを一緒にやっていく。それだけでも素晴らしい組織なんじゃないかって思うようになったんです。

香穂:morningの考え方とも共通しているような気がしています。morningはそれぞれの得意分野を生かしながら、より関心が高い社会課題解決に取り組んでいるフリーランスの集まりのようなもの。どういう人生を歩んできて、なぜ今morningにいるのか、今どんな社会課題に関心があるのか、耳を傾けあうようにしていますね。逆に「こうせねばならない」と相手に強要してはいけないことだけは、共通認識としてあるような気がしています。

昌子:“属人的”って組織の課題として言われることが多いかもしれないですが、逆にそこを突き抜けてもいいのかなって思っているんです。代表が道しるべを作ってそこに皆んなで向かっていくよりも、一人ひとりが持っている「成し遂げたいこと」に丁寧に耳を傾けて、ちゃんと言語化して、共有しつづけていく。そうすることで、自然と一つの方向性が滲み出てくるんじゃないかなって思っています。

時に私たちは、役割としての自分にとらわれてしまったり、相手に役割を押し付けてしまいそうになることがあると思います。そんな時は、自分自身や相手の意思を問いつづけてみる。役割ではなく、一人の人として向き合うことが、本来のその人らしさを手の中に取り戻すために必要なことなのかもしれません。

ご出演
特定非営利活動法人 マドレボニータ
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morning after cutting my hairでは、企業・団体の皆さんの価値観や大切にしている想いを細やかにヒアリングし、議論を重ねた上で、「本質的な社会課題解決」を加速させるご提案をさせていただきます。

何か迷うことやお悩みがありましたら、ぜひお気軽にご相談ください。



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Consulting for Social challenges with Love. based in TOKYO & SHIGA, JAPAN. ///// 世の中にある「課題」に挑む人たちの想いを伝え、感動と共感の力で、『人の心が動き続ける社会』をつくる。

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