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徹底解説!ダニエルズ理論 ~トレーニングの原理編~

こんにちは、トレーナーの山下です。
今回は『ダニエルズのランニング・フォーミュラ』に掲載されているトレーニングの原理を解説していきます。

ダニエルズ理論について知らない人でも理解できるように書いていきますので、
ランニングに興味がある人はぜひ読んでみてください!

前回までの記事はこちら
序章 ダニエルズ理論との出会い
第1回 ランナーとして成功するための4つの要素
第2回 ダニエルズのランニング基本原則

トレーニングの原理

まず最初に断っておきたいのが、
一般的に知られているトレーニングの原則(過負荷、継続性、個別性、意識性、全面性、漸進性、特異性)とは中身が異なるものだということです。
似ている部分もありますが、あくまでダニエルズによる定義だとご理解ください。

ダニエルズによるトレーニングの原理は以下に挙げた、
・刺激に対する反応
・特異性
・過剰な刺激
・トレーニングに対する反応
・個人の限界
・収穫逓減
・加速度的な減退
・能力維持の原理

8つの原理から成り立っています。
これらをひとつずつ解説をしていきます。

刺激に対する反応

ここで言う刺激とは何か?
それは運動のことです。
運動をすることが身体への刺激となり、
心拍数が上がったり、血圧が高くなったりします。

ただ、同じ刺激でも人によっては強く感じたり、弱く感じたりしますし、
体調によっても強弱の感覚が変わったりすると思います。
刺激を受けた際の身体の反応を観察することは
体調のバロメーターにもなるので、
自身の身体に目を向けることは大事なことです。
心拍計などでモニタリングすることも出来ますので、
ぜひツールも活用してみてください。

特異性

特異性の原理というのは
刺激に対応するのは刺激を受けた組織であるという原理です。

脚のトレーニングをしたら腕に刺激が入ることは無いですし、
心肺機能に負荷をかけたら、基本的には心臓や肺に刺激が入る、
ということです。

つまりトレーニングをする際に考えなければいけないのは、
このトレーニングによってどの組織に刺激を与えたいのかを
頭にいれておかないといけません。

ランニングで言えば、
LSDなら最大酸素摂取量の強化ではなく全身の毛細血管網の強化ですし、
レペティション(スピード練習)なら、
乳酸閾値の向上ではなく、ランニングの経済性の向上が目的です。
このように何を目的に練習するかが大事になります。

過剰な刺激

刺激を受けた組織は強化されていきます。
そして刺激が強いほど、その強化の度合いが大きくなります。
つまり、1時間走るより2時間走る方が身体への刺激が強いので、
より身体が強化されるということです。

では、より長時間走れば身体はさらに強化されるのかと言うと、
実際はそうではありません。
過剰な刺激というのは故障の原因になったり、
精神的にも悪影響を与えたりします。

刺激を受けた後、身体がいつ強化されるのか?
それは休養している時です。
トレーニングだけを繰り返しても強化はされません。
休養を挟むことで身体は強化されていきます。

休養を入れずに刺激だけを繰り返すと、
パフォーマンスは下がっていくことになります。

トレーニングに対する反応

ここの項目で伝えたい内容は
トレーニングの強度をどうやってコントロールするか?
ということです。
トレーニングには4つの要素が含まれます。


強度
休息
頻度

の4つです。
例を使って考えてみると、

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