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多国籍なお菓子がたのしくて可愛い映画|『ノッティングヒルの洋菓子店』

U-NEXTでマイリストに入れていた作品を先日、鑑賞しました。タイトルからわたし好みの作品だろうなぁ〜とわくわくしていたのですが、とても楽しく鑑賞しました。

『ノッティングヒルの洋菓子店』ストーリーは、
名店で修行を積んだパティシエのサラと親友イザベラは、長年の夢だった自分たちの店をオープンすることに。そんな矢先、サラが突然の事故で他界。夢を諦めきれないイザベラとサラの娘クラリッサは、絶縁していたサラの母ミミも巻き込んみ、さらにパティシエに名乗りを上げた、ミシュラン2つ星レストランで活躍する男性シェフ、マシューも登場。それぞれの思いを抱えながら、サラの夢をかなえるべく奮闘する4人だったが……。

監督は本作が初長編デビューとなるエリザ・シュレーダー。2020年12月に劇場公開された作品でした(完全に見逃していた!)

カラフルでキュートなスイーツがたくさん出てきて、ひたすらに眼福!
でもスイーツが出てくるだけの作品ではなくて、大切な人を亡くした者たちが、その人の想いを引き継いで夢を叶えていく、立ち上がる姿も描かれます。3世代の女の連帯もとても良かったな。お店の名前を「Love Sarah」に決めるところも愛にあふれていました。

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90分尺なので、全体のお話はゆるく描かれますが、(例えば、お店を始めるにあたっての資金は全てサラの母ミミが出しているので、資金繰りで苦しむシーンがなかったりする)サクッと観れる作品として、それはそれで良かったと思います。

▼▼『ノッティングヒルの洋菓子店』に登場するごはん▼▼

オープン当初は、ミシュラン2つ星レストランで活躍したマシューが作るスイーツということで、「イスパパン」「オレンジ・ヴァローナ」「イチゴのフレジェ」など、美しいけれど聞いただけじゃ何か分からないフランスのスイーツが登場します。

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「イスパパン」はパリで誕生したお菓子。濃いピンク色をしたマカロン生地に、バラとライチのクリームに新鮮なラズベリーを加えてサンドしたもの。映画「マリーアントワネット」にも登場しています。「ピエール・エルメ」の代表作でもあるので、購入して食べることができそうです。(▼下記リンクの画像)

「オレンジ・ヴァローナ」は、劇中では台座がサブレになっているチョコレートムース。「イチゴのフレジェ」はフランス版ショートケーキだそう。

しかし近所にはベーカーリーが4軒あり、なかなかお客さんが来ません。そんな時ミミは、ロンドンには様々な国の人が住んでいることに気づきます。ロンドンは多文化・多民族の国。移民たちが食べたいお菓子は、彼らの母国のお菓子(郷土の料理)ではないか?そこでロンドンに住む様々な国の人に調査をしながら、いろんな国のお菓子を作り出します。

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ラトヴィアの「グリングル」、スウェーデンの「シナモンロール」、トルコの「バクラヴァ」、イタリアの「パンフォルテ」、オーストリアの「ラミントン」などなど。

ちなみに「バクラヴァ」は中東やトルコで食べられるお菓子で、パイ生地よりもさらに薄い生地を何層にも重ね、砕いたクルミやピスタチオ、アーモンド、ヘーゼルナッツなどを挟んで焼き、甘いシロップをかけて仕上げるお菓子だそう。(めちゃ甘そう!)こちらのサイトでレシピが紹介されていました。

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そして日本のお菓子として、「抹茶ミルククレープ」が登場。クレープは作るのがかなり大変そうな描写があり、「こんなスイーツ作るなんて日本人は暇なのよ」など散々な言われようなのですが、キーとなるお菓子になります。

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本作は、ロンドンにある有名デリ「Ottolenghi」(オットレンギ)が全面協力したそう。イスラエル出身の超人気シェフ、ヨタム・オットレンギ氏が2002年にオープンしたデリショップ。公式SNSには素敵な写真がたくさんアップされてます。眼福だ〜!

多様性をお菓子で表現するアイデアはすごくいいなと思いました。「食」は思い出ととても密接で、どこで暮らしていても故郷の食を思い出し、求めてしまうのかもしれないですね。
「Ottolenghi」のシェフもイスラエル出身ということで、中東料理のエッセンスを上手く取り入れているそうです。多文化を尊重することが愛される秘訣かもしれませんね。

そうだ!あとミミの自宅がとっても素敵でした。白とオレンジのチューリップが水色のピッチャー型のフラワーベースに入れて飾ってあるのを観ただけで素敵すぎて嬉しくなっちゃった!

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(C)FEMME FILMS 2019


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