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最高にかっこいい一夜は『ディナーラッシュ』のレストランで

『ディナーラッシュ』は、人生ベスト10に入るほど大好きな映画です。 DVDも持っている作品で、「ごはん映画」のオススメを聞かれたときに紹介することも多かったのですが、最近パンフレットを中古で手に入れたので noteにもメモしておこうと思います。

『ディナーラッシュ』は2001年に公開された作品。(日本公開は2002年)冬のニューヨーク、トライベッカを舞台に、人気レストランのある一夜を描いた群像劇サスペンス。

ストーリーは、
イタリアン・レストラン“ジジーノ”のオーナー、ルイスは、長年のビジネスパートナー、エンリコがギャングに殺害されて滅入っていた。もう一つルイスを悩ませていたのは、彼の息子ウードの存在。イタリア帰りのウードはルイスの反対を押し切り、伝統的な家庭料理で街の人々に愛されてきたこの店を、おしゃれな人々が集うトレンディ・レストランへと変えてしまったのだ。やがて日が沈み、今日もまた忙しい“ディナーラッシュ”の時間がやって来た。しかし、今夜はいつもとどこか様子が違うようだ…。

映画に出てくる食事シーンが好きで「ごはん映画」を集めていますが、この作品ほどクールなごはん映画は他にないのではと思っています。

掻き入れ時のまさに<ディナーラッシュ>の時間。戦場のような目まぐるしい厨房と、お客でごった返す騒がしいレストランに、まるでその場にいるような臨場感と緊張感を感じます。

▼▼『ディナーラッシュ』に登場するごはん▼▼

昔ながらの伝統的な料理を求めるオーナーの父親に対し、シェフで息子ウードはおしゃれな創作料理を提供し、お店は大繁盛。そんなウードが作るメニューが読み上げられるシーンでは、下記のような料理名が登場します。

マニコレッティ・マッシュルームクリーム風/パネッレ/トンノ・アラ・ロヴェレ/ヴィテッロ(仔牛)/洋なし、ロビオラ・チーズとベーコンの盛り合わせ/フジッリ・コン・メランツァーネ(茄子のフジッリ・パスタ)/ガレット(雄鷄)/オレンジ・ソースのカルパッチョ/栗の実入りカボチャのリゾット/ウサギ肉のピエモンテ ワイン風味チョコ添え など

実際に調理シーンが出てくるのが「ロブスターとエビのシャンパンソース バニラ風味添え」という料理。セリフから分かることは「バニラビーンズとエシャロットとライムを使い、ワサビ風味のイクラ、トビウオの卵にチャイブを散らした」ということ。ロブスターで挟んでいるのはパスタを揚げたもの。ぜひ本編でチェックしてほしい逸品です。

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調理シーンはありませんでしたが「トリュフのタリオリーニ」という料理も同じテーブルに運ばれます。(トリュフを絡めたホワイトソースのパスタのように見えました)

ギャンブルの問題を抱える副シェフ、ダンカンが作るシンプルで伝統的なソーセージ料理も美味しそう。オーナーはこういう伝統的で滋味深い料理を求めており、ダンカンを可愛がっています。

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ダンカンを追う2人組のマフィアが食べる料理は、前菜(スカモルツァといんげん豆)やステーキ、アーティチョーク、ボンゴレのリングイネなど。

バーで男性が食べる料理は、キャピテリ(ローストアーモンドが最高というセリフがありました)と字幕で表示されていましたが、どんな料理か分からず…。

他に登場する料理は、チョッコラーテ・マンドルレ(チョコケーキ)ライ&ソーダというお酒。そしてたくさんのワインシャンパン

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ごはん映画は食べるシーンも好きだけど、作るシーンも大好きです。
レストランを舞台にした作品は『二つ星の料理人』『大統領の料理人』『レミーのおいしいレストラン』などなどありますが、『ディナーラッシュ』はとにかく、カメラワークもテンポもすごいスピード!怒号が飛び合う厨房はまさに戦場ですが、難しい注文が入った時にシェフたちが協力する姿がかっこいい!

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厨房以外で働く従業員の仕事ぶりも見ていて楽しい。バーテンダーとウェイトレスの女性が良いキャラクターで好きでした!
個人的にも飲食店のバイトでホールをしていた経験があったので、忙しい中での立ち回りとか、重要なお客さんが来た時の対応とか、見ていて楽しかったです。めちゃくちゃ忙しい時に「ハイになる感じ」を追体験しました。

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舞台となったレストランですが、なんと監督ボブ・ジラルディが実際のオーナーとのこと!撮影は営業の合間を縫って、即効的に21日間に渡って行われたそう。
実際に営業しているレストランだからこそ、テーブルや椅子、厨房の道具、壁や床の色までも、撮影用に作ったものではなく本物だからこそ、よりこのレストランの雰囲気を感じられる気がしました。(撮影用にどこまで演出を入れているかは分からないのですが)

下記の写真は実際のお店「Gigino Trattoria」の様子。サイトはこちら。ニューヨークへ行った際はぜひ訪れてみたい!

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静かなレストランではなくて、お皿が当たる音、会話の声、騒がしくてワクワクするするようなレストランもいいですよね。
本作では突然の停電に、気を利かせたキャンドルサービスのシーンがありますが、食事だけではなく、こういう体験も含めてレストランでの時間が好きだなぁと思います。

最近は夜の外食を控えていたのですが、早く食事やお酒が思いっきり楽しめる環境になればいいなと心から願いつつ、しばらくは『ディナーラッシュ』を観て、レストランへの想いを馳せることにします。

最後に、入手したパンフレットからかっこいい画像をお届けします。

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