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アメリカのドーナツ史は面白い!|『ドーナツキング』
昨年、見逃して心残りだったドキュメンタリー映画『ドーナツキング』をU-NEXTで鑑賞しました。
アメリカで「ドーナツ王」と呼ばれるカンボジア人男性テッド・ノイの人生に迫ったドキュメンタリーです。この作品を観れば、アメリカのドーナツ史はもちろん、カンボジアの戦争と移民大国であるアメリカの歴史を知ることができます。(製作総指揮がリドリー・スコットなのがすごい)
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みんな大好きドーナツですが、やはりアメリカの“ドーナツ好き度”は世界一かもしれません。パンフレットによると、アメリカ人の年間ドーナツ消費量は約100億個、全米には2万5,000店以上ものドーナツ店があり、そのうちの約5,000店舗はカリフォルニア州にあるそうです。
「ドーナツ2個と1杯のコーヒー」が朝の通勤の定番という説明も本編には出てきますが、車社会のカリフォルニアで、ドーナツをテイクアウトして車の中で食べるなんて、あまりにもアメリカンすぎる。
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なんとカリフォルニア州の個人経営のドーナツ屋さんの90%はカンボジア系アメリカ人が営んでおり、そのルーツを辿ると、本作の主人公テッド・ノイさんに繋がるほど、アメリカのドーナツ史の中で重要人物の一人です。
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カンボジア内戦から、アメリカへ亡命
カンボジアで生まれたテッドさんは、カンボジア内戦を経験し、難民としてアメリカへ亡命します。妻と子供、甥と従妹の8人で何も知らないアメリカへ。所持品を売り払い、3,000ドルが全財産だったそうです。
テッドさんはガソリンスタンドで働いている時に、どこからかいい香りがすることに気づき、同僚に「ドーナツ店の香りだ」と教えてもらいます。そこで食べたドーナツの美味しさに衝撃を受け、大手ドーナツチェーンのウェンチェルで研修を始めることになります。
そして3ヶ月後には店舗責任者になり、1976年にはウェンチェルと掛け持ちで自分のドーナツ店もオープンさせるという、なんともパワフルで、商才がある人だったようです。
ドーナツはピンク色のボックスで
よく映画にも出てくるピンクの箱に入ったドーナツ。
白い箱よりピンク色の方が安かったため、経費削減のためにテッドさんがピンクの箱を使ったのがきっかけだそう!目立つため販売用としてピッタリで、のちに全米中のドーナツ店で定番化することになります。
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本作は、大手ドーナツチェーンのウェンチェルや、ダンキンドーナツの創業者なども登場します。時代や地域によって、大手チェーン店と個人経営店で勢いの差が生まれるのが興味深い。
(カンボジア系難民の受け入れにテッドさんが尽力した結果、大手チェーンも参入できないほど、カンボジア系の個人経営ドーナツ店の勢いが凄まじい時代がありました)
そして後半では、日本円で資産22億円に達し、見事なアメリカン・ドリームを掴んだテッドさんですが、ギャンブルでの負のループへ落ちていく様子が描かれます。なんとも人間くさい生き様だなぁとドキドキした思いで観ておりました。
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2世が活躍するカンボジア系ドーナツ店
現在のカンボジア系の個人経営ドーナツ店は、娘・息子に受け継がれ、様々な工夫を凝らした、進化したドーナツが紹介されます。
DKドーナツの場合。
NYでパティシエのドミニク・アンセルが生み出した、クロワッサンとドーナッツを掛け合わせたクロナッツというスイーツがありますが、DKドーナツでも販売したところ、西海岸でもクロナッツブームが起こりました。
(劇中ではアンセル側から販売停止の手紙が届きながらも、こっちは昔から作っていたと反論するシーンがありました…笑)
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DKドーナツはお店を受け継いだ娘のメイリーさんがSNSを活用し、話題のドーナツを発信しています。お店もドーナツもポップで甘そう〜!今後、日本上陸するドーナツもあるんじゃないかなぁと思うので、要チェックです💪
▼DKドーナツ公式サイト
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アメリカのドーナツ史はもちろん、難民大国のアメリカでアメリカン・ドリームを掴み、今は別の生き方となった人間ドラマがとても面白い作品です。
そして進化系ドーナツが登場しても、どこかドーナツには懐かしさがあり、みんなが大好きなもの。今日もドーナツを食べよう!
ドーナツが出てくる映画
ドーナツが登場する映画はたくさんあるのですが、韓国映画の『詩人の恋』という作品を以前noteで書きました🍩
また今度、ドーナツ映画をまとめて書きたいと思います!
あとがき
最後に自分のドーナツ記録でおわりたいと思います。わたしは甘いものがたくさん食べられないので、シナモンドーナツなどシンプルなドーナツが大好きです。
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