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ドーナツを頬張るヤン・イクチュンが可愛い|『詩人の恋』

韓国映画『詩人の恋』を観ると「ドーナツが食べたくなる」という噂を聞いて、U-NEXTで鑑賞しました。

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「息もできない」「あゝ、荒野」のヤン・イクチュンが、同性の青年にひかれる詩人を演じた主演作。韓国の済州島を舞台に、主人公の詩人が同性の青年に対して激しい感情を抱いたことから、愛や夫婦のあり方について、三角関係になった詩人とその妻、青年の3人が、もがきながら答えをたぐり寄せていく姿を描く。監督は本作が初長編監督作となるキム・ヤンヒ。

本作の主演、ヤン・イクチュンさんは長編映画初監督作『息もできない』で製作・脚本・主演・編集も務めており、当時、韓国のインディーズ映画としては異例の高い評価を得て、日本でも大きく話題になったのを覚えています。『夢売るふたり』や『あゝ、荒野』など日本の作品にも多数出演しているカメレオン俳優です。

2009年の『息もできない』で尖ってヒリヒリした演技を見ていたので、

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『詩人の恋』で、ドーナツを頬張り、ぽわんと優しい表情のヤン・イクチュンさんを見て、印象の違いに驚きました。本作でもとても良い雰囲気を作っています。

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本作は主人公が同性の青年に対して感情を抱いたことで、もがきながら答えをたぐり寄せていくクィアな作品ですが、美しい青年に恋をする単純な話ではなくて、人生の選択を考える、話だと思いました。
青年の家庭環境が貧しいこともあり、主人公が抱く感情が、恋なのか愛なのか同情か、わたしにはハッキリと分からなかったのだけど、新しい家族の形が生まれる希望も感じながら、最後は少し切なさが残る。

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人生って本当に美しい瞬間も残酷な瞬間も山ほどあって、タイミングがすべてなのかなと改めて思った作品でした。彼らにとって、あの時のあの時間は、今後もじんわりと胸を焦がしていくのだろうな。
でもそれが、彼にとって詩になり、彼にとってこの場所を出ていく力になり、そして選択した人生で生きていくのだろうなと思っています。

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▼▼『詩人の恋』に出てくるごはん▼▼

本作の舞台は韓国のリゾート地・済州島。美青年セユンとの出会いは、港に開店したドーナツ屋さんでした。

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主人公テッキの妻ガンスンが「ニューヨークの味」と評するこのドーナツ。クリスピー・クリーム・ドーナツで売っているような、ふんわりとしたイーストドーナツの表面を砂糖でコーティングしたドーナツや、カラフルなトッピングが付いたドーナツがお店に並んでいます。

このお店のドーナツを一口食べて、トリコになってしまった主人公が、中毒のようにドーナツを食べる怒涛のシーンが描かれますが、ヤン・イクチュンさんのぽっこりお腹も相まって、コミカルでとっても可愛いです。ドーナツ好きな方が見たら、拍手したくなる食いっぷりだと思います。

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本作はドーナツ以外にも食事シーンがたくさん出てきて面白かったです。

家でフライパンで焼くサムギョップサルや、韓国作品でよく観る小鍋で作る辛ラーメン(鍋の蓋をお皿代わりにして食べる)、サバを焼くシーン炒め物ぽい食事など、普通に家で食べる食事が登場するので、彼らの暮らしを垣間見れます。

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また本作で人生の波が立ち始めるきっかけとなる出来事は、妻のガンスンの妊活でした。テッキは乏精子症と診断されますが、それを聞いた漁師の友人は、エイの性器の刺身を用意します。(韓国ではエイの刺身はよく食べられるそうですね)

漁師の友人はキム・ソンギュンという俳優さんが演じているのですが、わたしが最近観て面白かったNetflixドラマ『D.P.  脱走兵追跡官』という作品に出ている方でした。こちらもおすすめ。


▼あとがき
ごはんは関係ないのですが、主人公テッキの作業部屋が、本がたくさん詰まった本棚に、さらに本が積み上げられていて、お部屋の様子も好きだった!

あとわたしは甘いものをたくさん食べれられないのですが、ドーナツの見た目は本当に好きで、ネットで見つけたドーナツの写真をたくさん保存しています。(ここでは自分のドーナツ記録を載せておきます)

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