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ひゃくよんじゅうに。

 先日、ずっと受検の機会をうかがっていた知能検査を受けてきまして、つい先ごろその結果フィードバックを受けてきました。

受検のきっかけ

 そもそものきっかけは、今年の初頭から仕事関係でしょうもないケアレスミスや、普段の生活でもありえんレベルでの物忘れなどを頻発させて、どうにもその対策もできないぞ、これはうわさに聞く発達障害ってやつじゃないか?などと思ってセルフチェックをやってみたら「このスコア超えたら疑い濃厚ですよ」というラインをダブルスコアでぶっちぎったこと。

 その頃にはすでに「自分で考える」ことがほとんどできないところまで追い込まれていて、もう自分ではどう対処したらいいかわからなくなっていたので心療内科を予約して受診したところ、「考えられない」のほうがいわゆる「抑うつ」の典型的症状=思考の制止で、急遽抑うつの検査をしたらもうすでに中等症以上⇒即休職となったため、知能検査の受検はいったん棚上げになりました。

 ちなみに、このとき心療内科で改めて受けたADHDのテスト「ハロウェルとレイティの検査」でもはっきりとADHDの所見が出まして、抑うつ治療と同時進行でADHDの服薬治療も開始しています(現在はインチュニブ6㎎を毎朝服用)。

 そんなこんなしているうちにコロナウイルスの感染拡大&非常事態宣言発令となって、月2回の通院以外は全く外出をしなくなり、夏になって抑うつが寛解してきたところに糖尿病の診断&治療開始となったためまたしても知能検査の受検は棚上げに。

 9月になって仕事に復職したタイミングで糖尿病治療の目処も立って…というところでようやく受検と相成りました。

どんな試験?費用は?

 今回受けたのはWAIS-Ⅳという成人知能検査で、十数種類のテストをおよそ2時間かけてこなして、そのスコアと受検中の振る舞いや心理士との会話などからの総合的な判断とIQを算出するというものです。

 WAIS-Ⅳの詳しいことは下記リンクをご覧ください。具体的なテストの内容については試験そのものの公平性のほか、精度や妥当性確保のため詳述はしません。メンサに入りたいがために「試験対策」をして受検する不届き物がいるらしいので。高IQソサエティに入るためにそんなIQ低いことすんなよって話ですが…。

 受検料は保険適用外となり、自分の場合は「第1回目:精神科医による問診」「第2回目:心理士の進行により受検」「第3回目:心理士からの結果フィードバック」の全3回で税込み総額43,780円でした。

 決して安くはないですが、自分の困りごとを可視化して、その後の生活になにがしかのプラスが発生する可能性を考えれば、出せない金額ではないかなと思います。ちょうど定額給付金も出たので。

え?ADHDじゃないの??

 というわけで、先日検査の結果が出たので病院に赴いて、心理士の先生からのフィードバックを受けてきたのですが、結論から言うと、どうも私は「ADHDではない」らしいのです。

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 自分はもちろん心療内科や精神科にかかわる疾患の専門家ではないので詳しいことはわかりません…なのですが、ADHDの簡易検査でゴリッゴリのクロです、という結果が出てたのにADHDではない?

 どういうことなのかわからず詳しいことを聞いてみたら、これまたいまだに自分で理解しきってないのですが、どうも自分はかなりのレアケースであるらしいということです。

IQ【は】高かった。でも超凸凹。

 以下が、今回の私の検査結果です。

全検査IQ:142 ※いわゆる一般的に「IQ」といわれているもの
言語理解指標:136
知覚推理指標:126
ワーキングメモリー指標:147
処理速度指標:130

いずれの項目においても「非常に高い」カテゴリーとなり、全検査IQがパーセンタイル99.7(出現率0.3%未満)、ワーキングメモリー指標がパーセンタイル99.9(出現率0.1%未満)となり、単純にIQ【だけ】でいえば最高水準ということでした。もちろん、私の人間性とは何の相関関係もありません。

 一般的にADHDは脳のワーキングメモリー機能がほかの機能に比べて働きが弱く、機能間での凹凸が発生するために起こるものとされていますが、私の場合は、それとは全く逆で、脳の各機能間の中でもワーキングメモリーが一番強力である、ということです。

 ここまでであれば、「検査証明提出で、ノーテストでメンサ入れるじゃん。めでたしめでたし。」で終わる話なのですが、問題は各指標間の数値差、いわゆる「ディスクレパンシー」というもので、私の場合これがかなり大きく、【4つの指標レベルで有意差が認められました。】ということです。この「4つ」というのが多いのかどうかは知らないのですが、多分多いんでしょうね。

 私の検査結果数値をわかりやすくグラフにしてみるとこうなります。

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ごらんの通り、各数字のばらつきが大きいことがよくわかるかと思います。特に最高数値のワーキングメモリー指標と最低数値の知覚推理の間の差は21ポイントもあり、この数値差の出現率は6.9%ほどということです。

 この開きが15ポイント以上あると発達障害の疑いがある、という基準が存在しています。つまり、この数字を見る限りは私もおそらく「発達障害」なのでしょうが、それでもワーキングメモリー指標がバカ高いのでADHDではないということ。

心理士の先生の見解

 この謎状況に対する心理士の先生の見解は以下の通りでした(個人情報も含むので一部抜粋しています)。なんか超めんどくさいおっさんの分析をさせてしまって申し訳ないっす。

 短期記憶能力に対して、記憶されたメモリを多変量解析(要するに状況分析?)の情報源として処理を行う過程で何かが足りないような不全感が起こりやすいことを示唆しています。
 つまり、この状況において収集し記憶された丈夫量に対し、その情報は部分的に抜け落ちたまま記憶しているため(人間の記憶というのはそういうものです)「うっかり間違いミス」の傾向を認めます。
 ところが、本受検者(=私)は、失敗に気づかないまま次の仕事に進み没頭して忘れているので「周囲欠如傾向」と自分自身のの情報処理や記憶違いに対し「こだわりが強い結果」と錯覚すると考えられます。
 更にその錯覚を錯覚と知覚できず誤認知に至る可能性も示唆しています。
 「数字の抜け落ち、ケアレスミス」などの原因に「見間違い、聞き間違いが多く自分は障害があるに違いない」と自覚しやすいのはそのためです。

ということです。要するに、無自覚のうちに頭だけはアホほど回転しているけれども、それに知覚が追い付かずに処理落ちのような状況が頻発していて、それが表立った現象だけを見るとADHD的である、ということみたいです。なので、「ADHD」ではないということみたいですね。

もっとシンプルに言えば、【凸凹暴走機関車】ということでしょうか。

「超ド級のマイノリティー」という事実は重い。

 さて、どうやらADHDという診断名がつくものではない、IQ面での出現確率は0.3%以下、ディスクレパンシーの出現率も6.9%というのは、いい悪いの問題ではなくただただ事実として「超ド級のマイノリティー」であるということは間違いないようです。

 ところで、日本に限らずこの世界は基本的にはマイノリティーには優しくはできていませんよね。それこそ、BLM運動などを見てもよくわかると思います。そんな世界でどうやって生きていけばいいのか、考えてみると軽く絶望するような、同時になにやら「唆る(by石神千空@Dr.STONE)」ような不思議な感じがします。

 そんな超マイノリティーな私ですが、どうやら福祉のネットには全くかからないようなので、何とか自力で強く生きていくしかないみたいです。ネットなどでいろいろ調べてもみるのですが、「子供」のことはいくらでも出てくるのに「おっさん」のことは全く出てこない…。

 とりあえず、自助グループ代わりにメンサにでも入ってみようかなとは思いますが、もしもこのnoteを読んでいる方に「激レアさん」がいらっしゃったら是非ともご連絡ください。比較的マジでつながっていきたい…。

サポートいただけたら励みになります。具体的には心身養生の足しにしたいと思います。