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伊根の舟屋あるき(@京都府与謝郡伊根町)


京都府の北のほうにある、「伊根の舟屋」。以前風景写真をなにかの雑誌で見て感動して気になっていたので、行ってきた。

何も知らなかったので、歴史と地理的情報を集めながら歩いた。

伝統的建造物群保存地区に
指定されているこのまち。
最も特長的な建造物である舟屋の大きな特徴は、水際ぎりぎりに2階建ての建物が、湾を取り囲むように並んでいること。ここ以外にはこのような景観はないらしい。
地理。調べたところ、南側に開けているというのは珍しいらしい。また三方囲まれており、さらに青島が防波堤のような役割を担うため、波は穏やか。
そして山は急峻かつその傾斜が海底まで続くため水深も急激に深くなり、潮位差も少ないとのこと。
波がない・干満差が少ないという地勢だから
海のそばに舟屋を連続して建てることができた、というのが興味深い!
今回のお供はアプリでダウンロードしたらいつでも聞けるらしい有料音声ガイド。これがまたいい仕事をするんや


まちは、舟屋が海を取り囲み、道をはさんで主屋と蔵が立ち並ぶ。
脱色アスファルトに舗装されていて景観への意識が垣間見える。
立ち寄れる舟屋ありけり
幸洋丸
中へ進むと……
うお~~~~~~~~~すごい!
水際ぎりぎりっていうけど、
こんなに近いのか…………
そしてまた魚がきれいに干されていることよ……
ざぁ、ざぁ、とゆっくり波打つ音が聞こえる。ここにずっといたい。と思うような場所。
そして正面にぽつりと見えるのが、青島。
舟屋と青島の間で、古くから祭りがおこなわれてきたらしい。
舟の上で屋台が乗り、そこで劇をする。
それもいい役者を雇っていたらしい。
なんとまあ。すーすごい。
現在は人でもお金も足りなくなってきている現状があるという(byこの日出会った地元の方)。そうかあ。
にしても海を舞台にする祭りというのは面白いな。
この伊根湾ではくじらが魚を追って迷い込んでくることが多々あり、舟総出で、くじらをを捕らえることも多かったのだとか。
これはくじら専用のモリ。


逃げないように囲むようにして捕らえたのだそうな。
「こどものときはすてられたくじらの骨でチャンバラしていた」と地元の人が言っていた。

続いて、神社を発見。
この神社、さきほどの祭りをおこなっている神社。地域を見守る神社だ。
観光客はなかなか来ないであろうな…。

八坂神社
胴体若干長めのこま犬
そして見下ろす風景がよい①
これまた見下ろす風景がよい②

さて、さらにずんずん歩いていると、
思ったことがある。
それは建物と建物の隙間を横目に見るのがたのしい。ということ。
常に向こう側に青い海がチラ見えしている。あるくたびにチラ見えしている。
これがまためちゃくちゃいい。伊根の舟屋でしか見られないのではなかろうか…(?)

たまに上を見ると蔵に「こてい」という漆喰でできたレリーフがあるのを見つける。これ、左官さんがつくっていたらしい。コテでやるから、「こてい」らしい。(音声ガイドより)へえ。
それぞれの蔵で絵柄や文字が異なるのでまた観察しがいがある。

いやはや、見ごたえ十二分すぎた。伊根町。歴史や地理などを調べれば調べるほど、このまちなみの形成がほんとうにおもしろいな。

そして何よりもこのおだやかな海、ゆっくりとした雰囲気にいやされる。ここでまたいつか泊まってみたい。

釣り人達も順調そうだ。


参考に読んだ資料
伊根町伊根浦伝統的建造物群保存地区関係例規集