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ちんもくの詩 7/?

なんの思い入れも
理想も希望もなく入った

「弓道部」

それでも毎日が楽しくて
キャップやのび太君と毎日のように

練習前のサッカー

練習中の麻雀

最後の10分だけ弓道。
ほぼ麻雀。

本当にふざけた弓道部。

顧問だけが弓を引き
ぼく達はひたすら麻雀に明け暮れた。

バカ笑いした帰り道。
ジャスコのフードコート。

マクドにスガキヤ。

今、振り返って思うでもなく
当時の僕も確実に思っていた

あぁ。弓道部に入って良かった。

と。

今、振り返ってもぼくは恵まれていたと感じる。

その頃のぼくは健常人そのもの。
家から学校までの15kmの道のりを毎日自転車で往復していた。

ふくらはぎが子持ちししゃも。
そんなことを言われた事もある。

体脂肪率は9%だった。
僕は無敵だと思っていた。

ほとんど部活の時間を麻雀で過ごした1.2年。

真面目に弓道の練習をしたのはいつぶりだろうか。
2年生の時に訪れた
"先輩にとっての最後の試合"

大好きな先輩たちの最後の試合。
ぼく達は珍しく練習した。

たくさん練習した。

いやはや、弓道は奥が深い。

試合は的に当たるか外れるか。
◯か✖️か。

昇段試験となるとそれだけではなく型の美しさも加味される。

不真面目な僕たちは当て方だけ上手になっていき、型はどんどん無様となる。

麻雀の知識だけはどんどん増えていったが。

それでもなぜか、的に当たるようになってきた。

ちゃんと弓道に取り組み出したからこそ生まれる感情もある。

写真を売って5千円も得た"弓道に一生懸命なあの子"にはどことなく申し訳なさを感じて目を合わせることが出来なくなっていた。

まぁしかし、そんな事も何の悪びれもなく
只々毎日を楽しんでいた。

最後の試合まではあと1週間。

その日に負ければ
先輩との部活動は終了する。。

そんなことを思いながら
心も体もスッカリ弓道部になっている
自分がおかしくて笑えてくる。

バレー部顧問の体育教師とは入学以来口を聞いていない。

そして、親父とももう口を聞かなくなって1年が経とうとしている。

つづく

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