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漫画語りー8. 「食」の秋に、漫画で「命ある食」への感謝を再確認しよう <(前編)トリコ、玄米せんせいの弁当箱>


はじめに


こんにちは、マッチロと言います。

ぼくは漫画が大好物で、これまで何作品か読んで楽しんできました。その中で感動して印象に残った作品がいくつもあるわけですが、このnote上で、ここが好き、これを学んだ、等の自分の感想や印象をとことん綴ってます。


ぼくは漫画からいろいろ影響受けてるのですが、その中でも「食」に関すること、もっと言うと「食べる行為に対する考え方」をすごく学ばさせて頂きました。


前編では思春期で強く影響受けた二作、後編では現実の実践的な内容(例えば狩猟など)をとことん扱った二作を紹介したいと思います。

「食」以外の内容も含まれてますが、漫画の魅力を伝える意図もありますのでご了承ください。


拙い箇所もあるかもしれませんが、漫画が同じく好きな方は少しお付き合い頂いけると幸いです。


「トリコ」


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美食屋ハンターのトリコが料理人の小松と共に、自身のフルコースを完成するために世界中にある極上のグルメ食材を探求するグルメバトル漫画。


ぼくが中学のとき連載開始して、以降の高校〜大学の途中にかけてどハマりしました。

連載と同時に毎週雑誌で読んで、コミックスも買い集めた漫画はこれが初めてだったので、非常に思い出深い作品です。


この漫画で登場人物たちはさまざまな空想の動植物を調理して食べますが、その過程の所々で生物学的な知識を紹介する時があってなかなか勉強になります。 


例えば、植物が放つ化学物質の「フィトンチッド」や、ノーベル賞受賞した本庶佑教授の研究テーマでもある「自食作用(オートファジー)」はこの漫画で初めて知りました。島袋先生の勉強の精が伺えます。

また、調理されて出てくる料理とそれを登場人物が食す場面を見てると、絵の描写や食レポの台詞表現からなんだか美味しそうに見えてきます。       

特にぼくは「フグ鯨」と「ジュエルミート」は是非食べてみたいです。

トリコは食に対して、

「無益な殺生を好まず、食すために感謝して命を頂く」

という信条を持っていますが、思春期のぼくはこれに非常に感銘を受けて食材や食べることを初めて意識するようになりました。

食への興味関心のきっかけを与えてくれたトリコには感謝しています。


ぼくは21巻くらいからだんだん熱が冷めていきましたが、それでも

・トリコも含めた四天王の個性に癖あるけどここぞで見せる正義      
・敵味方陣営のベテランキャラクターが魅せる強者オーラの演出→からのバトル
・島袋先生の魅力の一つ、豪快かつ粘りあるギャグコメディ(ゾンゲ)
・島袋先生の魅力の一つ、目を逸らしたくなる程気持ち悪い描写                            
   (たけしの安藤のような)
・ストーリー上の伏線とその回収

、等これらの要素が良く出来てて、最後まで読んでも全体的に楽しめました。


中でもお気に入りの場面は、10巻でマッチのヤクザ一味vs美食會バリーの戦いが一番読んでて胸が熱くなりました。

弱くてもボロボロになりながら親分を信じる子分たちに泣けるし、それに渾身の怒りで応えるマッチがめちゃめちゃかっこいいです。


一つ苦言を呈するなら、小松の鼻をなんの理由もなしに突然変更したのは許せなません。そこは最後まで通してほしかったです。。。





『玄米せんせいの弁当箱』


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ぼくの「食」に対する意識や考え方に最も影響を与えてくれた、今後断捨離があっても手放したくないくらい大好きな漫画です。

国木田大学に臨時講師として教壇に立つことになった結城玄米先生が、生徒や近隣の住民と触れ合いながら食にまつわる話を紹介し伝えていきます。


その話の範囲は幅広く、
食に関する情報(食べ物の栄養ー起源ー名前の由来等)、
日本の食文化(地方の名産品や郷土料理ー食事をするときの言葉ーお箸等)、
現代の食事情(生活習慣病ー食料自給率ー農薬ー学校給食ー孤食と中食等)



を扱っており、これらを1〜3話構成で登場人物たちのストーリーに合わせて巧く組み入れているのでとても理解しやすいです。

読んでるこっちも、為になる知識と食について考えさせられる機会を得られて非常に勉強になります。


そして何と言っても、この漫画の魅力はやさしさ温かさがいっぱい詰まってることです。


まず、主役の玄米先生は、食の喜びを共有するために自分で育てた野菜を通りがかった人に無償で与え、どんな食べ物でも「うまい!」と褒めながら頂き、ひどいことをされてもイヤな顔しない・・・そんな人格者の鏡のような存在です。


漫画はどの回もハートウォーミングなのですが、タイトルに「弁当」とあるように弁当を軸にした話が多く、そのだいたいが「親から子のために作る」、反対に「子から親ために作る」と親子の絆を描いていて、親子の縁の大事さや親への感謝も気づかせてくれるでしょう。


特に、10巻の「収穫の日」という徹と母親の回は一番しみじみときました。

それらがまた魚戸先生の温かく、親しみやすいやさしいタッチで描かれているため、相乗効果で読んでる最中も後もほっこりとした気持ちになれます。


このように「玄米せんせいの弁当箱」は老若男女におすすめできる漫画なので是非読んで頂き、自分用でもいいからたまには弁当を作って手間ありきの食を体感してほしいと思います。


それでは、後編もお楽しみに。



ちなみに、ぼくが活字の方で食の影響をガツンと受けた書籍も載せておきます。




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