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【映画】遠いところ

キレイじゃない沖縄を描く強さ
「遠いところ」という映画を観てきました。
最後の最後まで光を感じられず、感情の持って行き場のない作品でした。

これはノンフィクション映画だと感じました。
貧困や暴力、若くして子を持った親の生きる現実がありのままに描かれていました。

作品の始まり、主人公と夫のふたりは一生懸命に子を育てようとしていました。若さゆえ視野が狭かったり、考えも甘かったです。
忍耐することもできていませんでした。
育った環境も影響して「家庭を築く」ことへの情報や経験が不足しているとも感じました。

それでも子を育てよう、家庭を築こうとしていたのです。
しかしふたりには難しく、家庭環境は不安定なまま、問題は複雑に山積みになっていきます。

作品中、ラジオが政策について伝えるシーンがありました。
横文字連発で聞こえだけのいい政策は、全く彼らの救いになっていません。
ふたりとも政治や行政が自分達を救ってくれると知りもしないのです。

実際に存在する悪循環に、やるせなくなりました。

親になるにも安定した生活を送るにも時間と誰かの支えが必要です。
支え、導く存在の欠如。
彼らはあまりに傷つき過ぎていました。
見ていて辛かったです。

誰かを責めれば解決するわけでもなく、誰かを正せばうまくいくわけでもない。

わかっていながらも何か救いはないのか、ずっと考えてばかりいます。


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