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紅我龍
2020年4月22日 22:53
本物の中にある嘘をあなたは見抜ける? これが私の最初で最後の嘘。 今から私はあなたに嘘をつきます。 この嘘はあなたを悲しませるだけかもしれません。 だけどあなたならこの嘘を見抜いてくれると信じています。
2020年4月21日 23:51
「また会う日を楽しみにしているね」そう言って彼女は僕の前から姿を消した。
2020年4月20日 21:13
あの日。私は不幸にあった。私以外にとってはそれは不幸ではないかもしれない。だけど、私にとっては不幸だった。 私はいつものように本屋さんに来ていた。そしていつものようにゆっくりと本を見て回った。新刊から昔に発売した本まで何度来ても同じように見て回る。この時間が私は好きだ。そこに、新たな出会いがあるような気がするから。実際にそうやって出会った本はたくさんある。その中には面白かった本もそうでなかった本
2020年4月13日 22:20
傘に跳ねる雨の音。 この音を聞くと心まで弾んでくる。 僕は雨の日が好きだった。たいていの人は雨の日が嫌いらしい。じめじめする。髪が濡れる。寒い。などなどの理由で雨の日が嫌いな人が多いらしい。 僕が雨の日が好きな理由はいくつかある。 そのうちの一つが、雨の日は別の世界にいるみたいな感覚に陥れるということだ。 雨の音。空の色。町を歩く人々。それらすべてがいつもとは違う景色。 僕は異世界に来
2020年4月14日 17:27
もしもこの世に晴れと雨が存在するのなら、私は雨の方だろう。 晴れの日のようにキラキラとしたり、誰かを温めたり、人を笑顔にしたりすることは私にはできないと思っていた。あの人と出会うまでは……。 私はあの日。彼と出会ってしまった。決して交わることのないと思っていた彼と。
2020年4月17日 21:28
時間の流れは早い。俺が彼女と出会ってからもう三年が経っていた。だけど、彼女と過ごした期間は三カ月しかなかった。「もう、君には会えないんだね」 あの日。彼女は俺の前に現れなくなった。「またね」という言葉だけを残して姿を消した。
2020年4月15日 21:59
その音は私の胸を抉った。私の傷にどうしようもなく触れてくる。その音から耳を背ければいいのだろうけど、私はその音から耳を背けることができなかった。その場から離れることができなかった。 私は一歩を踏み出すことのできない人間だ。私は夢を諦めてしまった。だから、私の心をあの音は抉るのだ。私が夢見ていた場所。私がなりたかったもの。私はその景色を下から眺めることしかできなかった。 本当にそうだろうか。私
2020年4月16日 23:13
たった一節。私の心を惹きつけるにはそれだけで十分だった。彼女のピアノは私の心を魅了した。 疲れてる。私は疲れている。今にも叫びだしそうなくらいだ。 毎日、残業、残業、残業……。もう、嫌になるくらいだ。そんな時に彼女のピアノに出会った。彼女の音に出会った。
2020年4月18日 19:39
私には憧れている人がいる。高校二年生の秋。文化祭。私はその人に憧れた。「今日はお越しいただきましてありがとうございます」今日は高校の文化祭。私は生徒会長として、今日のゲストに挨拶をするために控室へとやってきていた。