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EV普及を見越した新たなビジネスモデル  EVのフリート管理とは?

こんにちは。MaaSHack編集部の横山です。

トヨタ自動車が今年5月に2030年に電動車を年間で800万台販売する目標を明らかにしました。また9月7日、電池戦略に関する説明会を開き、電池の確保や開発に向けた計画を発表したのですが、2030年の800万台の実現に向けて1兆5,000億円を電池関連に投資することを発表しました。昨年10月に菅首相が打ち出したカーボンニュートラルの発言から、電動車普及の流れがますます加速しています。

そのため電動車の普及を見越して様々なビジネスチャンスが生まれています。
一番わかりやすい例は、充電インフラ領域かと思います。
政府は電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)向けの急速充電器を2030年に現在の約4倍の3万基まで増やすことを目指しています。そのため大きな市場拡大が見込まれています。ただいきなり急速充電器の製造や販売事業を行うのは、自社のアセットとうまく合わない限り難しいのではと考えています。
今回はEV普及を見越した新たなビジネスモデルであるEVのフリート管理についてご紹介させて頂きます。

・フリートとは?

fleet(フリート)という言葉自体は「ものの集まり」を意味する単語ですが、法人車両を持つ企業においては、所有する車両そのものをフリートと表す場合があります。そのため車両管理のことは「フリート管理」、車両保険の契約のことは、その種類によって「フリート契約」「ノンフリート契約」と表現されています。

また、フリートという言葉で表す車両は、法人所有の車両(あるいは事業で使用する車両)のことであり、自家用車などの個人所有の車両のことはフリートとは表現しません。

・フリート管理とは?

フリート管理とは、法人や団体でもつ車両を適切に管理し、運行管理を行うことを言います。企業によって「車両管理」「社用車管理」など様々な呼び方がされています。

車両の現在位置や走行履歴、保険情報、車両には管理すべき項目が数多く存在します。
フリート管理は経営管理を行うために必要不可欠なことですが、同時に、使用者(事業主)にとって車両を安全に運行させることは義務でもあります。車両の使用は常に交通事故というリスクをかかえており、その危険性を排除することは道路交通法にて定められているのです。

・EV普及によるフリート管理のビジネスチャンス

今までのフリート管理は車両の現在位置や走行履歴、保険情報など、車両の管理がメインでした。ただ今後ガソリン車から電動車となった場合、当たり前ですがエネルギー供給源がガソリンから電気に代わるため、エネルギー領域のマネジメントの重要性が高まります。
今までのフリート管理におけるエネルギー供給の調整は、ガソリン費の削減程度でした。そのため実施事項は大手石油会社様との法人契約でした。
今後EVとなった場合、純粋に安い電力会社から充電するという単純なことではなく、電力プランや充電量・充電時間帯など様々な要素が絡んできます。

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・EVフリート管理の事業化の可能性

なぜフリート管理が大きな可能性があるのか?説明させて頂きます。
EVフリート管理を適切に行うには、充電の最適化のために企業のエネルギー利用におけるデータを分析し最適化する必要があります。そのため様々な法人企業様のエネルギーにおけるデータが蓄積されます。またもちろんのこと車両の移動データも蓄積ができるため、一企業の移動データとエネルギーデータの両方を蓄積できることになります。

このモビリィティとエネルギーのデータ取得が肝になります。もしエネルギーやモビリィティのデータを取得できると、多くの最適化の提案がすることができます。

例えばエネルギーデータの取得を考えた場合、その企業様にとって最適な電力プランの提案や、熱源などガスの提案もできます。またモビリィティデータの取得に関しては、法人車両について適切な車種の販売や提供ができます。

《イメージ図》

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またその両方のデータが取得出来れば、稼働していないEVを電力の調整弁に活用するVPPやリソースアグリゲーションビジネスにも活用できるため、より大きなビジネスに繋がります。

《VPP・アグリゲーションビジネス》

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(経済産業省・エネルギー庁より参照)


このようにモビリィティとエネルギーのデータを取得することによって、法人様にとって最適なエネルギー提案や移動手段の提案、またカーボンニュートラルに向けて環境文脈の提案など様々な事業へ貢献ができると思っています。それを実現するにはモビリティとエネルギーのデータの蓄積とAIによる最適化と考えます。

実際日野自動車と関西電力がトラックやバスなど電動商用車の最適稼働マネジメント事業で協業をスタートしています。

《キューブリンクス(CUBE-LINX)》

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日野自動車株式会社HP ニュースリリース2021年04月22日

・実現に向けたステップ

各プレーヤーがこの領域のデータ取得を狙っているので、この情報を早くとれる企業が多くの利益がえられると考えています。
データの分析は必要ですが、データ取得自体は技術的に難しいことではありません。そのためまずは自社もしくは取引先とPoCを行い、アジャイル方式で一度データの取得を始めることが重要です。


いかがでしたでしょうか?
いま多くの企業様から狙っているモビリィティとエネルギー領域におけるビジネスチャンスについてお伝えさせて頂きました。貴社の戦略策定の一助になれば幸いです。

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 ぜひご覧ください。


(記:横山)

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<作成者プロフィールを記載>
株式会社リブ・コンサルティング
チーフコンサルタント
横山 賢治

同志社大学経済学部経済学部卒業後、大手電機メーカーを経て現職
モビリティ業界をメインコンサルティングに従事
《主なコンサルティング実績》
大手自動車部品メーカー事業開発支援
MaaS(ライドシェア)の実証実験構築支援
ベンチャーにおける事業戦略立案・グロース支援
カーディーラー様向けCRM構築支援
カーディーラー様向けマーケティング戦略構築支援 など


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