mako0217

独り居の日記 山と自然、酒と本

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独り居の日記 山と自然、酒と本

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やめられない嗜好品のひとつ、煙草

「煙草を吸い始めたきっかけは?」とよく聞かれる。 「男がきっかけ。」 大概その時点で、聞いた人は最も男に影響を受けなさそうな女も、やはり煙草は男の影響かと、少し笑う。 そこで少し間を置いて。 「わたしが人生の中で最も影響を受けた男。それが母方の祖父。祖父は、生涯通しておいしそうに煙草や葉巻やパイプを楽しんでいた。」 だって、葉を巻いた先に火を灯して、プカプカと吸っては吐く行為って、幼心に不思議で面白いでしょ?それで興味を持って。と乾いた笑いまで添えて、そこまでセット

    • 3.11

      今日は3月11日。 あなたは、あの時何をして過ごしていたのでしょう? 私は中学3年生で、その時は体育館に居た。ただでは済まない予感がする揺れ方に、生まれて初めて地震に対する強い恐怖を感じた。 バスや電車もとまってしまい、徒歩で帰路について、自宅のテレビを見ると、この大きな地震の震源は東北ということを知った。東京でこんなに大きな揺れなのだから、現地はどれだけ揺れたのか...。 更に、この地震の最大の悲劇は「津波」がついてきたことだった。 寒かったろう...暗かっただろう...

      • 「なんかいい」モノや人のベースには、誠実さがあるんだろうなと思う。

        • 何気ない生活の中の自然と彩

          毎日通る道で、自分好みの道ってあるなと思う。 たいそう立派な景色でなくていい。 いそいそ小走りで駆け抜けていたり、俯きがちで舗装されたコンクリートしか視界に入っていない日々が続いたとしても。 ふとした日に、季節の移ろいが感じられる道が好みだ。 一心不乱に駆けてる間に、季節も共に刻々と過ぎていたんだと気が付けることが、(牛歩牛歩で何も進んで居ない間にも、着実に季節は進んでいると気が付くことは無情だが、それもまた)一山越した合図で縁起が

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        やめられない嗜好品のひとつ、煙草

          孤独と湖

          一人、湖畔で夜明けを待った。 山と雲の隙間を縫って差し込む光が、真っ赤に湖面を染めていく様子を固唾を飲んで見守った。 心震える。生まれてから死ぬまで人は寂しい。あまりにひとりぽっちを感じさせるその景色は、生きる不安を駆り立てさせた。 一人でこんなにも美しい景色を見てしまったな。愛する人の顔が浮かんで、この景色を共有したいと思った。 何かをシェアしたいと思った時に感じるこの強い寂しさはいつか消えるのだろうか。 自然の中で、忘れられない風景を得た時に、こ

          孤独と湖

          北海道大学のポプラ並木は

          興奮冷めやらぬ、TOKYO2020フルマラソン激走後の札幌。 見慣れた景色で繰り広げられる激闘を不思議な気持ちでテレビ越しに見守っていたら、全ての道や建物をちゃんと覚えていた。 丁度近くで用事があったので、テレビを見た後ついでに少し北大のイチョウ並木を散歩したら、偶然北大病院の前を通りがかった。 病棟のにおいが鮮明に思い出されて胸が締め付けられる一方で、懐かしく物凄く愛しかった。 癌が見つかった頃には、末期で助からない命だった。 潔く好きなものばっか食べて死のうということで

          北海道大学のポプラ並木は

          孤独と海

          すこーんと1人ぽっちになりたくて、思い付きで辿り着いた逗子。 暗いうちから、街の中にある小さな山を少し走った。 夜明けの静けさは本当に世界で1人きりになってしまったような寂しさと自由な気持ちをくれるから、その美しさに魅了されて、うっかりそのまま戻って来られなくなりそうになる。 人々が目覚めて、街が文化的な物音を取り戻し始めると、私の魂は決まったように戻って来られる。普段遠ざけたいと思う騒がしさが、私を文化的な生活に連れ帰ってくれたんだ、とホッとするからまた日々の生活に向き合え

          孤独と海

          ジャックダニエル

          会いたいな。 そう思って恋人が友人に貰ったんだという飲み差しのジャックダニエルを口に含んでみた。 バニラ香、カラメル、甘味。メープルシロップの元となるサトウカエデの素敵な風味と芳香が充満する。 ストレートで飲んでもアルコール感を強く感じさせない。 ほんのり、くっと、胸が熱くなる。 初恋か。 若い頃、よくこのお酒を瓶のまま飲むのが好きだったという。 彼女が当時どんなことを思っていたのか少しでも知りたくて、同じように飲んでみた。 なんとなく自由になった気持ちになれるし、

          ジャックダニエル

          鬼が来る日は、福が来る日

          「なんで僕が生まれた日は、鬼が来る日なの?僕の誕生日は鬼が来る日だから、みんなが嫌だって言ってくるんだ。だから僕も嫌になってきちゃった…」そんな話を、2月3日に誕生日を迎えるという息子の言葉を聞いて、産んだわたしも悲しくなってきてしまったという話を職場のお姉さんがしていた。 ただ、彼女はそれだけで終わらない、ポジティブかあちゃんだった。 「鬼は外、福は内!ってみんなで豆まきをするでしょ?最後は福を内に呼んでいるの。君のお誕生日は、福を、幸せを呼び込む日なんだよ。」と答えて

          鬼が来る日は、福が来る日

          「月が綺麗ですね」という訳し方に対する考察

          「一人で月を見たときに、どう感じます?」 最近、人によく問いかけている質問だ。 わたしは、美しい月を見たときに「なんだか見てしまったな」という気持ちになる。 せっかくなら愛している人や好きな人と見たかったと思い憎くなることもあれば、ざわついて駆け出したくなる時もある。 圧倒的な静けさや暗がりを求めて夜空を見上げた時に満月が光輝いていると絶望してしまう。寸分の時間も、世界はわたしが暗がりで生きることも許してくれないのかと思ったり。その時の気持ちによって随分と受け取り方も

          「月が綺麗ですね」という訳し方に対する考察

          「同世代が結婚していく」と皆は言うけれど

          「同世代が結婚していく」と、最近会う友人は口を揃えて言うけれど。 わたしの場合、同い年が単に結婚していくんじゃなくて、国の思想と仕組みに絶望して海外で同性婚をしていくわけ。 これは、同期がどんどん会社を辞めていく感覚に似ているよ。 応援している、けれども寂しいし、遠くなる。それに、そんなに私が居る環境って可哀そうな環境だったっけかな?と再認させられる少し苦しい時間。 ただね、一方からみれば「捨てた」。でも、本当はそんな選択したいわけじゃなかったの。そういう選択をせざる

          「同世代が結婚していく」と皆は言うけれど