紫陽花ロードをいく【写真日記】
息子に、「いちばん好きな花ってなに?」と聞くと、
少し考えて、「あじさいかな」と答えた。
それを聞いたのは確か冬とかで、その瞬間に咲いてたから影響されて答えたのではなく、ちゃんと考えたのがわかる。
チューリップやバラや桜ではなく、紫陽花を好きと言えるのはなかなか。そして私も紫陽花が好きなので、嬉しくなった。
この時期、わざわざ名所に行かなくても至る所で紫陽花が綺麗に咲いている。
見慣れたいつもの通勤路も、「あなた、紫陽花だったのね・・!」と驚くことがある。なんとなく通っていた道の、なんとなく草が生えてんなー、と思っていた植物が実は紫陽花だったとは、なんてことも。
見頃の季節以外は、ひっそりとそこに溶け込んで、風景の緑として馴染んでいる。
そういう花って意外とたくさんあって、家から学校までの数百メートルの道のりも、ユキヤナギ・桜・ハナミズキ・つつじ・紫陽花・・・と、まるでリレー選手がバトンを渡すように、うまい具合に移り変わっていく。
主役のときは生き生きと。
出番が終わるとまた1年後まで存在感を消す。
今、6月中旬はまさに紫陽花の季節。
関東近辺の紫陽花の名所といえば、
・鎌倉の長谷寺、明月院
・飛鳥山公園の線路沿い
・箱根
などが思い浮かぶ。
私もすべて過去に見ごろの時期に行ったことがあるけど、それはもうめちゃめちゃ混んでいる。
もう人混みに揉まれて、紫陽花を見に来たのか人の頭頂部を見に来たのかわかんなくなるほど。(頭頂部は見に行かないね)
鎌倉なんて、整理券が配られて入場できるまで何時間待ち、なんてこともあった。まるでトイストーリーマニア。
そんな中、名所だけど実は穴場を発見した。
いや、普通に公になっているし、「紫陽花 関東 名所」で検索すればまぁ出てくる情報なのでそこまで穴場ではないけど、実際に行ってみると、人はいるもののごみごみはしていない。そして程よく田舎でのんびり。
何よりも映えを意識した浴衣系自撮り女子ーズがいない!(偏見に満ちた言い回しでごめんなさい)
今日は、数年前にひとりでカメラを持ってぶらりと写真を撮りに行ったときの記録を。
お寺までの道のりは、小さなお土産やさんが並ぶ。
私の大好きなお漬物もたくさんあって、ここでテンション上がって買い込んでしまった!
鞄から、少々すっぱい香りを漂わせつつ向かうことに。(迷惑)
この日の天気は安定の曇天。
生粋の雨女なので、雨が降らなかっただけ奇跡。
紫陽花を撮影するには曇りの日がいいとよく聞くけど、確かにしっとりとした雰囲気が魅力の紫陽花は、カンカン照りよりも曇っていたほうがいいのかもしれない。
私はいつもLightroomでレタッチしているんだけど、プリセットはいつもその都度作っていて(プリセット=エフェクトみたいなやつ)、被写体や風景はどんなイメージだったかを思い出しながら、どんなインスピレーションを受けたかを大事にしつつ編集している。
自分好みの軸は一応あるけど、青みが強いときもあれば暖色系になることもある。カラフルな写真が多いと思われがちだけど、彩度を落とすこともある。
今回のレタッチは、少し湿っぽい空気と紫陽花の綺麗なパープルやブルーを忠実に表せたんじゃないかなと思う!
五重塔の階段の脇に咲く紫陽花。
本当にきれい。
紫陽花の裏側マニア(なにそれ)なので、良いスケスケが撮れると嬉しい。
ここが一番有名な、両脇に紫陽花が咲く一本道。奇跡的に誰もいない一枚が撮れた!
平日のお昼、基本的にはこれくらいの人通り。↓
奥へ進むと、池があった。池への映り込みも綺麗。
さらに奥に進むと、暗くてじめっとした日陰になっている空間があったんだけど、撮影していたら急にサッと光が差した瞬間が。
それが神々しくて目を見張った・・・
奥のブルーの紫陽花にスポットライトが当てられているみたい。
なんだか舞台を見ているようだった。(ロマンチスト)
ここの紫陽花は、パープルやブルーの王道のカラーが多く、色もはっきりしている。綿菓子のように淡い色のものは少なかった。
こういうの、よーく見ると蜘蛛の巣がわさっとついていたりするからうかつにズームできない。蜘蛛の巣発見したとたんに、ギャッッとなる。勘弁。
お出かけの日は晴れてほしいって思いがちだけど、曇りも悪くないなと思った一日だった。
この日は、私が転職期間中で息子が保育園に行っている間にピャッと行ってきた。無事に次の転職先が決まり、さぁこんな休んでいられるのも今のうちだ!今できることやっとこう!と思ったときに、「カメラ持って一人で思いのままぶらぶらしながら写真を撮りたい」と思い立ったのだった。
こどもが生まれる前は、よく会社の先輩と休日はカメラを持って花を撮りに行っていた。お酒が飲めない私の健全な趣味だった。
今回、そのときのペースを思い出すことができて非常によかった。たった数時間だけどすごく楽しかった。
もちろん息子と一緒に行くのもよいけど、誰のペースにも合わせず、会話もせず、一人で過ごす趣味の時間というのは必要だ。
そう気づかせてくれたから、紫陽花がまたほんの少し特別な花になった。
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