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これぞ超演劇体験-ゴースト&レディ谷原×萩原ペア-観劇レポ②

Bonsoir!
こんばんは

本投稿はゴースト&レディのサウンドトラックが配信される前の段階で書いているものになります。どうぞお手柔らかにお願いたしますm(__)m笑。

開幕前はこんなにもハマるとは思わなかった劇団四季のゴースト&レディ。
本投稿では、7/27に観劇して感じた
谷原志音さんフロー、岡村美南さんデオン、萩原隆匡さんグレイ、そしてグレイとフローの関係性
について書きたいと思います。

一つ前の投稿では、観劇回の全体的な感想について書いております👻

〈谷原志音さんフロー〉


谷原さんフローを一言で表すと「神秘的」、という言葉が近い感じがします。
思わず包みこんであげたくなる可愛らしさがあるかと思えば、どこか遠い目をして常に何かを求めている感じもする。
可愛げもあれば、大人っぽさもある。でも、いつかどこかへ行ってしまいそうな儚さも持つ。
わりと静かな感情の展開の中に、強くみなぎる青い炎。
掴めないところに加えて、欠けるところのない歌唱力。フローという人物の卓越性に説得力を持たせますし、それがゴーストであるグレイとの相性も抜群。
どちらかというと、表現のメリハリがくっきりしている真瀬さんフローの方が私は好きだなと思うのですが、異なるタイプの谷原さんフローも素敵で非常に魅力的だし、大人な萩原さんグレイとの相性もいいんだろうなと思います💘

〈岡村美南さんデオン〉


もう、本当に観れてよかった。
2022年の『ノートルダムの鐘』で人生で初めて四季を観て、エスメラルダ役の岡村美南さんのトリコになりました。
スラっとした長身で、大人っぽさとチャーミングさが両立した舞台姿。歌、ダンス、お芝居どれも私の「ストライクゾーン」にピタッと入ってくる俳優さんでした。
特に、私は美南さんのダンスに惹かれました。タンバリンのシーン。
当時のことがあまり思い出せないのですが、本当に「かっこいい女性」という印象でした。
「かっこいい女性」と言えば、私は、元宝塚月組トップ娘役さんで、現在もミュージカル俳優として活躍されている愛希れいかさんをずっと応援しているのですが、ちゃぴ(愛希さん)と通ずるものを感じました。

以前月組の『激情』(カルメンのお話)を観たとき、ちゃぴはヒロインのカルメンで、エスメラルダと同じジプシーのお役を演じられています。だからちゃぴの姿に重なったというのもあると思います。(やはりフランス文学の力もある。) でもそれだけでなく、舞台への情熱や、それに向き合うお姿、そして表現の仕方、なんとなくお二人は通ずるものがあるんじゃないかなと思います。うん。

長くなりましたが、とにかく私は美南さんの舞台姿を再び観れる日をずっと待っていたんです!(クレイジーフォー・ユー行きたかった!!行けばよかった!!泣)

2年振りの生の岡村美南さん。背が高くて、華がある舞台姿が、デオンが宝塚の男役のようなイメージであることを抜きにしても本当にかっこいい。
殺陣での手脚のさばき方、舞台を掌握し、誰もが見入ってしまうダンス、歌、どれをとっても高すぎるクオリティです。
しかし、私は美南さんのデオンを見て感じた点がありました。
それは、デオンは「悪役」なのに、美南さんデオンは「心の奥底に温かみや優しさ」を持っているのではないか、ということです。

それは、美南さんご本人のお人柄がそうさせているのかもしれませんが、美南さんデオンは常に「一定のテンション感」で存在しているように感じたからです。
例えば、グレイに「裏切らないようにするんだな。昔のように。」と言い放つセリフ一つにとっても、グレイを心の底から皮肉ったり馬鹿にしたいわけではないのだと思います。
「男として、決闘代理人として生きた」人生がデオンをそう言わせたのではないだろうかと。
つまり、美南さんのデオンは、この世に生を受けた「もともとの女性としてのデオン」の身体を通して、「シュバリエ・デオン」が生きている感じ。極端に言えば、二重人格のような。

だから、グレイに「お前、女だったんだな」と言われたときに、刺すような鋭い目つきをして"静かに"怒りを表すのです。まるで、「男として、決闘代理人として生きることによってのしかかった苦しみや孤独を訴える」かのように。

本来の女性としてのデオンは、人の痛みや孤独の寄り添うことができる、温かみのある人間だったのではないか。私にそんな解釈を与えてくれた美南さんのデオンでした。「悪役であることの苦しみ」をはっきりと見た気がします。とても貴重な演劇体験で勉強になりました。美南さん、ありがとうございます😖

(p.s. 雪山の場面でのデオン最後の登場で、舞台下手できれいな二番のグランプリエをされていた美南さんが忘れられません。。好でした。。)

〈萩原隆匡さんグレイ〉

萩原さんのグレイ。
私がゴースト&レディが大好きで大切な作品になったのは、萩原隆匡さんという俳優さんに出会うことができたから、という部分が非常に大きいです。
10年前、大好きで尊敬する俳優さんであるちゃぴに出会えた衝撃に近いです。
ここで上手くまとめられるかな、、頑張ります!

出演候補キャストのインタビュー動画を見た時点での第一印象は、「芸事にも自分にも厳しく、真面目な方」という印象でした。
他のお三方がわりと声のトーンが明るめに柔らかくお話されている一方で、萩原さんは何かシリアスなものを抱えているような雰囲気をまとっているなあと。
作品を観劇した後に動画を見返すと、まるで萩原さんの日常はお稽古場を出てもグレイの人生と共にありそう、と感じました。役への入り込みがお稽古の早い段階から深いお方なんだと、感銘を受けておりました。

そして、谷原さんと♪不思議な絆を歌うお稽古場映像が上がったとき。
萩原さんのお稽古姿、低音で響く歌声、哀愁漂う階段の降り方すべてに心を掴まれました。私は気づいてしまった。このお稽古姿を見ただけでかなり私の「タイプ」な役者さんだと、、🫣

だから、そんな萩原さんの舞台姿を早く観たい!!グレイは絶対にこの人でも見なければ!と、萩原グレイを観劇できる日をずーーーっと心待ちにしていました。

そしてやっと観劇できた彼のグレイ。
登場から、私たちをゴースト&レディの世界に誘う、漫画から出てきたそのまんまのグレイでした。「シアターゴースト」の名にふさわしく、お芝居やこの劇場という空間が好きなんだ、という空気感がビシバシ伝わってきたのです。
物語序盤のグレイに関しても、コメディ要素は萩原グレイの方が色濃く感じられて新鮮でした。所作や立ち居振る舞い、姿勢、剣さばき、どこをとっても美しく、めちゃくちゃ踊りが上手い方というのが納得でした。

一幕では自ら決めた道を突き進んでいくフローへの感情が芽生えていくわけですが、萩原グレイは一貫して
己が信じる道を実現していこうとする者への敬意」みたいなものを感じました。
私の勝手な想像ですが、
芸事に真面目に厳しく向き合うことを信念としてこられたのであろう萩原さんが演じるグレイにとって、簡単にへこたれずに信念を貫くフローに"同士"としての敬意を抱いているのではないかと。
舞台に立つ方々は厳しく芸事に向き合い、鍛錬を重ねるのは当たり前のことだと思いますが、萩原さんはそれがすごく舞台姿やお稽古姿、日常に出る方なんだなあと。それが前々回書いた、上田久美子先生の言葉「強く厳しいものは美しい」という概念をまさに体現されていて、本当に好きです。。沼。

そしてやっぱり見所は二幕。
デオンとの殺陣や、シャーロットとのアイリッシュダンス(町さんとのCFYペアでも見てみたいです、、!)など、見所がありすぎるのですが、
中でも特出したいのは下記二点で。

絶望

前回の投稿でも触れたのですが、
「お前はわかってねえ。…..教えてやる。“絶望”がどんなもんか。」
の”絶望”の言い方が異次元。
萩原グレイの"絶望"を聞いただけで、グレイが生前「本当に」絶望したこと、絶望の度合いが想像を絶するようなものであったことが伝わってくる。この萩原グレイを振り返るだけで、演劇って面白いなあとしみじみと感じています。
自分が本当の絶望を経験したことがあるからこそ、絶望を理解していないフローに強く、ある種あきれたように言い放っているんですよね。そこは萩原グレイのプライドをすごく感じました。そんなことで俺のような絶望を経験した気になるなよ、勘違いするんじゃねえと。

でもね、そう強がれば強がるほど、「裏切りに始まり裏切りに始まる人生」だったと心を閉ざせば閉ざすほど、
グレイは「俺だって誰かを信じたかった」という相反する気持ちが強くなると私は感じました。そして、フローは「信じられる存在」だと気づいていく。だから、デオンに詰められる度にフローを信じる気持ちというのは増していき、決闘での「あいつは絶対裏切らねぇ」みたいなセリフが非常に力強かったことを強烈に覚えています。
このように、地の果ての絶望の提示と、大切な人を信じる力から生まれるエネルギ―の爆発の二項を体現する萩原グレイを観たことは、「超演劇体験」だったと思いました。

フローへの想い

霊気をあげる時の、萩原グレイがフローの頭にあてる手が本当に優しくて、、泣。ああいう手の置き方は本当に大切な人にしかやらないです←。
このシーンでは「二度と離れないで」なんてフローに言われて、もう我々観客は胸いっぱい目がウルウルなのですが、霊気が足りなくなって壁を通り抜けられなくて、すごくおちゃらけた感じで振る舞うのも、動揺をフローに見せないためなのかな、とか思ったらグレイを抱きしめたくなって泣いた。

雪山のシーンでは、私は気づいていなかったのですが、親友いわく、フローに「逃げろ」と言うときも、フローの方に手を伸ばしながら守りながら逃がしてたと、、え、もう愛でしかない。泣。

物語終盤、「俺は信じたいものを信じた!」のセリフの時のあの晴れやかなお顔。
♪不思議な絆リプライズのアカペラでの「もう二度と」の歌い出しの切なくもきれいな声。
そして最後の去り姿。

全てがフローとの美しい絆と愛でした。最後の最後にフローへの想いがマックスになっている感じ。が。もう嗚咽案件。

はあーーーーーーーーーこれぞ美しいものを浴びた、という感覚です。
最後に私の語彙力がなくなっていって辛いのですが、萩原グレイを生で観れたことは、私にとって生涯忘れられない宝物になるでしょう。

〈谷原さんフロー×萩原さんグレイの関係性〉

これについては、簡単に言うと「大人の愛」だと思います。
谷原さんも、萩原さんも、醸し出す雰囲気がまず大人で落ち着いている。特に真瀬さん、泰潤さんと比較するとそれを感じやすいです。
それに加えてお二人は「バディ感」があります。
フローが「背中を押してくれた方がいる。その方に感謝しているの。すごく。」とエイミーに言うとき、上述したように「神秘的」な雰囲気の谷原さんだから、まるで、グレイと絆を紡いでいくことがもともとの運命であったかのように思えるんです。
それに対し、やはり大人で、厳しさやプライドの高さを持つ萩原グレイは、フローに惹かれていくときのベクトルの向き具合がすごい。こちらも、まるで、神様がグレイにフローを出会わせてくれたのではないかと思うほど。
二人は出会うべくして出会ったバディである、と私は解釈しました。


はい!ここまで、振り返ってきました。
萩原さんについて力が入ってしまった。。でもそれぐらい、私は今回のゴースト&レディで萩原隆匡さんという俳優さんに魅せられているのです、、!


今、あと1時間で音源が配信されるという時です。
音源を聞いたら、新たに気づくことや、はたまた解釈を考え直したいことなど、たくさん出てくると思います。なので、また書きたいことがあったら書こうと思います。あとまだ観劇の予定もあるので👻

最後までお読みいただきありがとうございました!!





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